全国安全週間 7月1日~7日 他ニュース

全国安全週間
       -平成22年度 7月1日~7日

   みんなで進めよう リスクアセスメント
   めざそう 職場の安全・安心

 昭和3年に初めて実施されて以来、今年で83回目を迎える全国安全週間は、7月1日から7日までの一週間にわたって行われます。
 わが国の労働災害による被災者数は長期的には減少傾向にあり、平成21年の死亡者数は過去最少を更新したものの、今なお1,000人を超える尊い命が失われており、一度に多くの労働者が被災する重大災害も依然として跡を絶ちません。
 一方、景気は着実に持ち直してきてはいるものの、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にあり、企業における労働災害防止対策への活動が停滞することも懸念されます。
 このような中、労働者が安全・安心して仕事に打ち込むことのできる職場を目指し、労働災害を一層減少させていくためには、安全教育の徹底を図るとともに、労使が一体となって職場の危険性または有害性等の調査《 リスクアセスメント 》を実施することにより、機械設備、作業等による危険をなくし、安全を先取りしていくことが不可欠との観点から、上記スローガンの下に展開されます。


健康保険・厚生年金保険 算定基礎届の提出
 7月に入ると10日までに健康保険・厚生年金保険の「被保険者報酬月額算定基礎届」を提出することになっています。
 6月の給与計算が一段落したところで、報酬額の計算ができるよう、ご協力をお願いいたします。


指導した派遣会社の25%が法違反
       -厚生労働省の集中指導監督の結果
 このほど厚生労働省は、専門26業務の労働者派遣適正化への取り組みとして、今年3月と4月に実施した集中的な指導監督の結果をまとめました。
 対象となったのは、派遣期間に制限のない、いわゆる「専門26業務」の派遣に実績のある大手派遣会社をはじめとする派遣元とその派遣先の事業所で、指導監督を行った891件のうちの約25%にあたる227件に派遣法違反が認められました。
 違反と指摘された中には、「事務用機器操作」と称して、事務機器操作のほかに、来客者の応対やサービス利用者との契約手続き、苦情処理などを行わせていたものなどがありました。
 これを受けて同省は、専門26業務の範囲に関して解釈を明確にした疑義応答集を公表しています。


「内々定」の取消でも損害賠償認める
       -福岡地裁で原告勝訴の判決
 採用の内々定を一方的に取り消されたのは違法だとして、元大学生の男女2人が福岡市の不動産会社に慰謝料など計495万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は6月2日、「原告が被った損害について賠償責任がある」として、会社に対し2人に計195万円を支払うよう命じました。
 2人には内定式の2日前に会社から「金融危機や原油高騰など複合的要因」を理由に内々定を取り消すとの書面が届けられましたが、裁判長は、「内々定取り消しは労働契約締結過程における信義則に反する」として違法性を指摘。その一方で、内々定は労働契約の成立には当たらないと判断し、原告側の「労働契約が成立している」という訴えについては退け、元女子大学生が求めた賃金1年分の賠償は認めませんでした。


未払賃金の立替払額、34.5%増加
      -厚生労働省が未払い賃金の立替払状況をまとめる
 厚生労働省のまとめによると、平成21年度に企業倒産などで未払いとなった賃金を国が立て替えて支払った額は約334億円で、前年度より34.5%増加したことが分かりました。
 支払いの対象となった人は6万7,774人(対前年度比24.5%増)、企業数では4,357件(同19.7%増)で、昭和51年に制度が始まって以来、いずれも2番目に多くなっています。
 業種別にみた立替払状況では、企業数が最も多いのは建設業の1,098件(全体の25.2%)、次いで製造業883件(同20.3%)、商業760件(同17.4%)の順となっています。 また、一人あたりの平均立替払額は49万3,000円で、前年度より3万7,000円増加しています。


派遣労働者数が42%減少
       -労働者派遣事業所報告(速報値)
 厚生労働省が発表した労働者派遣事業報告(速報値)によると、平成21年度の派遣労働者の総数は約230万人で、前年度に比ベマイナス42.4%(約169万人減)の大幅な減少となりました。
 一昨年来の景気低迷による製造業を中心とした派遣契約の打ち切りが主な原因と考えられていますが、今後は、「登録型派遣」の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法改正案(通常国会に提出)を踏まえて派遣事業の縮小を余儀なくされることが予想され、派遣労働者の減少傾向が続くものとみられています。

育児・介護雇用安定等助成金

【両立支援レベルアップ助成金】の一部が拡充されました 

育児・介護雇用安定等助成金(両立支援レベルアップ助成金)のうち、子を養育する労働者のための短時間勤務制度を設け、利用者が生じたときに対象となる「子育て期の短時間勤務支援コース」において、中小企業事業主に対する助成額の引き上げなどの変更がありました。
 これは、従来の「中小企業子育て支援助成金」のうち、短時間勤務制度を設け、その制度を利用させた中小企業事業主に対する助成が平成22年4月1日から廃止されたことに伴う措置です。

◆「子育て期の短時間勤務支援コース」の内容◆
1.事業主の規模の区分
 区分が、大規模・中規模・小規模事業主の3区分に増えました。
事業主の規模が3区分に増


2.受給要件
 以下のアおよびイの両方を満たしていることが必要です。

 ア.少なくとも3歳に達するまでの子(中規模事業主または大規模事業主については少なくとも小学校就学の始期に達するまでの子)を養育する労働者が利用できる短時間勤務制度を労働協約または就業規則により制度化していること     なお、複数の事業所を有する事業主にあっては、すべての事業所において制度化している事業主であること
 イ.雇用保険の被保険者として雇用する、小学校第3学年修了までの子を養育する労働者であって、短時間勤務制度の利用を希望した労働者に連続して6ヵ月以上利用させたこと
  このほか、支給対象労働者を、

   ①短時間勤務制度利用開始時、

   ②同制度を連続して6ヵ月以上利用した日の翌日から1ヵ月以上、

   ③助成金の支給申請日、

  のいずれにおいても雇用保険の被保険者として雇用していること、などの要件もあります。

3.受給できる額
 中規模・小規模事業主に対する助成額が引き上げられました。
両立支援受給額変更


*2人目以降の支給対象労働者は、最初の支給対象労働者が生じた日の翌日から5年以内に生じた場合に限られます。
*1事業主当たり、延べ10人(小規模事業主は5人)までの支給となります。

育児・介護休業法の施行状況

事業主からの相談件数が増加
       -平成21年度育児・介護休業法の施行状況

 このほど厚生労働省が発表した「育児・介護休業法の施行状況」によると、平成21年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられた育児・介護休業法に関する相談件数73,509件のうち49,667件(67.6%)が事業主からの相談となっており、今年6月30日より施行される「改正育児・介護休業法」への関心の高さを反映して、前年度より16,008件増加したことが分かりました。

◆相談受付状況◆
 平成21年度に、都道府県労働局雇用均等室に寄せられた育児・介護休業法に関する相談件数は73,509件であった。
 その内訳をみると、事業主からのものが49,667件で全体の67.6%を占め、今年6月30日より施行される改正育児・介護休業法の内容等に関する問い合わせが多く寄せられた結果、前年度より16,008件増加し、労働者からのものは9,311件で同1,051件増加している。

【主な相談内容」
 相談件数を内容別にみると、育児関係で最も多いのは「育児休業関係」で20,141件、次いで「その他」11,813件、「勤務時間の短縮等の措置関係」10,532件の順となっている。
 また、介護関係で最も多いのは「介護休業関係」で5,793件、次いで「その他」4,353件、「勤務時間短縮等の措置関係」3,046件の順となっている。(下表参照)
相談者別相談内容の内訳


 実際に問題が生じた労働者からの相談内容をみると、育児関係では「休業に係る不利益取扱い関係」が1,657件で最も多く、次いで「育児休業関係」900件、「勤務時間の短縮等の措置関係」572件。介護関係では、件数的には育児関係に比較して少ないが「介護休業関係」が119件で最も多く、次いで「休業に係る不利益取扱い関係」39件となっている。

◆都道府県労働局長による紛争解決援助◆
 昨年9月30日よりスタートした育児・介護休業法第52条の4に基づく紛争解決援助の申立を受理した件数は107件で、そのうち女性労働者からのものが99件と大部分を占めている。
 申立の内容をみると、「育児休業に係る不利益取扱い関係」が75件で最も多く、次いで「育児休業関係」が11件となっている。
 なお、平成21年度中に援助を終了した事案は88件であるが、そのうち75件については都道府県労働局長が助言・指導・勧告を行った結果、解決をみている。


都道府県労働局長による紛争解決援助の事例

◆育児休業取得を理由とする職種変更の事例

《申中立内容》
 事務職で採用されたが、育児休業からの復帰にあたり営業職での復帰しかなく、営業職は転勤や残業もあるとの説明を受けた。営業職での復帰ができない場合にはどうなるかと聞いても、営業職しかないとの回答で、退職とは言われないが、退職勧奨ではないか。休業前の事務職で復帰したい。

《事業主からの事情聴取》
 申立者が育児休業に入るにあたって、代替要員を親会社に依頼し受け入れてきたが、親会社にも社員削減の動きがあり、育児休業終了後も当社に残ることになった。そのため、人手が不足している営業職であれば復帰させることができるので提案した。育児休業を取得している申立者以外には、営業職への転換を勧めることはしていない。

《労働局長による援助》
 育児休業を取得した申立者のみに営業職への転換を勧めることは、育児休業の取得を理由とする不利益取扱いにあたる可能性があるので、事務職として復帰させるよう助言した。 ⇒ 申立者は休業前の事務職として復帰できることとなった。

◆短時間勤務制度の利用を理由とする身分変更強要の事例

《申立内容》
 育児休業からの復帰にあたり、短時間勤務制度を利用したい旨を申し出たところ、短時間勤務制度(6時間勤務とする制度)が就業規則で定められているにもかかわらず、人事担当者から「短い労働時間の正社員はいない。労働時間が短い者は皆パートだ」と言われた。正社員として復帰して短時間勤務制度を利用したい。

《事業主からの事情聴取》
 短時間勤務をするということは、パートに身分変更をするということであるがら、その旨を申立者に説明した。

《労働局長による援助》
 短時間勤務制度を利用し所定労働時間を短くするのは、パートに身分変更することだとする事業主の対応は、短時間勤務の利用を理由とする不利益取扱いであり、育児・介護休業法に反すると判断されるので、申立者を正社員のまま短時間勤務制度を利用させるよう助言した。 ⇒ 事業主が法律の理解が不足していたこと、申立者への対応に誤りがあったことを認め、申立者は正社員のまま短時間勤務制度を利用できることとなった。

専門業務型裁量労働制に関する協定

      -労使協定の手引き

★専門業務型裁量労働制
 「専門業務型裁量労働制」とは、業務の性質上、その遂行の手段や方法、時間配分などを大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、使用者が具体的な指示をすることが困難な業務として厚生労働省令などに定められた業務の中から、対象となる業務などを労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度のことをいいます。
 専門業務型裁量労働制を適用できる業務は、新たなデザインの考案や情報処理システムの分析または設計など、19の業務が挙げられています。
 これらの業務は、内容が具体的、限定的に示されているので、例えば、デザインの業務を手がけていても、デザイナーとしての中心的な業務ではなく、単に図面の作成や製品の制作を行うような周辺業務のみの場合は、「みなし労働時間」の法的な効果は生じません。

■労使協定の締結と届出■
 専門業務型裁量労働制を導入するにあたっては、次の(1)~(7)の事項を定めた労使協定を締結するとともに、導入する事業場ごとに「専門業務型裁量労働制に関する協定届」を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。

(1)対象とする業務
 法令で示されている19の業務に限られます。

(2)対象業務を遂行する手段や方法、時間配分等に関し労働者に具体的な指示をしないこと
 裁量労働制の原則となる事項です。業務遂行の手段や方法、時間配分の決定などについて、会社(事業主)からその業務に従事する労働者に具体的な指示をしない旨を定めておきます。

(3)労働時間としてみなす時間
 対象業務の遂行に必要とされる一日の「みなし労働時間」を定めます。これを「9時間」とした場合は、実際は10時間であっても、9時間労働したものとみなされます。

(4)労働時間の状況に応じた健康・福祉確保措置
 裁量労働制は長時間労働にも結びつきやすいので、対象となる労働者の健康と福祉を確保するために、具体的な措置を定めておきます。
 例えば、「自己診断力ード」に自分の健康状態について記人させ、健康状態を常に把握しておくことなどが考えられます。

(5)苦情の処理のために実施するる措置
 裁量労働制は成績評価制度やそれに伴う賃金制度とあわせて実施される場合が多く、これらに関して問い合わせや苦情が多く寄せられることが考えられますので、その申し出の窓□や扱われる苦情の範囲、対応措置などを具体的に定めておきます。

(6)協定の有効期間
 制度が不適切に運用されることを避けるため、見直しまでの期間をできるだけ短くとれるように、協定の有効期間は3年以内とすることが望ましいとされています。

(7)記録の保存
 対象労働者の労働時間、健康・福祉措置、苦情処理措置の状況を記録した資料などは、協定の有効期間中と期間満了後3年間保存しなければならないことから、その旨を定めておきます。

 また、裁量労働制を適切に運営するため、法令で要件とされている前記事項のほかにも、出退勤管理の方法や、裁量労働制適用の中止などの事項を協定に定めておくことも重要とされています。

在老年金の停止の基準額が変更(厚生年金)

      -社会保険・ワンポイントゼミナール

◆【質 問】◆

 当社の66歳の嘱託社員から、最近届いた通知書に老齢厚生年金額の減額について記載があったと聞きました。
 給与額は1年以上前から同じで、その間に賞与も支給していないので、通常ならば年金額の改定はないはずなのですが、これは年金のしくみが何か変わったことによる改定なのでしようか?

◆【解 説】◆
年金支給停止額の計算式の改定
 年金を受ける権利のある人が働きながら年金を受ける場合は、年金額と給与や賞与の額に応じて、年金額の1部または全額が支給停止になることがあります。これを一般的に「在職老齢年金制度」といいます。
 この制度による支給停止額の計算方法は、受け取る人の年齢が65歳未満か65歳以上かで異なりますが、その計算に使用する「支給停止基準額」が、平成22年4月より「48万円」から「47万円」に改定されました。
 質問の場合、支給停止額は、老齢厚生年金の額を12で除した「基本月額」と、その人の標準報酬月額に過去一年間に支払われた標準賞与額を12で除した額を加えた額である「総報酬月額相当額」に応じて決まります。
 実際に4月以降の年金額にどう影響するか、65歳以上の人の場合で、簡単な例をあげてみましょう。

65歳以上の在職老齢年金
「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が「47万円」以下であれば支給停止は行われませんが、47万円を超える場合は超えた額の2分の1が支給停止となります。
 したがって、「47万円」を超える場合には今回の変更により年金額に影響が出ることかあります。
在職老齢年金の計参例


60歳以上65歳未満の在職老齢年金
 「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が「28万円」以下であれば支給停止は行われませんが、28万円を超える場合は「総報酬月額相当額」が「47万円」を超えるか超えないかで計算式が変わります。47万円を超える場合には今回の変更により年金額に影響が出ることがあります。
 ただし、総報酬月額相当額が47万円を超えるような人の場合は、年金は従来より全額支給停止となっていることが多いので、今回の変更で影響を受ける人は少ないでしょう。

◆ワンポイント・チェック◆

 今年4月からの「支給停止基準額」の改定により在職老齢年金の支給停止額に影響を受ける場合は、年金額は月換算で最大5,000円減少するとみられます。

前年度比4.3%増の25万件

      -平成21年度「個別労働紛争」の相談件数過去最多

厚生労働省の発表によると、労働者と企業とのトラブルを裁判に持ち込むことなく迅速に解決するための「個別労働紛争解決制度」に基づく民事上の個別労働紛争に関する平成21年度の相談件数は、年度途中にりーマンショックが発生した前年度と比べ伸び率が鈍化したものの、同4.3%増の24万7,302件と過去最多を更新したことが分かりました。

◆相談受付状況◆
 総合労働相談コーナーに平成21年度1年間に寄せられた相談件数は、前年度比6.1%増の114万1,006六件であった。
 このうち、労働関係法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる民事上の個別労働紛争に関するものが同4.3%増の24万7,302件で、毎年度確実に件数が増えている。

【個別労働紛争の主な相談内容】
 解雇に関するものが6万9,121件(24.5%)で最も多く、労働条件の引下げ3万8,131件(13.5%)、いじめ・嫌がらせ3万5,759件(12.7%)と続いている。

◆都道府県労働局長による助言・指導◆
 助言・指導の申し出を受け付けた件数は7,778件で、前年度比2.4%の増加となっている。

【助言・指導の実施状況】
 申し出を受け付けた事案について、手続きを終了したのは7,743件で、このうち、助言・指導を実施したのは7,537件(97.3%)、申し出が取り下げられたのは154件(2.0%)、処理を打ち切ったのは33件(0.4%)となっている。

《解雇に係る助言・指導の例》
 同僚との関係がうまくいっていないことを理由に解雇された。今まで同僚との関係で注意を受けたこともなく解雇理由に納得できないので、解雇を撤回してほしい。
 ⇒ 事業主に対し、労働契約法の「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効である」という規定を説明するとともに、それを踏まえて本人と話し合うよう助言した結果、解雇は撤回され、引き続き勤務できることとなった。

◆紛争調整委員会によるあっせん◆
 労働問題の専門家である弁護士等からなる紛争調整委員会があっせんの申請を受理した件数は7,821件(※)で、前年度比7.5%の減少となっている。
(※)内訳が複数の事案もあるため、実際の合計は8,132件になる。

【あっせんの実施状況】
 申請を受理した事案について、手続きを終了したのは8,096件で、このうち、合意が成立したのは2,837件(35.0%)、申請が取り下げられたのは517件(6.4%)、あっせんを打ち切ったのは4,705件(58.1%)となっている。

《雇止めに係るあっせんの例》
 有期契約労働者としてこれまで更新を20数回繰り返したが、成績が悪いことを理由に突然「契約更新できない」と通告された。理由に納得ができず、会社側の誠意も見られないため、精神的・経済的損失に対する補償金を支払ってほしい。
 ⇒ あっせん委員が双方の主張を整理し、判例を示して当事者間の調整を行った結果、解決金○○円を支払うことで双方の合意が成立した。

現金給与総額、1年10ヶ月ぶりに増加 他ニュース

現金給与総額、1年10ヶ月ぶりに増加
       -3月の毎月勤労統計調査

 厚生労働省が4月30日に発表した今年3月の毎月勤労統計調査(速報)によると、従業員5人以上の事業所において、残業代も含めた1人あたりの現金給与総額は27万5,637円となり、前年同月と比べて0.8%増加したことが分かりました。前年同月比で増加したのは一昨年の5月以来、1年10ヵ月ぶりのことです。
 ただ、基本給などの所定内給与(24万5,503円)は0.2%減と1年8ヵ月連続でマイナスとなっていて、11.7%増加した残業代などの所定外給与(1万8,204円)が現金給与総額を押し上げた要因となっています。とくに、昨年は大幅な生産活動の縮小を余儀なくされた製造業では給与総額(30万4,469円)で前年同月比4.1%増、所定外給与(2万8,249円)だけみると55.9%増加しており、生産活動については回復基調が高まっている傾向がみられます。
 また、一人あたりの総実労働時間は前年同月と比べて3.2%増の147.6時間で、3ヵ月連続の増加となっています。このうち、残業時間などを示す所定外労働時間は13.3%増の10.2時間。製造業では56.1%増の13.9時間となっています。
 このように、賃金・雇用環境は最悪期を脱したとみられていますが、所定内給与は依然として停滞していることから、企業が人件費を抑制する姿勢は続いており、回復のペースは緩いものに止まる公算が強いと言えるでしょう。


労働保険の年度更新

 平成22年度労働保険(労災保険・雇用保険)の年度更新手続の時期が来ました。
 新年度の概算保険料および前年度の保険料を確定するための申告・納付の手続を行う年に一度の大切な行事ですので、ご協力をお願い致します。


変形労働時間制の要件満たさず
       -会社に未払い残業代の支払を命ずる

 「1ヵ月単位の変形労働時間制」を理由に、労働時間が1日8時間を超えた日の残業代を支払わないのは不当だとして、飲食チェーン店の元アルバイトの男性が会社を相手取り、未払い残業代など約20万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は会社が導入した変形労働時間制は無効だとして、時効分を除いた約12万円の支払いを命じました。
 判決のなかで裁判長は、会社は1ヵ月の変形期間を設定したが、アルバイト従業員に対しては半月分の勤務表しか作っておらず、1ヵ月単位の変形労働時間制について定めた労働基準法の要件(※)を満たしていないと指摘しました。
(※)就業規則または労使協定に、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めておくことが必要とされています。


個人請負型就業者に関する指針を策定へ
       -厚生労働省研究会が報告書

 厚生労働省の「個人請負型就業者に関する研究会」は4月28日、労働者性があると考えられる個人請負型の就業者について、保護措置が必要だとすることなどを盛り込んだ報告書を発表しました。
 同報告書では、個人請負型就業者の数は現在約125万人と推計。実質的に雇用されていると認められる者や、雇用者とまでは言えないものの雇用と自営の中間と言えるような者も多く合まれると指摘したうえで、契約上の履行に関するトラブル防止や、労働者性があり労働法が適用されるべき就業者の保護が必要だと提言しています。
 具体的な政策として、雇用労働と判断されるような働き方の業務を、業務委託や請負で募集してはいけないなど、企業側が守るべき指針(ガイドライン)の作成を検討するべきだとしています。


企業健診でのうつ病のチェックを検討へ
       -「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」

 厚労省に今年1月に設置された「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」は、職場でのストレスなどを原因としたうつ病など精神疾患の広がりに対処するため、企業や事業所が実施する健康診断に精神疾患を早期に発見するための項目を盛り込む方針を固めました。
 同省によると、職場でのうつ病など精神疾患は増加の一途をたどっており、2008年度に労災認定を受けた人は、5年前(03年度)の約2.5倍にあたる269人で過去最多となっています。
 しかし、健康診断で企業が従業員の心の病を把握することに不安感を訴える声も強いため、同チームでは、本人には不利益に働かないような措置なども含めて、相談や支援ができる態勢作りについて議論を深め、必要な法整備も視野に入れて、2011年度からの実施を目指すとしています。


企業規模間で管理職の賃金格差が拡大
       -「能力・仕事別賃金実態調査」

 (財)日本生産性本部かこのほど公表した「2009年度能力・仕事別賃金実態調査」の結果によると、課長クラス以上の月例賃金における企業規模間格差が前年より拡大したことが分かりました。
 部長クラスの月例賃金は、1,000人以上の大企業で平均69.4万円に対して、100人未満の小企業で50.5万円とその差は18.9万円(前年は18万円)。課長クラスでは、大企業で平均52.8万円に対して、小企業で38.8万円とその差は14万円(同12.2万円)となっています。

短時間勤務制度の導入義務化

      -改正育児・介護休業法のポイント

従来の制度では、3歳に満たない子を養育する労働者が働きながら子の養育を行う時間を確保できるようにするため、事業主は、所定労働時間の短縮(短時間勤務制度)、所定外労働の免除、フレックスタイム制、始・終業時刻の繰上げ・繰下げ、事業所内保育施設の設置運営などから、少なくとも1つの制度を選択的に導入していれば良いとされていました。
 しかし、今回の改正により、短時間勤務制度は選択的措置ではなく、必ず導入しなければならない措置に「格上げ」されました。したがって、3歳に満たない子を養育する労働者であって現に育児休業をしていない労働者が希望すれば、原則として短時間勤務制度を利用できるようにしなければなりません。
 なお、この改正事項は平成22年6月30日に施行されますが、常時雇用する労働者が100人以下の企業については、平成24年7月1日に施行されることになっています。

対象から除外できる労働者
 短時間勤務制度については、次の労働者は対象から除かれます。

①日々雇用される労働者
②1日の所定労働時間が6時間以下の労働者
(1ヵ月または1年単位の変形労働時間制が適用される労働者については、変形対象期間の平均ではなく、すべての労働日の所定労働時間が6時間以下でなければなりません)
また、労使協定を締結することで、次の労働者は対象から除外できることになっています。
③当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
④1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
⑤業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者

 このうち、⑤については指針において、短時間勤務制度の対象とすることが困難な業務の例が示されていますが、あくまでも例示であってこれに拘束されるものではありません。除外するかどうかは労使の話し合いによりますが、協定で定める場合は、除外する業務が困難と認められる業務なのかどうかかが観的に分かるように、業務の範囲を具体的に定めることが必要です。また、⑤により除外とされた労働者に関しては、申し出に基づいて育児休業に準ずる措置またはフレックスタイム制、始・終業時刻の繰上げ・繰下げ、事業所内保育施設の設置運営など、労働者の働きながらの子育てを容易にする代替措置を講じなければならないとされています。

短時間勤務制度の内容
 短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければなりません。この場合の「原則として6時間」とは、例えば、7時間45分が通常の所定労働時間である場合に、2時間短縮して5時間45分とすることを想定し、「5時間45分から6時間まで」を許容するという趣旨です。
 また、「6時間とする措置を含むもの」とは、1日の所定労働時間を6時間とする措置を設けた上で、そのほかに、例えば1日7時間とする措置や、隔日勤務などで所定労働日数を短縮する措置などをあわせて設けることも可能であるという趣旨で、労働者の選択肢を増やす意味では望ましいものとされています。

制度を利用するための手続き
 短時間勤務制度を利用する場合の手続きに関しては、法令では定められていません。 したがって、事業主が定めることは可能ですが、利用しようとする労働者にとって過重な負担を求めることにならないような配慮か求められるでしょう。
 この場合、育児・介護休業法に定める他の制度に関する手続きも参考にして、例えば、育児休業などの申し出と同様に、1ヵ月前までに申し出なければならない、とすることは問題ないと考えられます。一方、利用期間を1ヵ月単位とすることは、他の制度が法令に基づいて基本的に労働者の申し出た期間で適用されることを踏まえれば、適当でないと考えられます。

女性の労働力人口過去最多

      -平成21年度働く女性の実情

このほど厚生労働省がまとめた「平成21年版働く女性の実情」(女性労働白書)によると、昨年の女性の労働力人口(15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの)は前年に比べて0.3%増の2,771万人と2年ぶりに増加し過去最多となっています。  しかし、その内訳として就業者数が微減(前年比0.7%減)した一方で完全失業者数の増加幅が過去最大(同25.5%増)となっており、働く意欲を新たに持った女性が厳しい雇用情勢に直面している現実が浮き彫りになったと言えそうです。

◆労働力人口および労働力率◆
 平成21年の女性の労働力人口は前年に比べ9万人多い2,771万人(前年比0.3%増)と2年ぶりに増加し過去最多となった。
 また、女性の労働力率15歳以上の人口に占める労働力人口の割合)も同0.1ポイント高い48.5%に上昇した。
 これを年齢別にみると、「25~29歳」(77.2%)と「45~49歳」(75.3%)を左右のピークとし、「35~39歳」(65.5%)を底とするM宇型カーブを描いているが、前年に比べ労働力率が最も高くなったのは「30~34歳」(67.2%、同2.1ポイント上昇)で、比較可能な昭和43年以降過去最大の上昇幅となった。(下図参照)
平成21年女性の年齢別労働力率

◆就業者数および完全失業者数◆
 女性就業者数は前年に比ベ18万人少ない2,638万人(前年比0.7%減)と2年連続で減少し、就業率15歳以上の人口に占める就業者の割合)も0.3ポイント低い46.2%と2年連続で低下した。
 また、女性完全失業者数は前年に比べ27万人多い133万人(同25.5%増)と2年連続で増加。完全失業率も2年連続で悪化し4.8%(同1.0ポイント上昇)となったが、完全失業者数の増加幅、完全失業率の上昇幅はともに過去最大であった。

◆雇用者の状況◆
 女性雇用者数は前年に比べ1万人少ない2,311万人(前年比0.04%減)と7年ぶりに減少したが、雇用者総数に占める女性の割合は2年連続で高くなり過去最高の42.3%(同0.4ポイント上昇)となった。
 また、女性雇用者数を年齢別にみると、「35~39歳」が275万人(女性雇用者総数に占める割合11.9%)と最も多く、次いで「40~44歳」266万人(同11.5%)、「25~29歳」259万人(同11.2%)の順となった。
 前年と比べると、「60~64歳」が最も増加し(同11万人増、7.6%増)、次いで「65歳以上」(同8万人増、7.9%増)、「40~44歳」(同6万人増、2.3%増)の順となった。

◆産業別および職業別雇用者数◆
 女性雇用者数を産業別にみると、「卸売業、小売業」が475万人(女性雇用者総数に占める割合20.6%)と最も多く、次いで「医療、福祉」459万人(同19.9%)、「製造業」297万人(同12.9%)、「宿泊業、飲食サービス業」193万人(同8.4%)の順となった。
 また、女性雇用者数を職業別にみると、「事務従事者」が754万人(同32.6%)と最も多く、次いで「専門的・技術的職業従事者」416万人(同18.0%)、「保安職業、サービス職業従事者」394万人(同17.0%)、「販売従事者」279万人(同12.1%)の順となった。

◆雇用形態別雇用者数◆
 役員を除く女性雇用者数を雇用形態別にみると、「正社員」が1,046万人(前年比6万人増、0.6%増)、「非正社員」が1,196万人(同6万入減、0.5%減)となった。
 また、「非正社員」のうち「パート・アルバイト」は903万人(同1万人減、0.1%減)、「派遣社員」は72万人(同13万人減、15.3%減)、「契約社員・嘱託」は148万人(同6万人増、4.2%増)などとなった。

◆賃 金◆
女性一般労働者の所定内給与額は22万8,000円と4年連続で増加(前年比0.8%増)する一方、男性が4年連続で減少したため、男女間の賃金格差は男性を100とすると女性は69.8(前年67.8)となり、3年連続で格差が縮小した。

◆短時間雇用者数◆
 女性の週間就業時間が35時間未満の短時間雇用者数(非農林業)は前年に比べ4万人多い961万人(前年比0.4%増)と3年連続で増加したが、短時間雇用者に占める女性の割合は同0.8ポイント低い67.2%と3年連続で低下した。
 また、女性短時間雇用者数を産業別にみると、「卸売業、小売業」が235万人(女性短時間雇用者総数に占める割合24.5%)と最も多く、次いで「医療、福祉」165万人(同17.2%)、「宿泊業、飲食サービス業」125万人(同13.0%)、「製造業」105万人(同10.9%)の順となった。(下表参照)
女性の産業別短時間雇用者数

事業場外労働に関する協定

      -労使協定の手引き

★事業場外のみなし労働時間制

 出張や外勤の営業のように、労働者が業務の全部または一部を事業場外で行う場合で、労働時間の算定が困難であるときは、その事業場外の労働については、原則として所定労働時間労働したものとみなすことができます。これを一般的に「事業場外のみなし労働時間制」といいます。(労働基準法第38条の2)

 この制度では、事業場外で業務を行うために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、その業務の遂行に通常必要とされる時間、または労使協定で定めた時間労働したものとみなされます。
 そして、労使協定で事業場外でのみなし労働時間を定めた場合であって、その時間が法定労働時間(1日8時間)を超える場合には、原則として「事業場外労働に関する協定届」を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。


★労使協定で定める事項
労使協定で定める基本的な事項は、
 ①対象となる業務
 ②一日のみなし労働時間
 ③有効期間
です。


 ①対象となる業務

 事業場外のみなし労働時間制の対象となるのは、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難な業務です。

※事業場外で行われる業務であっても次のような場合は具体的な指揮監督が及び労働時間の算定が可能なので、事業場外のみなし労働時間制を適用することはできません。

(1)何人かのグループで事業場外で業務に従事する際、そのメンバーの中に、労働時間の管理をする人がいる場合

(2)随時、携帯電話などで管理者の指示を受けながら業務に従事する場合

(3)管理者からその日の訪問先や帰社時刻などの具体的な指示を受けて、その指示どおり業務に従事して事業場に戻る場合


 ②一日のみなし労働時間

 その業務を遂行するために、通常必要とされる時間を定めます。
 労働時間の全部を事業場外で業務に従事する場合(いわゆる直行および直帰)は、協定で定めた時間が労働時間となります。

 例えば、一日のみなし労働時間を「9時間」とした場合は、実際は8時間であったり、10時間であったりしても、9時間労働したものとします。
 しかし、1日のうち労働時間の一部を事業場内で業務に従事する場合は、みなし労働時間制による労働時間の算定の対象となるのは事業場外で業務をした部分であって、労使協定についても、この部分について協定するものとされます。そして、みなし労働時間制によって算定される事業場外で業務に従事した時間と、別途把握した事業場内における労働時間とを加えた時間が、原則としてその日の労働時間となります。

 例えば、みなし労働時間を9時間と定めた場合で、事業場内労働(内勤)を2時間行った後に事業場外労働(外勤)を行ってそのまま直帰したときは、合計の11時間がその日の労働時間です。
 このように、協定でみなし労働時間を定めるときは、内勤の時間は協定で定めたみなし労働時間に加算されることになるので、常態として内勤をともなうときには、協定で定めるみなし労働時間の設定に注意が必要です。


 ③労使協定の有効期間

 協定でみなし労働時間を定める場合は、その協定の有効期間を定めなければなりません。

統合された育児休業給付金(雇用保険)

    -社会保険・ワンポイントゼミナール

◆【質 問】◆

 当社の女性従業員が今年3月から育児休業に入りました。
 今年4月から制度が変わって育児休業給付金の全部が育児休業中に支給されることになったそうですが、4月分から支給額が増額されることになるのですか?

◆【解 説】◆
{4月1日以降に休業を開始した人が対象に}
 雇用保険の育児休業給付は、従来の制度では、育児休業中に「育児休業基本給付金」が支給され、職場復帰後6ヵ月継続雇用された後に「育児休業者職場復帰給付金」が支給されています。
 しかし、雇用保険法の改正により、平成22年4月1日からこれら2つの給付金が統合されて、新しく「育児休業給付金」として、全額が育児休集中に支給されることになりました。
 統合された育児休業給付金が支給されるのは、平成22年4月1日以降に育児休業を開始した人です。
 したがって、平成22年3月31日以前に育児休業を開始した人は、4月から育児休業給行金に一本化されて従来の額より増えるわけではなく、4月以降も従来どおり、基本給付金と職場復帰給付金の2つが別々に支給されることになります。(下図を参照)
統合された育児休業給付金

{給付率は50%}
 従来の育児休業基本給付金の給付率は休業開始時賃金の「30%」、育児休業者職場復帰給付金は、本来10%の給付率が平成22年3月31日まで暫定的に「20%」に引き上げられていましたが、これが当分の間延長されることになっているため、統合された育児休業給付金の給付率は、両方をあわせた「50%」となります。

◆ワンポイント・チェック◆

 育児休業給付制度は、もちろん男性も対象とされています。
 育児・介護休業法の改正により、平成22年6月30日からは「パパ・ママ育休プラス」の仕組みも導入され、父母ともに育児休業を取得する場合には、一定の要件を満たせば、子が1歳2ヵ月に達する日の前日までの間に、最大1年まで育児休業給付金が支給されます。こちらは、子が1歳に達する日が平成22年6月30日以降である人が対象となります。

子育て支援など助成金一部変更

子育て支援などに取り組む中小企業事業主に対する助成金の取扱いが一部変わりました

中小企業子育て支援助成金
 育児休業取得者や短時間勤務制度の適用者が初めて出た場合に支給対象となりますが、このうち、短時間勤務制度を設け、その制度を利用させた中小企業事業主に対する助成が平成22年4月1日をもって廃止されました。(平成22年3月31日までに支給要件を満たしている場合は支給対象となります。)
 また、育児休業制度を設け、その制度を利用させた事業主に対する助成については、平成22年5月1日以降に育児休業を終了した場合は、その対象者を育児休業が終了し職場復帰後1年以上継続して雇用した場合に支給されます。(平成22年5月1日前に育児休業を終了した場合は、今までどおり6ヵ月以上継続して雇用した場合に支給されます。)
*「継続して雇用した場合」とは、適当な就業実績があることです。

①短時間勤務制度を利用した場合
   6ヵ月以上短時間勤務制度を利用すること → 廃止
②育児休業を取得した場合(平成22年5月1日以降に育児休業を終了した場合)
   職場復帰後の継続雇用  6ヵ月以上 →  1年以上

 なお、短時間勤務制度利用者については、財団法人21世紀職業財団が取り扱っている両立支援レベルアップ助成金のうち、「子育て期の短時間勤務支援コース」において、中小企業事業主に対する支給額を増額するなどの拡充が図られる予定です。

中小企業定年引上げ等奨励金
 平成22年4月1日以降に定年引上げや高齢者の継続雇用などの制度を導入する中小企業事業主または新たに設立する法人等に対しては、次のように扱いが変わりました。

(1)支給申請
  従来は対象となる制度を導入した日の翌日から1年を経過する日までの間に申請を行うことになっていましたが、制度導入後6ヵ月以上運用した後に行うことになります。

(2)支給額
  「70歳以上定年引上げ又は定年の廃止」、「希望者全員70歳以上継続雇用」の制度導入の場合、支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用されている64歳以上の雇用保険被保険者(法人等設立の場合は支給申請日の前日において雇用されている64歳以上の被保険者)がいない場合は、支給額が従前の半額となります。

中小企業基盤人材確保助成金
 新分野進出等(創業・異業種進出)に伴い、新たに経営基盤の強化に資する労働者を雇い入れた、または生産性を向上させるための基盤となる労働者を新たに雇い入れた中小企業事業主に対して支給されますが、平成22年4月1日から次のように変更となりました。

①一般労働者への助成
   1人あたり原則30万円 → 廃止
②生産性向上のための基盤人材の雇い入れにかかる助成額(1人あたり)
   原則140万円 → 170万円

改正雇用保険法が成立 他 ニュース

改正雇用保険法が成立
       4月1日から1部を除き施行

 非正規労働者の雇用保険の適用範囲を拡大することなどを柱とする「雇用保険法等の一部を改正する法律」が3月31日、参議院本会議で可決、成立しました。
 従来の制度では、短時間就労者や派遣労働者の雇用保険の加入基準は、業務取扱要領の中で、六ヵ月以上の雇用見込みがあり、かつ1週間の所定労働時間が20時間以上あること、とされていましたが、今回の改正により、法律に適用除外者を定めることで、雇用見込みの期間については「31日以上」と大幅に短縮されました。
 また、雇用保険に未加入となっていた人は、従来の制度では最大で2年まで遡っての適用が可能でしたが、雇用保険料を控除されていたことが給与明細などで明確に確認された場合には、2年を超えて遡って適用することができるようになります。
 これに伴い、2年を超える遡及適用の対象となった労働者を雇用していた事業主のうち、保険関係成立届を提出しておらず、保険料を納付していないことが明らかである場合は、保険料の徴収時効である2年を過ぎても納付できるようになります。
 このほか、平成22年度の雇用保険料率も変更されました。
 改正法は、遡及適用の拡大を除いて平成22年4月1日に施行されています。


改正労働者派遣法等を国会提出
       -「事前面接」の解禁は法案から削除

 登録型派遣や製造業務派遣を原則として禁止することなどを盛り込んだ「労働者派遣法等の一部を改正する法律案」が3月29日に国会に提出されました。
 同改正法案をめぐっては、当初の法案要綱には期間を定めないで雇用される派遣労働者に対する特定目的行為(いわゆる事前面接)を解禁することが盛り込まれ、労働政策審議会はこれを「おおむね妥当と認める」とする答申を行いましたが、連立与党間で協議された結果、事前面接の解禁を法案に盛り込まないことで合意されました。


非正規社員は結婚する割合が低い
       -男性は正規社員の約半分

 厚生労働省がこのほど発表した第7回21世紀成年者縦断調査の結果によると、第1回調査時点で独身だった非正規社員のうち、6年後の第7回調査時点で結婚していた人の割合は、男性が17.2%、女性が28.4%で、正規社員の男性32.2%、女性38.1%と比べて、いずれも低いことが分かりました。
 また、女性のうち結婚して子どもが生まれた人は、非正規では9.8%であったのに対して、正規では17.3%となっており、雇用や収入が不安定な非正規労働者は、結婚も出産もためらう傾向にあることが明らかになっています。


退職後の国民健康保険料を軽減
       -雇用保険の特定受給資格者など

 国民健康保険法施行令などの改正(平成22年3月31日発令)により、平成22年4月1日から、倒産・解雇などにより離職した人(雇用保険の特定受給資格者)および雇止めなどにより離職した人(雇用保険の特定理由離職者)であって、受給資格を有する人の国民健康保険料(税)が軽減される制度がスタートしました。
 軽減を受けられる期間は離職の翌日からその翌年度末までの間で、保険料(税)の基準となる前年の給与所得を100分の30とみなして算定されることになります。ただし、制度が始まる前の1年以内(平成21年3月31日以降)に離職した人は、平成22年度に限って軽減されます。


冬のボーナス、過去最大の減少
       -毎月勤労統計調査

 厚生労働省が3月31日に発表した毎月勤労統計調査によると、従業員5人以上の事業所が支給した平成21年の年末賞与は1人平均38万258円で、前年に比べて9.3%減少して過去最大の落ち込みとなりました。
 主要産業別にみると、製造業が43万7,406円(前年比14.8%減)、卸売・小売業が27万7,112円(同11.0%減)、サービス業が31万5,877円(同12.8%減)となっています。
産業別にみた平成21年年末賞与

所定外労働の制限

      -改正育児・介護休業法のポイント

現行制度では、3歳に満たない子を養育する労働者に対して所定外労働を制限する制度は、勤務時間の短縮やフレックスタイム制、始・終業時刻の繰上げ・繰下げなどの措置の一つとして、選択的に導入していれば良いとされています。
 しかし、今回の改正では、働きながら子の養育を行うための時間を確保できるようにするため、この制度を導入することが義務づけられます。したがって、3歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、原則として、事業主は、その労働者に対して所定労働時間を超えて労働させてはならないことになります。
 所定労働時間とは、労働契約上でその労働者に適用される労働時間をいいます。例えば、1日7時間勤務であれば、たとえ残業があり法定労働時間である1日8時間の範囲内であっても、請求があれば残業をさせることはできません。
 なお、この改正事項は平成22年6月30日に施行されますが、常時雇用する労働者が100人以下の企業については、平成24年7月1日に施行されることになっています。

制限の対象から除外できる労働者
 所定外労働の制限については、日々雇用される労働者は対象から除かれ、また、労使協定を締結することで、次の労働者は対象から除外できることになっています。

 ①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
 ②1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 なお、期間を定めて雇用される労働者については、育児休業や介護休業の場合には、限定的ながら、一定の場合は対象から除外することができましたが、所定外労働の制限に関しては対象から除外することはできません。

制限の請求の方法
 所定外労働の制限を請求する場合には、1ヵ月以上1年以内の制限期間について、開始の日および終了の日などの事項を、開始の日の1ヵ月前までに事業主に通知しなければなりません。
 この通知は、書面によるほか、事業主が適当と認める場合には、ファックスまた電子メールなどによることも可能ですが、電子メールなどによる場合は、情報を書面に出力することができるものに限られます。
 また、育児休業と異なり、子の養育の状況などに応じることができるように、請求の回数には制限が設けられていません。

制限期間の終了
所定外労働が制限される期間は、労働者の意思にかかわらず、次の場合には終了します。

①子の死亡や離縁などにより子を養育しないこととなった場合(子を養育しないこととなった場合は、労働者はその旨を事業主に通知しなければなりません)
②子が3歳に達した場合
③所定外労働の制限を受けている労働者について、産前産後休業、育児休業または介護休業が始まった場合

不利益扱いの禁止
 育児休業などと同様に、労働者が所定外労働の制限を請求したこと、または請求した労働者が所定労働時間を超えて労働しなかったことを理由として、その労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることか禁止されます。

その他の留意事項
 この改正事項に関する指針では、所定外労働の制限について、労働者がこれを容易に受けられるようにするため、あらかじめ制度が導入され、就業規則などに定められるものであることに留意するべきであるとしています。また、労働者の子の養育の状況、労働者の勤務の状況などが様々であることに対応し、制度の弾力的な利用が可能となるように配慮することとしています。

例えば、制限期間中に労働者が一時的に子の養育をする必要がなくなった場合には、話合いにより、その期間は所定外労働を可能にするなどの運用が考えられます。

教育訓練は「全労働者重視」が増加

      -平成21年度能力開発基本調査

このほど厚生労働省が発表した「平成21年度能力開発基本調査」によると、平成20年度の正社員に対する教育訓練の方針として、労働者を選抜して能力を高めるよりも、労働者全体の能力を高めることを重視する企業割合が前回調査よりも9.1ポイント増加したことが分かりました。

◆企業調査◆
 【教育訓練費】
 企業が教育訓練に支出した費用の労働者一人当たり平均額をみると、OFF-JTは13,000円(前回25,000円)、自己啓発支援は4,000円(同8,000円)と減少した。

 【従業員に対する能力開発の方針】
  《「全体重視」か「選抜重視」か》
 正社員に対する教育方針について、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合は49.5%(前回40.4%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は50.6%(同59.5%)であった。
 一方、非正社員に対しては、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合は46.7%(前回46.0%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は53.2%(同54.1%)であった。
 今後の方向付けをみると、正社員、非正社員ともに「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合が高くなり、正社員では54.8%、非正社員では50.4%となっている。(下図参照)
重視する教育訓練対象の範囲


  《「外部委託・アウトソーシング」か「社内」か》
 正社員に対する教育訓練の方法について、「外部委託・アウトソーシングで実施する」企業割合は43.0%(前回45.6%)、「社内で実施する」は56.9%(同54.4%)であった。
 一方、非正社員に対しては、「外部委託・アウトソーシングで実施する」企業割合は27.3%(前回28.0%)、「社内で実施する」は72.6%(同71.9%)であった。
 今後の方向付けをみると、正社員、非正社員ともに「外部委託・アウトソーシングで実施する」企業割合がやや高くなっている。

◆事業所調査◆
 【教育訓練の実施状況】
  《OFF-JT※の実施状況》
 正社員に対して、平成20年度にOFF-JTを実施した事業所割合は68.5%(前回77.0%)で、業種別では電気・ガス・熱供給・水道業(89.4%)、金融業、保険業(87.6%)、学術研究、専門・技術サービス業(82.9%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(54.6%)、宿泊業、飲食サービス業(57.3%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対してOFF-JTを実施した事業所割合は33.2%(前回39.6%)と正社員に比べると低い水準にとどまり、業種別では金融業、保険業(58.6%)、医療、福祉(57.9%)で高く、情報通信業(23.7%)、建設業(24.4%)、電気・ガス・熱供給・水道業(25.2%)で低くなっている。
※通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)

  《計画的なOJT※の実施状況》
 正社員に対して、平成20年度に計画的なOJTを実施した事業所割合は57.2%(前回59.6%)で、業種別では金融業、保険業(86.4%)、電気・ガス・熱供給・水道業(85.6%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(45.1%)、教育、学習支援業(46.8%)で低くなっている。
  一方、非正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所割合は28.3%(前回26.9%)と正社員に比べると低い水準にとどまり、業種別では医療、福祉(48.2%)、金融業、保険業(44.0%)、宿泊業、飲食サービス業(41.0%)で高く、建設業(12.4%)、情報通信業(13.0%)で低くなっている。(下図参照)
※日常の業務に就きながら行われる教育訓練のことで、計画書を作成するなどして段階的・継続的に実施するもの
計画的なOJTを実施した事業所


 【人材育成に関する問題点】
 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所割合は69.0%(前回72.1%)で、その内容(複数回答)としては、「指導する人材が不足している」(50.3%)と「人材育成を行う時間がない」(46.5%)の割合が高く、以下「人材を育成しても辞めてしまう」(33.9%)、「鍛えがいのある人材が集まらない」(26.5%)、「育成を行うための金銭的余裕がない」(26.3%)と続いている。

変形労働時間制等に関する協定(3)

      -労使協定の手引き

★フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、一ヵ月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間を定めておいて、始業および終業の時刻を労働者の自主的な決定に委ねる制度のことをいいます。
 フレックスタイム制を実施する場合には、就業規則その他これに準ずるものに制度について規定するとともに、労使協定を締結しておくことが必要です。ただし、労働基準監督署長への届出は必要ありません。

★労使協定で定める事項
 フレックスタイム制に関する労使協定で定める事項は次のとおりです。

  ①対象となる労働者の範囲

フレックスタイム制を適用する労働者の範囲については制約はありませんが、明確に定めておくことが必要で、職種ごと、グループごとなどで決定することができます。

  ②清算期間
清算期間は、労働契約の上で労働者が労働すべき時間を定める期間で、一ヵ月以内の範囲で期間の起算日とあわせて定めることが必要です。例えば、「毎月○○日を起算日とする1ヵ月」とします。

  ③清算期間における総労働時間
清算期間内において労働者が労働すべき時間として定められている時間のことをいいます。この時間は、清算期間を平均し一週間あたりの労働時間が法定労働時間の枠内(下表参照)となるように定めなければなりません。法定労働時間の総枠

 したがって、清算期間を1ヵ月と定めたときは、月によって清算期間の暦日数が変わるので、例えば、清算期間が30日間の場合は171時間、31日間の場合は177時間と定めれば、清算期間を平均して一週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えません。
 また、法定労働時間の枠内であれば《その期間の所定労働日×8時間》と定めることもできます。


  ④標準となる一日の労働時間
フレックスタイム制の対象となっている労働者がその清算期間内において年次有給休暇を取得した場合には、その日は何時間労働したものとして扱うかを明確にするため、「標準」としての一日の労働時間を定めておきます。実際には、清算期間内における総労働時間を、その期間における所定労働日数で除したものとします。
 例えば、ある清算期間の総労働時間が168時間で、労働日数が21日のときは8時間とします。

  ⑤コアタイム、フレキシブルタイムの開始および終了の時刻
一日の労働時間帯を、コアタイム(必ず勤務すべき時間帯)と、フレキシブルタイム(始業および終業を労働者に委ねる時間帯)とに分け、その開始および終了時刻を定めます。ただし、コアタイムは必ず設けなければならないものではなく、全部をフレキシブルタイムとすることもできます。

★労働時間の清算
 フレックスタイム制では、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて過不足が生じた場合には、原則としてその清算期間内で労働時間と賃金を清算することになります。

負担割合が高い「現役並み所得者」とは?(健康保険)

      -社会保険・ワンポイント ゼミナール

◆【質 問】◆

このたび当社の役員が70歳になったことに伴い、協会けんぽから「高齢受給者証」が交付されました。70歳になったら病院で支払う自己負担分の割合が1割になると思っていたところ、所得が多いため、「3割」のままだそうです。所得が多いか少ないかは具体的にはどのような基準で決められているのですか?

◆【解 説】◆
★一部負担金の割合は2つの区分★

70歳以上75歳未満の健康保険の被保険者が医療機関などにかかったときに、窓口で支払う一部負担金の割合は、一律ではなく、現在は収入に応じて「1割」か「3割」の2つの区分となっています。
 3割負担となる人を「現役並み所得者」、1割負担となる人を「一般」または「低所得者」といいます。このうち、一般などの負担割合は、本来は2割と決められていますが、平成23年3月までは国の措置により1割に凍結されています。

★「現役並み所得者」とは★

一部負担金の割合が3割となる「現役並み所得者」とは、原則として、標準報酬月額が28万円以上の被保険者で、その人の70歳以上75歳未満の被扶養者も現役並み所得者に含まれます。
 ただし、年収が基準額よりも少ない場合、申請すれば一般の所得区分として扱われ、一割負担となります。

★「一般」と扱われる基準は】★

 一般の所得区分として扱われるのは、70歳以上の被扶養者がいる世帯では合算した年収が520万円未満、70歳以上の被扶養者がいない世帯では単身での年収が383万円未満の被保険者です。
 ただし、経過措置として、単身での年収が383万円以上であっても、後期高齢者医療制度の被保険者の資格を取得したことにより被扶養者でなくなった人(旧被扶養者)がいる場合は、合算した年収が520万円未満であれば一般の所得区分になります。
 基準となる年収は、原則として前年(または前々年)の収入額のすべてが対象になりますが、退職金や公租公課の対象とならない収入(障害年金・遺族年金・恩給など)は除かれます。

◆ワンポイント・チェック◆

 「現役並み所得者」は、一部負担金の割合だけではなく、高額療養費の自己負担限度額なども一般などより高く設定されています。
 申請すれば一般の所得区分になるので、年収が基準を下回るかどうか確かめておくことが大切でしょう。

割増賃金の返上はできるか?

      -ここが知りたい労使問題

◆【質 問】

当社は広告看板等設置補修の請負会社ですが、長引く不況により受注は激減しております。日中は仕事がなくても受注に対応できるよう何名か必ず待機が必要で、終業時刻後も「明日までに完成してほしい」といった緊急の受注にも対応しなければなりません。
 そのような状況の中で、経営状態も大変厳しいことから、雇用を維持するべきか、ほかに対策はないかなど従業員と話し合いを続けたところ、全員の雇用を維持するのであれば、不況時の一定期間は緊急の時間外労働が発生した場合でも、時間外割増賃金は返上してもよいという提案がありました。
 このような従業員からの申し出があっても、時間外割増賃金は支払うべきでしょうか?

◆【回 答】

労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)は強行規定なので、たとえ従業員全員が会社の実情を理解し納得した上で割増賃金を返上するとの申し出をした場合であっても、これを支払わなければなりません。

 労働基準法第37条に定める時間外労働などの割増賃金を従業員側から返上したいとの申し出があった場合の取扱いについては、通達で次のように示されています。


問 
労働組合の申し合わせにより時間外割増賃金の返上を申し出た場合にかかる申し合わせは法第37条に違反するから、民法第90条(公序良俗に反する事項を目的とする法律行為)の規定により無効となり、使用者は割増賃金を支払う事を要すると考えるが如何。


答 
法第37条は強行規定であり、たとえ労使合意の上で割増賃金を支払わない申し合わせをしても、法第37条に抵触するから無効である。(昭24・1・10基収68)

 このように、厳しい経営状況を従業員が理解し合意の上での申し出ではあっても、「時間外労働」となった場合は、その「超過時間」に対して時間外割増賃金を支払わなければならないとされています。

 しかし、受注が激減している状況で、実際の仕事量も大幅に減っていると思われますので、本当に支払うべき「時間外労働」についてこの機会に徹底的に見直し、「時間内労働」に転換できないかどうか再検討する必要があるのではないでしょうか。

 従業員の勤務体制なども見直し、待機人員を必要最小限度とすることや、時差出勤、フレックスタイム制の活用、休憩時間の変更や交代制勤務など、時間外労働を生産性に見合う最低限度の時間まで絞り込むための努力、工夫が必要となります。

 そして、それでも緊急的に受注が発生し、やむを得ず時間外労働などか発生した場合には、法の定める割増賃金を支払うことも含めて、この機会に検討する余地はあるでしょう。

職場の受動喫煙防止措置を原則義務化に 他ニュース

職場の受動喫煙防止措置を原則義務化に
      -厚生労働省検討会が報告所骨子まとめる

 厚生労働省の検討会はこのほど、職場において受動喫煙を防止する措置を事業者に義務づけることを求める報告書の骨子をまとめました。
 従来の職場における喫煙対策については、平成15年5月に改訂されたガイドラインによって、事業者に、事業場全体を常に禁煙とする「全面禁煙」や喫煙室の設置を推奨すること、喫煙室・喫煙コーナーから非喫煙場所へたばこの煙やにおいの流入を防止するために必要な措置を講ずることなどを示しています。
 しかし、同報告書では、職場における喫煙対策で有効な措置を講じていない事業場の割合は全体の54%である一方、職場で受動喫煙をしているとする労働者が65%、喫煙対策の改善を職場に望む労働者が92%となっており、職場における受動喫煙対策が十分とはいえない状況にあると指摘しています。
 また、たばこの煙による発がん性リスクが指摘されるなど、受動喫煙防止は、今後は快適職場形成という観点ではなく、労働者の健康障害防止という観点から対策に取り組むことが必要だとしています。
 これらを踏まえ、同報告書では「労働者が受動喫煙をする機会を低減させることは事業者の義務とすべき」と結論づけ、具体的には以下のような措置を講ずることを求めています。

(1)一般の事務所や工場などの施設
全面禁煙または「空間分煙(一定の要件を満たす喫煙室(*)でのみ喫煙を認め、喫煙室以外の場所を禁煙とすること)」とする。*たばこの煙による浮遊粉じん濃度や境界での風速などの「分煙効果判定基準」に沿って判断 されます

(2)顧客が喫煙するため、(1)措置が困難な職場
顧客に対して禁煙等とすることを一律に事業者に求めることは困難であることから、事業場の状況に応じ、換気などによる有害物質濃度の低減、保護具(例えばマスク)の着用、禁煙タイムの導入などの措置により可能な限り受動喫煙を防止することが必要。

(3)その他の対策
○喫煙区域と禁煙区域の区分表示を行う。
○受動喫煙による健康への影響について、教育を行う。
○屋外に喫煙所を設置する場合は、屋内の労働者が受動喫煙しないような措置をとる。


2億4千万円支払いで会社と和解■  -過労で寝たきり状態のレストラン支配人

 長時間残業による過労で倒れ、低酸素脳症を発症して寝たきり状態になったとして、ファミリーレストランの支配人だった男性(35歳)と両親が店を経営する会社(鹿児島市)に損害賠償などを求めた訴訟をめぐり、このほど、会社側が約2億4,000万円を男性側に支払うことで和解が成立しました。
 訴訟では、鹿児島地裁が2月16日、会社側に安全配慮義務違反があったとして、約1億8,700万円の賠償と未払い残業代約730万円の支払いを命じる判決を言い渡していましたが、判決後に、謝罪して和解したいと会社側から申し出があったため、男性側が和解に応じたものです。


業務上疾病のリストに追加へ■   -過重負荷による脳・心臓疾患など

 厚生労働省は、過重負荷を原因とするくも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞などの脳・心臓疾患を、法令の上で業務上疾病とする「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」を労働政策審議会に諮問しました。
 労災保険の給付対象となる業務上の疾病については、労働基準法施行規則(第35条に基づく別表第1の2)に列挙されていますが、原則として業務と疾病との間に因果関係が確立していると認められるものに限定されています。
 今回の諮問は、列挙する業務上の疾病の範囲を見直すもので、脳・心臓疾患のほかに、石綿、塩化ビニル、電離放射線にさらされる業務による疾病の一部や、人の生命にかかわる事故への遭遇など心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神障害・行動障害などを追加するとしています。


さかのぼり納付期間を10年に延長へ■   -国民年金保険料

 国民年金の加入期間が足りず「無年金」となる人などを救済するため、政府は3月5日の閣議で、未納の国民年金保険料をさがのぼって納付できる期間を現在の2年から10年に延長することなどを盛り込んだ国民年金法等改正案を決定しました。
 厚生労働省は推計により、10年まで延長すると、最大で約40万人が無年金にならないで済むとしています。
 また、同改正案には、企業型確定拠出年金に加入できる年齢の上限を現行の60歳から65歳に引き上げる、加入者本人も掛け金を積み立てられるようにする、などの内容も盛り込まれました。


雇用保険料率が4月から改定される予定です

父母ともに育児休業を取得する場合の特例(パパ・ママ育休プラス)

     -改正育児・介護休業法のポイント

特例の対象は・・・・
 現行制度では、育児休業ができるのは原則として子が1歳に達するまでの期間で、1歳に達し時点で希望しているにもかかわらず保育所に入所できないなど一定の理由がある場合は、最長で1歳6ヵ月に達するまで延長することができます。
 今回の改正では、父親の育児休業の取得を促進するため、母親だけではなく父親も育児休業をした場合には、1歳2ヵ月まで育児休業することができるようになります。2ヵ月分が「原則1歳まで」にプラスされるので、この特例を「パパ・ママ育休プラス」といいます。
 パパ・ママ育休プラスの対象となるためには、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかの日において育児休業をしていることが要件となります。ただし、以下の育児休業については特例の対象となりません。

①本人の育児休業開始予定日が、子の1歳到達日の翌日後である場合
②本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日前である場合
 パパ・ママ育休プラスは、要件を満たせば子が1歳2ヵ月に達するまで育児休業することができるという制度ですが、1人分の育児休業が単純に1歳2ヵ月まで伸びるのではなく、父親・母親それぞれの育児休業期間(母親の場合は出生日以後の産前・産後休業期間を含む)は、これまでどおり最長で1年間となります。


特例の利用例
 パパ・ママ育休プラスをうまく利用すると、例えば、次のような育児休業の取り方ができるようになります。
(例1)母親が、子が1歳になるまで取得して、職場復帰の大変な時期に、父が1歳から1歳2ヵ月までの間、取得する
パパ・ママ育休プラス利用例(1)

(例2)父親が母親の産後休暇中(8週間以内)に育児休業し、母親が職場復帰する前に、父親が再度取得し、同時に育児休業をする。その後父親が1歳2ヵ月までの間休業する
パパ・ママ育休プラス利用例(2)


1歳6ヵ月までの延長との関係は・・・・
 パパ・ママ育休プラスを利用している場合でも、次の要件をいずれも満たせば、1歳6ヵ月まで育児休業を延長できます。

①本人または配偶者が子の1歳到達日後の育児休業終了予定日において育児休業をしていること
②子の1歳到達日後、保育所に入れないなどの要件を満たすこと(この要件に該当するか否かは、申出時点で判断することとなります)

 なお、この場合の1歳6ヵ月までの育児休業の開始予定日は、子の1歳到達日後である本人または配偶者の育児休業終了予定日の翌日としなければなりません。

所定内給与、4年連続ダウン

      -09年賃金構造基本統計調査

このほど厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、昨年のフルタイムで働く一般労働者の賃金(6月分の所定内給与額)は前年に比べて1.5%減の29万4,500円と4年連続で減少。減少率は現在の方式で調査を開始した1976年以降で最大となっています。
 なお、この調査は常用労働者10人以上の約4万6,000事業所を対象に行われました。

◆一般労働者の賃金◆
《賃金、前年比》
 2009年の賃金は、男女計で29万4,500円(平均41.1歳、勤続11.4年)、前年比1.5%減となっている。
 男女別では、男性が32万6,800円(平均42.0歳、勤続12.8年)、前年比2.1%減、女性が22万8,000円(同39.4歳、8.6年)、同0.8%増となっている。

《学歴別にみた賃金》
 男性は大学・大学院卒39万6,700円(前年比0.7%減)、高専・短大卒29万5,900円(同3.5%減)、高校卒28万7,200円(同3.3%減)で、すべての学歴で前年を下回っている。
 女性は大学・大学院卒27万9,500円(前年比2.2%増)、高専・短大卒24万1,200円(同1.0%減)、高校卒20万円(同0.3%減)で、大学・大学院卒を除く各学歴で前年を下回っている。

《産業別にみた賃金》
 男性は金融業、保険業(46万8,100円)、教育、学習支援業(44万8,900円)が高く、運輸業、郵便業(26万1,700円)が低くなっている。
 女性は教育、学習支授業(30万6,500円)、電気・ガス・熱供給・水道業(29万8,100円)が高く、宿泊業、飲食サービス業18万6,900円)が低くなっている。
産業、性別賃金(企業規模計)

《企業規模別にみた賃金》
 男性は大企業37万7,900円(前年比1.0%減)、中企業31万6,200円(同2.6%減)、小企業28万6,700円(同2.8%減)で、各企業規模とも前
年を下回っている。
 女性は大企業25万1,600円(前年比0.2%増)、中企業22万9,500円(同1.8%増)、小企業20万7,800円(微増)で、各企業規模とも前年を上回っている。

《雇用形態別にみた賃金》
 男女計で、正社員31万400円(前年比1.9%減)、非正社員19万4,600円(同0.1%減)となっている。
 男女別では、男性が正社員33万7,400円(前年比2.3%減)、非正社員22万2,000円(同0.9%減)、女性が正社員24万4,800円(同0.4%増)、非正社員17万2,100円(同O.9%増)となっている。
 なお、正社員の賃金を100とすると、非正社員は男性が66、女性が70にとどまっている。
※産業別に関しては下図を参照のこと
雇用形態別にみた主な産業別賃金


◆短時間労働者の賃金◆
1時間当たりの賃金は、男性が1,086円(前年比15円増)、女性が973円(同2円減)となっている。
 これを産業別にみると、男性は学術研究、専門・技術サービス業(1,611円)、建設業(1,579円)が高く、宿泊業、飲食サービス業(929円)が低くなっている。
 女性は教育、学習支援業(1,300円)、医療、福祉(1,192円)が高く、製造業(891円)が低くなっている。(下表参照)
短時間労働者の性、産業別1時間当りの賃金

変形労働時間制等に関する協定②

      -労使協定の手引き

★1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制とは、1ヵ月を超え1年以内の一定の期間(変形期間)を平均して、1週あたりの労働時間が40時間以下の範囲内であれば、特定の日や週について1日および1週間の法定労働時間を超えて労働させることができる制度のことをいいます。
 1年単位の変形労働時間制を実施する場合には、労使協定を締結し、これを労働者に周知させるとともに、所定の協定届を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。


★労使協定に定める事項
 労使協定に定める事項は次の項目です。

①対象労働者の範囲

1年単位の変形労働時間制により労働させる労働者の範囲を明確にします。対象期間の途中で採用される者や退職する者についても、賃金の精算を条件にこの制度の適用が認められています。
 なお、18歳未満の年少者については原則として1年単位の変形労働時間制で労働させることはできません。
 また、妊娠中または産後1年を経過していない女性労働者が請求した場合は、1週40時間、1日8時間を超えて労働させることができませんので、協定でこの制度の適用を除外するのが一般的です。

②対象期間およびその起算日
この制度の対象となる1ヵ月を超え1年以内の期間とその起算日を定めます。業務の繁閑の程度に応じて、3ヵ月、6ヵ月などの期間とすることもできます。

③特定期間(特に業務が繁忙な期間がある場合)《下図参照》
対象期間中に特に業務が繁忙な期開がある場合などは、必要に応じて「特定期間」を定めます。
 この制度で連続して労働させる日数は最長で6日が原則ですが、特定期間を設ければ、1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)とすることができます。

特定期間の例
④対象期間における労働日および労働日ごとの労働時間
 対象期間を平均して1週40時間を超えないように、対象期間内の労働日と労働日ごとの労働時間を定めておきます。労働日については、就業カレンダーを作っている場合は「別紙カレンダーに定めるとおり」とすることもできます。
 対象期間内のすべての労働日や労働時間を前もって決めることが難しいときは、対象期間を1ヵ月以上の期間に区切ることによって、最初の期間を除く各期間については労働日数と総労働時間数のみを定めればよいことになっています。
 ただし、この場合は、各期間の始まる少なくとも30日前までに労働日と労働時間を定める必要があります。

⑤労使協定の有効期間


★導入するときに留意する事項
 1年単位の変形労働時間制には、次のような制限もあります。

■労働日数の限度
 

対象期間が3ヵ月を超える場合には、対象期間における労働日数には1年で280日という限度があります。対象期開が1年未満の場合は[280×(対象期間の歴日数÷365)]で算出した日数となります。

■労働時間の限度
 対象期間においてあらかじめ決めておくことができる労働時間の限度は、原則として1日10時間、1週52時間となっています。
 これらの他にも、1週間の労働時間が48時間を超える週の数についても一定の制限があるなど、導入または更新に際しては、十分な注意が必要です。

保険料が免除される高年齢者(雇用保険)

      -社会保険・ワンポイントゼミナール

◆【質 問】◆

当社はこのたび、定年を60歳から65歳に引き上げることにしました。現在は定年後の継続雇用制度の対象者が1名いますが、65歳まで雇用することになります。
ところで、雇用保険では高年齢者の保険料が免除されるそうですが、具体的にはどのような人が対象となるのでしようか?

◆【解 説】◆
★64歳以上が免除対象★

雇用保険では、被保険者で保険年度の初日となる4月1日において満64歳以上の労働者を「高年齢労働者」と定め、保険料の徴収を免除しています。(労働保険料徴収法第11条の2関連)

ただし、任意加入による高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は免除対象とはなりません。
 ここで注意しなければならないのは、保険年度の中途で64歳になった時点で免除対象とはならないということです。この保険年度では免除対象となる高年齢労働者には該当せず、翌年度から対象となります。(下図参照)
雇用保険料免除年齢について

★実務上の扱い★

 実務上では、労働保険の年度更新の際に、確定保険料の算定については、その保険年度に高年齢労働者に支払われた賃金は、雇用保険の保険料算定基礎額から差し引かれることになります。
 また、概算保険料については、その保険年度に高年齢労働者に支払われる賃金の見込額は雇用保険の保険料算定基礎額に含まれません。しかし、ここでいう「見込額」はその保険年度にかかるすべての労働者の賃金総額の見込額が、前年度と比較して2分の1以上2倍以下である場合は、前年度の確定した賃金総額がそのまま概算保険料においても賃金総額の見込額となります。
 したがって、通常の場合は、その保険年度に新たに免除対象となる人がいても、前年度の賃金総額をもとに算定します。
雇用保険料の算定
 一方、本人に対しては、免除となる保険年度において支払われる賃金から雇用保険料を控除する必要はありません。

 平成21年度の確定保険料については、生年月日が昭和20年4月1日以前の人、平成22年度の概算保険料については、生年月日が昭和21年4月1日以前の人が免除対象の高年齢労働者となります。
 このようにして、高年齢労働者にかかる保険料の労使双方の負担が免除されることになります。


◆ワンポイント・チェック◆

雇用保険料で誤った取扱いをしないためにも、高年齢者を雇用している場合には、毎年4月の年度初めに新たに免除対象となる人がいるかどうかチェックをしておくことが大切となるでしょう。/blockquote>

非正社員数、初のマイナス

■非正社員数、初のマイナス   -09年労働力調査詳細集計(速報)

このほど総務省が発表した「労働力調査詳細集計」(速報)によると、パート・アルバイトや派遣社員など「非正社員」は09年平均で前年より39万人減少し、02年の調査開始以来初めてマイナスとなっています。
派遣社員が同32万人も減ったことが大きく影響しているとみられ、非正社員の中でも派遣が景気低迷による雇用調整の対象になっている実態を浮き彫りにした結果と言えそうです。

◆雇用者の状況

 09年平均の役員を除く雇用者は5,102万人で、前年に比べ57万人減少。このうち、正社員は19万人減の3,380万人、非正社員は39万人減の1,721万人となった。
 男女別にみると、男性は正社員が前年に比べ24万人減の2,334万人で、非正社員が32万人減の527万人。女性は正社員が6万人増の1,046万人で、非正社員が6万人減の1,196万人となった。
 また、役員を除く雇用者に占める非正社員の割合は前年に比べ0.4ポイント低下の33.7%で、これを男女別にみると、男性は0.8ポイント低下の18.4%、女性は0.3ポイント低下の53.3%となった。
正社員・非正社員数の対前年増減の推移
 非正社員の内訳をみると、パート・アルバイトが1,153万人(役員を除く雇用者に占める割合は22.6%)で最も多く、次いで契約社員・嘱託が321万人(同6.3%)、派遣社員が108万人(同2.1%)などで、前年に比べ派遣社員が32万人減、パート・アルバイトおよび契約社員・嘱託が共に1万人増となった。
 なお、勤め先や事業の都合で週35時間未満の短時間労働に従事する人は286万人で、前年に比べ80万人増加した。


◆完全失業者の状況

 09年平均の完全失業者は336万人(男性203万人、女性133万人)で、前年に比べ71万人増加した。
 失業期間別にみると、「3ヵ月未満」が21万人増の117万人、「3ヵ月以上」が48万人増の214万人となった。
 また、「3ヵ月以上」の内訳をみると、「1年以上」が8万人増の95万人で最も多く、次いで「6ヵ月~1年未満」が23万人増の60万人、「3~6ヵ月未満」が17万人増の59万人となった。
 なお、失業期間が「3ヵ月以上」の完全失業者を年齢別にみると、25~34歳が前年に比ベ15万人増の57万人で最も多く、次いで55歳以上が9万人増の50万人、35~44歳が12万人増の45万人などとなっている。

解雇予告除外認定について

      -ここが知りたい労使問題

◆【質 問】

当社就業規則の懲戒解雇事由は20項目以上詳細に定めていますが、解雇については、「従業員の責めに帰すべき事由によって解雇する場合で、労働基準監督署長の認定を受けた者を除き、30日前に本人に予告し、または労働基準法に規定する平均賃金の30日分に相当する予告手当を支給して行う」となっています。
 この「労働基準監督署長の認定」を受ける場合の基準とはどのような内容でしょうか?

◆【回 答】

就業規則の解雇事由として定めている場合であっても、労働者の責めに帰すべき事由については、総合的に判断して認定するべきとされています。

◆【解 説】

 労働基準法第20条では解雇予告の義務について規定されていますが、その但し書きでは、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。」とされ、解雇予告は不要であると定めています。また、これらの場合には、事前に所轄労働基準監督署長の認定を受けなければならないとされています。
 これについて通達では、労働基準監督署長は以下の基準により認定すべきこととされています。(昭23・11・11基発1637 昭31・3・1基発111一部要約)

 「労働者の責めに帰すべき事由とは、労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由であるが、判定にあたっては、労働者の地位、職責、勤続年限、勤務状況等を考慮の上、総合的に判断すべきであり、労働者の責めに帰すべき事由が法第20条の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質なものであり、従ってまた使用者をしてかかる労働者に30日前に解雇の予告をなさしめることが当該事由と比較して均衡を失するようなものに限って認定すべきものである。」

 更に「労働者の責めに帰すべき事由」の具体的な事例として
①原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する場合
②賭博、風紀紊乱(ぶんらん)等により職場規律を乱し、悪影響を及ぼした場合
③経歴を詐称して採用された場合
④他の事業場へ転職した場合
⑤原則として2週間以上無断欠勤した場合
⑥出勤不良で数回にわたって注意を受けても改めない場合
をあげていますが、その認定にあたっては、「必ずしも個々の例示に拘泥することなく、総合的がつ実質的に判断すること。なお、就業規則に規定されている懲戒事由についてもこれに拘束されないこと。」とされています。

 このように、就業規則の懲戒解雇事由に該当するからといって直ちに認定されるというものではないので、会社側としても除外認定申請をする際には、こうした基準を参考にするなど、慎重な対応が必要となるでしょう。また、認定審査では事実確認が重要となりますので、客観的に解雇事由を証明できる書類などはできるだけ多く準備しておくべきでしょう。

休業に伴う報酬月額の改定(厚生年金・健康保険)

      -社会保険・ワンポイントゼミナール

◆【質 問】◆

 当社は数カ月前から生産調整のために一部の社員に対して休業を実施しています。
 休業日については固定給の6割の休業手当を支給しているので、毎月の給与支給額は本来の標準報酬月額よりも低くなっています。
 このような場合でも、届出をすれば標準報酬月額を下げることができるのでしようか?

◆【解 説】
★休業に伴う随時改定★
 健康保険や厚生年金保険の保険料や給付のもとになる標準報酬月額は、基本的には毎年一回の「定時決定」により決められますが、その途中で実際の報酬の額に大幅な変動があった場合は、実態とかけ離れた状態になるため、定時決定を待たずに報酬月額の変更を行います。これが「随時改定」で、その届出を一般的に「月額変更届」といいます。

 月額変更届による改定は、原則として、次の3つの要件をすべて満たしている場合に行われます。
①昇給や降給などにより固定的賃金に変動があった
②変動月以降引き続く3ヵ月間とも賃金の支払い基礎日数が17日以上ある
③変動月から3ヵ月間の報酬の平均額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある
 この「固定的賃金」とは、あらかじめ支給額や支給率が決まっているものをいい、残業手当や稼働口数に応じて支給される精勤手当などは含まれません。しかし、一時帰休(休業)に伴って、本来の報酬よりも低額な休業手当などが支払われた場合は、固定的賃金の変動とみなされ、随時改定の対象として扱われます。
 ただし、基本給などの固定的賃金が減額され、かつ、その状態が継続して3ヵ月を超える場合に限られています。

1時帰休(休業)に伴う随時改定(イメージ図)

★改定後に休業が解消したときは・・・★

 休業手当などをもって標準報酬月額の改定が行われた後に、一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象となります。
 一時帰休の状況が解消した場合とは、固定的賃金が減額されない状態をいいます。したがって、今後一時帰休を行わないことが明確でなくても、現実に固定的賃金が減額されない状況が継続して3ヶ月を超え、標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合は、「月額変更届」を提出することが必要です。

◆ワンポイント・チェック◆
 
月額変更届の提出が遅れ、受付日が「改定年月」に記入された年月の初日(1日)より60日以上経過している場合は、賃金台帳(写)および出勤簿(写)を添付する必要があります。
 また、標準報酬月額が5等級以上引き下がる場合は、賃金台帳(写)等の添付が必要となっています。(健康保険組合や厚生年金基金に届け出る場合は、各組合等の取扱いによります)

変形労働時間制等に関する協定①

      -労使協定の手引き

 労働基準法(第32条)では、使用者は労働者に休憩時間を除き1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないとしています。同法(第36条)に基づく時間外・休日労働協定を使用者と労働者の間で締結すれば、割増賃金を支払ったうえで時間外労働をさせることも可能ですが、たとえば、月の後半はかなり業務量が多い一方で、月の前半には業務量が少ないというような職場の場合、使用者にとっては割増賃金の負担が増え、効率が悪くなります。
 そこで、一定の条件の下、特定の期間を平均して法定労働時間を超えなければ、期間内の特定の日または週において法定労働時間を超えて労働させることができるという「変形労働時間制」のしくみも設けられています。

 変形労働時間制には、次の3種類があります。
①1箇月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)
②1年単位の変形労働時間制(同法第32条の4)
③1週間単位の非定型的変形労働時間制(同法第32条の5)
 これら以外にフレックスタイム制(同法第32条の3)もあり、業務の繁閑や特殊性に応じて柔軟な労働時間の配分ができます。


◆◆1箇月単位の変形労働時間制の導入手続き◆◆

 1箇月単位の変形労働時間制とは、1箇月以内の一定の期間(変形期間)を平均して、1週あたりの労働時間が40時間以下(特例措置対象事業場は44時間以下)の範囲内であれば、特定の日や週について1日および1週間の法定労働時間を超えて労働させることができる制度のことをいいます。
 1箇月単位の変形労働時間制を導入するためには、就業規則その他これに準ずるものに定めるか、または労使協定を締結することが必要です。

(1) 就業規則等に定める場合
 常時10人以上の労働者を使用している事業場については、就業規則の作成義務がありますので、この制度を導入するには就業規則にその旨を記載することが条件となります。
 この場合、
①変形期間中の労働日と各日の労働時間、②変形期間の起算日も明示し、これを労働者に周知させ、就業規則(変更)届を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。この手続きを行えば、労使協定の締結、届出は不要となります。

 常時10人未満の労働者を使用している事業場については、就業規則の作成義務はないので、それを作成していない場合は就業規則に準ずるものに定めることにより、1箇月単位の変形労働時間制が導入できます。この場合、たとえ「準ずるもの」であっても就業規則と同じように労働者に周知させることが必要です。

(2) 労使協定を締結する場合
 労使協定を締結する場合には、①変形期間とその起算日、②変形期間中の各日および各週の労働時間、③協定の有効期間(期限)などについて記載し、これを労働者に周知させるとともに、これらの事項を網羅した所定の協定届を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。
1箇月単位の変形労働時間制の導入手続き

昨年の労働時間、過去最大の減少

   -09年毎月勤労統計調査結果速報

 このほど厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」(速報、従業員5人以上の事業所が対象)によると、2009年の1人1ヵ月平均の総実労働時間は前年比2.9%減の144.4時間で、過去最大の減少率となっています。
 これは、景気悪化の影響で残業などの所定外労働時間が15.2%も減ったことが主因とみられています。

労働時間
 1人平均の月間総実労働時間は、従業員5人以上の事業所(以下すべての項目で同規模)で前年比2.9%減の144.4時間となった。
 このうち、所定内労働時間は1.9%減の135.2時間、所定外労働時間は15.2%減の9.2時間となった。
 なお、月間の時間数を12倍して年換算すると、総実労働時間は1,733時間で、その内訳は、所定内労働時聞が1,622時間、所定外労働時間が111時間だった。
 また、総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は前年比2.6%減の164.7時間、パートタイム労働者は2.3%減の90.2
時間となった。(下表参照)
月間実労働時間および出勤日数

賃金
 1人平均の月間現金給与総額は、前年比3.9%減の315,164円となった。
 このうち、きまって支給する給与は2.1%減の262,430円(所定内給与が1.2%減の245,758円、所定外給与が13.5%減の16,672円)で、ボーナスなどの特別に支払われた給与は12.1%減の52,734円となった。
 また、現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は3.4%減の397,788円、パートタイム労働者は1.5%減の94,812円となった。(下表参照)
月間現金給与額

★雇用★
 常用労働者は、前年比0.1%増の4,399万人と6年連続で増加した。
 このうち、一般労働者は0.9%減の3,198万6千人、パートタイム労働者は2.6%増の1,200万4千人となった。
 また、主な産業についてみると、製造業2.3%減、卸売・小売業0.4%増、サービス業3.9%減となった。

育児休業の取得促進

      -改正育児・介護休業法のポイント

出産後8週間以内の育児休業に関する特例
 現行制度では、育児休業を一度取得すると、原則として再度育児休業を取得することはできず、配偶者が死亡した場合など厚生労働省令で定める特別な事情がある場合に限って、再度の取得が認められています。 しかし、今回の改正により、出産後8週間以内に育児休業を取得し終わった場合には、特別な事情がなくても、再度の取得ができるようになります。
 この特例は、母親が産後休暇を取得している間に、父親が短期の育児休業を取得することで、その後母親と父親が育児休業をリレーしやすくするために設けられました(下図参照)。その意味で、父親の育児休業取得を促進する効果が期待されています。

 特例の対象となる最初の育児休業は出産後8週間以内ですが、 ①出産予定日前に子が生まれた場合は、出生日~出産予定日から8週間経過した日の翌日、 ②出産予定日後に子が生まれた場合は、出産予定日~出生日から8週間経過した日の翌日、 の間に取得したものです。

 たとえば、4月1日が出産予定日である場合
 ①3月25日に子が出生した場合→3月25日から5月27日までの間
 ②4月3日に子が出生した場合→4月1日から5月29日までの間
で育児休業を取得した場合に、再取得の特例を受けることができます。


出産後8週間以内の育児休業に関する特例


育児休業の再度取得要件の拡大
 今回の改正により、育児休業の再度の取得が認められる「特別な事情」として、次の2っが追加されました。
 ①育児休業の申出に係る子が負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態となったとき
 ②育児休業の申出に係る子について、保育所における保育の実施を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき
 また、現行制度においては、育児休業の申出は、原則として開始予定日の1ヵ月前までに行うこととされていますが、一定の場合には1週間前までとする特例があり、追加された前記①および②の場合も、この特例の対象となります。


労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
 現行制度では、配偶者が専業主婦(夫)であったり、育児休業中である場合など、常態として育児休業に係る子を養育することができる配偶者がいる労働者については、事業所で労使協定を締結すれば、育児休業の申出を拒むことができます。 しかし、今回の改正では、父親の積極的な育児参加を促すねらいから、育児休業を取得するときに「壁」となっていたこの除外規定が廃止され、労使協定の有無にかかわらず、常態として育児休業に係る子を養育することができる配偶者がいても育児休業を取得することができるようになります。

協会けんぽ、保険料率引上げ

協会けんぽ、保険料率引上げ
   -3月分(4月納付分)から

 全国健康保険協会は、都道府県ごとに設定されている健康保険の保険料率を、全国平均で8.20%(労使折半)から9.34%に引き上げることを決定しました。新しい保険料率(下表参照)は今年3月分(4月納付分)から適用されます。
 また、全国一律で設定されている介護保険料率についても、今年3月分から1.50%(労使折半、現行は1.19%)に引き上げられます。
 なお、新しい保険料率は国の認可を得て正式に決まることになっています。
 一方、厚生労働省はこのほど、法律で定められる協会けんぽの平成22年度からの保険料率の「上限」を、現行の10%から12%に引き上げることを決めました。今後も財政が悪化する場合に備えて、上限の引上げが必要となったことを受けたものです。
 同省は今の通常国会に健康保険法改正案を提出し、早期の成立を目指しています。
都道府県別の健康保険料率(介護保険料率を含まない)

22年度の年金額は据え置き   -厚生労働省発表
 厚生労働省は、平成22年度の年金額は21年度と同額になると発表しました。
 年金額の改定ルールは法律で定められていて、現在は物価下落時に年金額を据え置いた経緯から、特例的に、本来よりも高い水準で支払われています。
 平成21年の物価水準は対前年比では下落したものの、これを下回らなければ引き下げない基準としている平成17年の水準と比較すれば依然として0.3%上回っている状況にあるため、現在の水準を維持することになりました。
 これにより、年金額は4年連続で据え置きとなります。

●国民年金(老齢基礎年金:1人分)(月額)66,008円

●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
                 (月額)232,592円(※)
 ※夫が平均的収入(平均標準報酬36.0万円)で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯の新規裁定の給付水準


時短で「生活満足度が向上」2割超   -内閣府「ワーク・ライフバランス」意識調査
 内開府が2月5日に発表したワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に関する調査結果によると、自ら仕事の効率化を進めるなど主体的な要因により労働時開が減った人について、2年前より生活満足度が上がった」と答えた割合が22.2%であることが分かりました。
 一方で、会社業績の悪化や業務量の減少など経済情勢の影響で労働時間が減った人のうち、「生活満足度が上がった」とした人は4.8%に過ぎませんでした。
 趣味の時間や家族との時間を増やすために、積極的に仕事の時間を減らしたことが生活全般の満足度を向上させる大きな要因となっているようです。


昨年平均失業率、上昇幅過去最大   -6年ぶりに5%台
 総務省が1月29日に発表した平成21年平均の完全失業率は5.1%と前年を1.1ポイント上回り、上昇幅は過去最大となっています。
 年平均が5%台となるのは平成15年(5.3%)以来6年ぶりで、雇用情勢の急激な悪化を反映した結果となりました。
 また、年平均の完全失業者数は336万人と前年より71万人増え、こちらも増加幅は過去最大となっています。
 一方、厚生労働省が同日発表した平成21年平均の有効求人倍率は0.47倍と前年を0.41ポイント下回り、統計を取り始めた昭和38年以来の過去最低を記録しています。
完全失業率と完全失業者数の推移(年平均)

「登録型派遣」を原則禁止へ 他ニュース

「登録型派遣」を原則禁止へ
    -労働政策審議会が報告書
 労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の労働力需給制度部会は12月28日、労働者派遣制度の改正について報告書をまとめました。
 報告書では、派遣がある時だけ派遣元と派遣労働者が雇用契約を結ぶいわゆる「登録型」の派遣に関しては、近年雇用情勢が急激に悪化していることから雇用が不安定であり問題が多いという指摘を受け、専門26業務などを除き禁止することを提示しました。
 また、製造業務派遣については、派遣が終わっても派遣元との雇用契約が続く「常用型」以外は禁止することなども盛り込まれています。
 ただし、登録型派遣と製造業務派遣が原則禁止となる施行期日については、企業活動への影響に配慮して改正法の公布日から3年以内とすること、また、登録型派遣の原則禁止については、暫定措置として、その施行日からさらに2年間は比較的問題が少なく労働者のニーズもある業務ヘの派遣に限り、禁止の適用を猶予することが適当であるとしています。
 報告書を受けて、厚生労働省は通常国会に改正法案を提出する構えです。

 【報告書の概要

1.以下を除き、登録型派遣を禁止する。

 ①専門26業務 
 ②産前産後休業・育児休業・介護休業取得者の代替要員派遣 
 ③高齢者派遣 ④紹介予定派遣

2.常用型派遣を除き、製造業務への派遣を禁止する。

3.日々または2ヵ月以内の雇用期間を定める労働者派遣について、政令で定める業務を除き禁止する。

4.派遣元はマージン手数料)率などを情報公開するとともに、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示する。

5.違法な派遣を行った場合、発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して、派遣元における労働条件と同じ内容の労働契約を申し込んだものとみなす規定を設ける。

6.施行期日は、改正法の公布日から6ヵ月以内の政令で定める日とする。


  ただし、1(登録型派遣の原則禁止)及び2(製造業務派遣の原則禁止)については、公布日から3年以内の政令で定める日とする。
  暫定措置として、1に関しては、その施行日からさらに2年間、政令で定める業務への派遣に限り適用を猶予する。


協会けんぽ、平均9.3%に引上げ見通し
   -平成22年度の保険料率
 全国健康保険協会によると、「協会けんぽ」の健康保険に係る保険料率が、全国平均で現在の8.2%(労使折半)から平成22年度は9.3%程度に引き上げられる見通しとなりました。
 協会けんぽについては、保険料収入が落ち込む一方で医療費の支出が増え、財政が非常に厳しい状況となっていることから、保険料率の大幅な引き上げが見込まれていましたが、国庫補助率の引き上げなどにより、当初見込まれていた引き上げ幅は保険料率換算でO.6%程度圧縮されました。
 協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに設定され、新しい保険料率は国の認可を得て正式に決まることになっています。


加入要件を「31日以上雇用」に拡大へ
    -雇用保険見直しで報告書
 労働政策審議会の分科会は12月28日、短時間就労者や派遣労働者の雇用保険の加入に必要な雇用見込み期間を、現在の「6ヵ月以上]から「31日以上」とすることなどを盛り込んだ報告書をまとめました。
 このほか報告書では、事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったために未加入となっていた人について、雇用保険料を控除されていたことが給与明細などで明確に確認された場合には、現行制度の2年を超えて遡及適用すること、また、安定的な財源を確保するため、平成22年度の失業等給付に係る保険料率については、一般の事業の場合1000分の12(労使折半)とすること(平成21年率度の保険料率は1年限りの特例措置として1000分の8に設定)、雇用2事業業に係る保険料率については特例的に弾力条項を発動しないこととし、1000分の3.5(事業主負担)とすることが適当であるとしています。
 報告書を受けて厚生労働省は、雇用保険法改正案を通常国会に提出する予定です。


児童手当は形式上存続
   -子ども手当の創設に伴い決定
 政府は、平成22年6月から支給が開始される「子ども手当」に地方負担を入れるため、子ども手当法の施行に伴い廃止する予定だった現行の「児童手当」を形式的に存続させることを決定しました。
 これにより、中学校卒業までの子どもを対象に支給される子ども手当(当初一人当たり1万3,000円)のうち、小学校卒業までの子どもに支給されるのは一部が規定額の児童手当、残りが子ども手当ということになります。また、児童手当分については、児童手当法の規定に基づき、引き続き国、地方、事業主が費用を負担します。


「有給取得促進」など9項目で目標設定へ 
  -政府が新成長戦略を閣議決定
 政府はこのほど、2020年までの平均でGDP名目3%、実質2%を上回る成長を促す「新成長戦略~輝きのある日本へ~」を閣議決定しました。
 戦略分野として、「環境・エネルギー」など6項目を挙げていますが、そのうち、「雇用・人材」の分野では、雇用創出や少子化対策が重要だとして、「若者フリーター約半減」、「高齢者の就労促進」、「有給休暇取得促進」、「労働時間短縮」など9項目で、2020年までに達成するべき具体的な目標を定めるとしています。
 また、新成長戦略を通じた雇用創出などにより、現在5%を超えている完全失業率を中期的に3%台へ低下させることを目指すとしています。

子の看護休暇の拡充と介護休暇の創設

      -改正育児・介護休業法のポイント

 子育てや介護をしながら企業で働き続ける人を支援する制度を定めた「育児・介護休業法」が改正され、その主要な部分が今年6月30日から施行されます。
 改正育児・介護休業法はすでに昨年9月30日に事業主による苦情の自主的解決と紛争解決の援助制度の創設、法違反に対する企業名の公表制度や過料の創設について施行されています。また、今年4月1日には育児・介護休業法に関して労働者と事業主の間の紛争調停制度もスタートします。
続いて6月30日に施行される主要部分は次のとおりです。

(1)3歳までの子を養育する労働者に対する短時間勤務制度の措置の義務化、および所定外労働の免除の制度化

(2)子の看護休暇の拡充

(3)父親の育児休業の取得促進

(4)介護休暇の創設
 

                                 \

 なお、まだ正式に決まっていませんが、このうち、(1)、(4)は、常時100人以下の労働者を雇用する企業については、2年程度遅れて施行されることになっています。
 今号から数回にわたり、改正育児・介護休業法のポイントを取り上げます。


子の看護休暇の拡充

 現行制度では、養育する小学校就学前の子が病気やけがをしたときに、その子を看護するための休暇を一の年度に最大で5日取得することができますが、今回の改正により、子が2人以上の場合は10日まで取得可能になります。これは、子1人につき5日ずつが限度というものではなく、子が2人以上いる場合は1人の子だけの看護でも10日まで取ることができるというものです。  また、子の看護の対象範囲について、「疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める子の世話」が追加され、省令によると、①子に予防接種を受けさせること、②健康診断を受けさせること、が挙げられています。事業主は、休暇を申し出た労働者に対して、その事実を証明する書類の提出を求めることができます。

介護休暇の創設

 今回の改正では、要介護状態にある家族の介護等を行う労働者が事業主に申し出た場合は、一の年度に最大で5日(要介護状態にある対象家族が2人以上の場合は10日)まで、世話を行うための休暇(介護休暇)を取得することができる制度が新たに設けられました。  これは、従来の「介護休業」とは別に取ることができるもので、介護休業より取得事由の範囲が広く、まとまった期間の休業をするほどでもない介護や世話を行う場合を想定したものです。その取得事由には、介護以外に厚生労働省令で定める世話として、①対象家族の通院等の付添い、②対象家族が介護サービスの提供を受けるために必要な手続の代行その他対象家族の必要な世話、が挙げられています。
 事業主は、介護休暇を申し出た労働者に対して申出事項の事実を証明する書類の提出を求めることができます。また、介護休暇についても、子の看護休暇と同様に、労使協定を締結することで以下のいずれかに該当する労働者を対象除外とすることができます。

 (1)引き続き雇用された期間が6ヵ月未満の労働者

 (2)1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 なお、労働者が介護休暇の申し出をしたこと、または取得したことを理由として、その労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁止されています。

賃金引上げ等の実態に関する調査

★★賃下げ企業 約1割アップ
    -厚生労働省発表
 このほど厚生労働省が発表した「平成21年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、昨年8月時点で、平成21年1年間に平均賃金(1ヵ月当たりの1人平均所定内賃金)を「引き上げたまたは引き上げる予定」と回答した企業は61.7%と前年より12.3ポイント低下し、逆に「引き下げた(予定を含む)」企業が12.9%と同9.8ポイント上昇したことが分かりました。
産業別にみた賃金改定の実施状況


◆◆【賃金の改定の実施状況】◆◆
 昨年中に平均賃金の「引上げ」を実施または予定していると回答した企業は61.7%(前年74.0%)、「引き下げる」は12.9%(同3.1%)、「賃金の改定を実施しない」は21.6%(同18.6%)で、前年に比べて、平均賃金を引き下げる企業および改定を実施しない企業はそれぞれ9.8ポイント、4.0ポイントの上昇、引き上げる企業は12.3ポイントの低下となった。
※産業別に関しては上表を参照のこと
平均賃金を引き下げる企業割合の推移


◆◆【賃金の改定額および改定率】◆◆
 昨年中の賃金の改定状況(9~12月実施予定を含む)を常用労働者数による加重平均(以下同じ)でみると、改定額は3,083円(前年4,417円)、改定率は1.1%(同1.7%)で、改定額、改定率ともに前年を下回った。
 このうち、平均賃金を引き上げると回答した企業の引上げ額は5,049円(前年5,262円)、引上げ率は1.8%(同2.0%)、また、引き下げる企業の引下げ額は10,471円(同3,498円)、引下げ率は3.5%(同1.4%)となった。
 平均賃金の改定額を産業別にみると、鉱業、採石業、砂利採取業が5,042円で最も高く、次いで情報通信業が4,480円、建設業が4,373円の順で続き、逆に最も低いのは卸売業、小売業で1,630円だった。

◆◆【定期昇給(定昇)の実施状況】◆◆
 管理職の「定昇制度あり」の企業は67.5%(前年67.4%)で、このうち、昨年中に「定昇を行った・行う」は47.3%(同55.7%)、「定昇を行わなかった・行わない」は18.2%(同10.6%)となった。
 一方、一般職では、「定昇制度あり」の
企業は77.2%(前年75.6%)で、このうち、昨年中に「定昇を行った・行う」は56.7%(同65.8%)、「定昇を行わなかった・行わない」は17.0%(同9.1%)となった。
※産業別に関しては下表を参照のこと

◆◆【賃金カット等の実施状況】◆◆
 昨年中に何らかの賃金カット等を実施または予定していると回答した企業は30.9%(前年9.3%)で、その実施状況(複数回答)をみると、「賃金カットを行った・行う」は81.6%(同81.8%)、「諸手当の減額を行った・行う」は23.2%(同32.6%)と
なった。
 また、その対象者をみると、「管理職のみ」は43.6%(前年36.8%)、「一般職のみ」は4.2%(同10.9%)、「管理職全員と一般職全員」は32.7%(同16.3%)、「管理職一部と一般職一部」は12.2%(同32.0%)となった。
 なお、実施期間は、「半年未満」が22.2%(前年6.6%)、「半年以上一年未満」が41.2%(同26.7%)、「一年以上」が34.0%(同66.2%)となった。

◆◆【賃金の改定事情】◆◆
 賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業業績」をあげた企業が61.6%(前年66.2%)と最も多く、次いで「雇用の維持」が5.2%(同6.6%)となった。
産業別にみた定期昇給の実施状況

貯蓄金の管理と賃金の控除

      -労使協定の手引き

■貯蓄金の管理■
 労働基準法第18条では、「使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。」と定めています。これは、労働契約の1つとして強制的に社内で貯蓄をさせ、または会社が預金通帳や印鑑を管理することで、労働者が不当に足止めされたり、経営状況が悪化した場合に貯蓄金が転用されないようにするために設けられた「禁止規定」です。
 しかし、労働者の自由な意思に基づいて、労働契約としてではなく貯蓄金を管理することは一定の要件のもとで認められています。
 その主な要件は次のとおりです。

(1) 労使協定を締結し、そのことを労働基準監督署に届け出ること
(2) 貯蓄金の管理に関する規程を定め、労働者に周知させること
(3) 貯蓄金が、労働者の預金の受け入れである場合は、利子を付けること

 労使協定には、次の事項を定めることが必要です。
1.預金者の範囲
2.預金者1人当たりの預金額の限度
3.預金の利率及び利子の計算方法
4.預金の受入れ及び払い戻しの手続
5.預金の保全方法

 このうち、預金の保全方法としては金融機関に預けることなどが考えられますが、「賃金の支払の確保等に関する法律」では、事業主は、原則として、毎年3月31日において事業主が受け入れた労働者ごとの受入預金額について、同日後1年間を通じ、払い戻しの保証に関して金融機関と契約するなど、貯蓄金の保全措置を講じなければならないと定めています。


■賃金の控除■

 賃金には、いわゆる「全額払いの原則」がありますが、法令の定めによる場合(所得税の源泉徴収や社会保険料控除)、または労使協定に基づく場合は、賃金の一部を控除して支払うことが認められています。(労働基準法第24条第1項)
 たとえば、社宅の賃料の1部を利用する労働者に負担させるために毎月の賃金から控除する場合は、賃料を控除することに関して労使協定を締結することが必要となります。
 協定を締結すれば何でも控除できるのかというと、そうではありません。行政解釈によると、購買代金や福利・厚生施設の費用、社内預金など、その使途や名目がはっきりしているものだけ協定によって控除することを認めるとしています。
 したがって、協定には、控除する項目を限定的に列挙するとともに、毎月の給与から控除する場合は、「毎月○○日支給の給与から控除する」などと明記することが求められます。
 なお、賃金の控除に関する労使協定は行政官庁への届け出が不要で、事業場において保管します。
貯蓄金と賃金控除に関する協定について

アルバイト先へ移動中の通勤災害 (労災保険)

     -社会保険・ワンポイント ゼミナール

◆【質 問】◆

当社は、業績悪化により一部の社員を休業させています。このほど、数名の社員から「数カ月も賃金がカツトされ生活に困っている。アルバイトを認めてほしい。」という要求があり、やむを得ず認めました。
 休業は全1日だけではなく、業務の都合で午後だけのこともあります。もし、社員が当社からアルバイト先へ移動中に事故に遭ったら、労災保険はどうなるのでしようか? また、労災保険の対象になるとすれば、当社が届出をすることになるのでしようか?

◆【解 説】◆
   【事業所間移動の通勤災害】

 複数の事業所で雇用される労働者が、第1の事業所から第2の事業所へ移動する途中で災害に遭い、けがを負ったときなどは労災保険が適用されます。
 ただし、この場合も自宅と就業場所との間の移動と同じように、前提として、移動が労災保除法における「通勤」の要件を満たしている必要があります。
 つまり、「就業に関し、合理的な経路及び方法により」移動を行うことが必要で、移動の経路を逸脱し、または移動を中断した場合には、逸脱、中断の間、及びその後の移動は通勤とはなりません。
 ただし、日常生活上必要な行為(「日用品の購入その他これに準ずる行為」など厚生労働省令で定めるもの)であって、やむを得ぬ事由により最小限度の範囲で行う逸脱、中断の場合は、その後の移動は通勤とされます。
 たとえば、通常の事業所で午前中勤務し、合理的な経路、方法でアルバイト先に向かう途中で始業時間との関係から昼食をとった場合、その行為が「日常生活上必要な行為であって、やむを得ぬ事由により最小限度の範囲で行う」ものであると認められれば、食事中は通勤の「中断」ですが、その後は通勤となって、労災保険の保護対象になります。

   【どちらの事業所で適用するか】

 2つの事業所間の移動中に被災した労働者は、第2の事業所において労災保険が適用になります。これは、移動が第2の事業所で就業するために行われるものであるという考え方からくるものです。したがって、質問のケースでは、第2の事業所であるアルバイト先の保険関係で処理することになります。
 また、休業給付などの被災前3ヵ月間の平均賃金をベースに給付基礎日額が算定されるものについては、2つの事業所それぞれの平均賃金が合算されるのではなく、労災保険が適用される事業所から支給される賃金だけで算定されます。
 アルバイト先で労災保険が適用されると、本来の勤務先よりも低い賃金をもとに計算されることになるので、アルバイトを認める場合にはこの点にも注意しておくことが必要となるでしょう。

■ワンポイント・チェック■

 事業所間の移動中の通勤災害は、それぞれの事業主が二重就労を認めていたか否かは問われません。
 したがって、就業規則に二重就労を制限する規定があり、労働者がそれに違反して会社の許可なくアルバイトをしていた場合でも、移動中は通勤災害の対象となります。

中小企業緊急雇用安定助成金が拡充  -中小事業主を支援

中小企業緊急雇用安定助成金が拡充されました
   -雇用の維持に努める中小事業主を支援

 現在の厳しい経営環境下において、従業員の雇用維持に努力する中小企業事業主を支援するため平成20年12月に「中小企業緊急雇用安定助成金」がスタートし、その後要件等が緩和・拡充されていますので、今号では改めてその概要をお知らせします。

【受給要件】

 (1)雇用保険の適用事業主

 (2)次のいずれかの生産量要件を満たす事業主

Ⅰ売上高または生産量の最近3ヵ月間の月平均値がその直前3ヵ月または前年同期に比べ5%以上減少していること (ただし直近の決算等の経常損益が赤字であれば5%未満の減少でも可)。

Ⅱ売上高または生産量の最近3ヵ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少していることに加え、直近の決算等の経常損益が赤字であること (ただし、対象期間の初日が平成21年12月2日から平成22年12月1日までの間にあるものに限る。)

 (3)休業等を実施する場合は、従業員の全一日の休業または事業所全員一斉の短時間休業を行うこと
(平成21年2月6日から当面の期間にあっては、当該事業所における対象被保険者等毎に1時間以上行われる休業(特例短時間休業)についても助成の対象になります。)

(4)出向を実施する場合は、3ヵ月以上1年以内の出向を行うこと
(通常、助成金の対象となった出向の終了日の翌日から6ヵ月を経ずに開始された再度の出向は助成金の対象となりませんが、平成21年11月30日から平成22年11月29日までに開始される再度の出向については、6ヵ月経過していない場合も助成の対象になります。)

【受給額】

◆休 業

 休業手当相当額の4/5(上限あり)※1、※2
 支給限度日数:3年間で300日(休業及び教育訓練)※3

◆教育訓練
 賃金相当額の4/5(上限あり)※1、※2
 上記の金額に1人1日6,000円を加算

◆出 向
 出向元で負担した賃金の4/5(上限あり)※1、※2
  ※1従業員の解雇等を行わない事業主に対しては助成率が上乗せ(4/5→9/10)されます。
  ※2障害のある人の休業等に対しても助成率が上乗せ(4/5→9/10)されます。
  ※3残日数の計算は次のとおりです。

前回までの残日数計算式

なお、中小企業緊急雇用安定助成金の対象期間は1年であり、1年ごとに受給要件の確認が必要です。

障害者雇用率が過去最高の1.63% 他ニュース

★障害者雇用率が過去最高の1.63%
  -千人以上規模では法定雇用率を上回る
 民間企業(56人以上規模)の平成21年6月1日時点での障害者実雇用率が、前年同期と比べて0.04ポイント上昇し、1.63%と過去最高になったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
 規模別でみると、雇用されている障害者数は300人以上規模の企業で前年より増加。実雇用率は、1,000人以上規模の企業で1.83%と民間企業の法定雇用率(1.8%)を上回っています。以下、500~999人規模で1.64%、300~499人規模で1.59%、100~299人規模で1.35%、56~99人規模で1.40%となっています。


★雇用調整助成金の支給要件を緩和
  -生産量要件の比較対象期間を追加
 厚生労働省は、雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の支給要件を一部緩和しています。
 中小企業の場合、生産量や売上高について、最近3ヵ月間の月平均値が「前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算等の経常損益が赤字であること」という要件が新しく追加されました。この要件は、対象期間(*)の初日が平成21年12月2日から平成22年12月1日までの間にあるものに限り適用されます。
 なお、「最近3ヵ月間の月平均値がその直前3ヵ月または前年同期比で5%以上減少(ただし直近の決算等の経常損益が赤字であれば5%未満の減少でも可)」という要件は現行どおりです。
(*)事業主が初回の計画届を提出した際に自ら指定する助成対象となる期間(1年間)をいい、生産量や売上高の要件は対象期間ごとに確認します。


★60歳定年とグループ会社再雇用の選択性は適法
  -東京地裁が元社員の請求を棄却
 NTT東日本を定年退職した元社員10人が、同社の60歳定年制は定年後の安定した雇用の確保を事業者に義務付けた高年齢者雇用安定法に反するとして、社員としての地位確認と退職後の給料支払いを求めた訴訟で、東京地裁は11月16日、原告の請求を棄却しました。
 同社は、51歳以上の従業員に対し、給料は減額されるが定年前にグループ会社に移って65歳まで雇用されるか、会社に残って60歳で定年退職するかのいずれかを選ばせる制度を設けていますが、裁判長は、「60歳で退職するか、資本的にも密接なグループ会社に移るかを選ばせるのは、高齢者の安定した雇用を確保するものと評価できる」と述べました。


★「日本年金機構」が1月1日からスタート!

平成22年1月1日から社会保険庁は、組織や人員を一新し、「日本年金機構」として生まれ変わります。
これに伴い、厚生年金保険や国民年金の運営業務は「日本年金機構」に引き継がれますが、その財政などに引き続き国が責任を持つことについては、これまでと変わりません。
 なお、従来の社会保険事務所は、新たに「年金事務所」と名称が恋わります。

労使協定の基本的事項

     -労使協定の手引き

 使用者と労働者との基本的な約束ごとである労働契約は、「(労使が)対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきもの」とされています(労働契約法第三条一項)。しかし、個別の合意があればどんな内容の労働条件でもよいというものではありません。労働条件の決定・変更には、労働基準法はじめ労働関係の法令によってさまざまな規制を受けているためです。
 もっとも、こうした規制のなかには、「労使協定」によって法令違反に対する罰則規定の適用を免れるものもあり、労使協定には規制の弾力的な運用が認められるという効果もあります。例えば、労働基準法では法定労働時間を超える労働をさせてはならないと定めていますが、一方で、労使協定を締結し、これを行政官庁に届け出れば、法定労働時間を超えて労働させたり法定休日に労働させることができるとしています。(労基法第三六条)
 また、労使協定には、「高年齢者に対する継続雇用制度に関する基準等」のような使用者と労働者の合意文書の性格を持つものもあります。こうしたことから、労使協定は良好な労使関係を構築、維持するためにはとても重要とされていまず。
 最近の労働関係の法律改正をみると、労使協定が必要となる場面も拡がる傾向にあり、その注目度も高まっているといえます。今号より、労使協定の実務について、シリーズで取り上げます。


※)労使協定とは・・・

 労働基準法でいう労使協定とは、使用者と、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との間に書面で結ばれる協定をいいます。
 労使協定が「すべての労働者」ではなく「過半数制」を取っているのは、労使自治の原則からみて、その事業場に使用されている大多数の労働者の意思を反映していると推定できるためです。
 したがって、過半数で組織する労働組合がない場合、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者) の資格、選出方法には一定の制限があります。

*)過半数代表者の要件
 労働基準法に規定する過半数代表者は、次の①及び②のいずれにも該当する者と定められています。(労基法施行規則第六条の二第一項)

① 法第四一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。

② 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。

 つまり、過半数代表者は、労働時間や休憩、休日に関する規定の適用が除外される管理監督者ではなく、労使協定を締結するための代表者を選ぶことを明らかにして、使用者の意向が及ばないような方法によって選出されることが必要となります。

*)労使協定にも周知義務
 使用者は、就業規則だけではなく、その事業場で締結された労働基準法に基づく労使協定についても、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することなど一定の方法により、労働者に周知させることが義務付けられています。(労基法第一〇六条)

*)有効期間や届出は・・・
 労使協定の有効期間の長さについては、法令による制限はありません。しかし、労使協定の種類や内容に応じて適切な有効期間を定め、実態に合うよう定期的に見直しをすることは必要となるでしょう。また、労使協定には、行政官庁ヘの届出が必要なものと、必要のないものがあります。

09年就労条件総合調査 厚労省発表

★★7割が「職務・職種」を基本給決定要素に
    -09年就労条件総合調査 (厚労省発表)
 このほど厚生労働省が発表した2009年の「就労条件総合調査」によると、基本給の決定要素(複数回答)として「職務・職種など仕事の内容」を挙げた企業割合が管理職、管理職以外とも70%以上で最も高く、賞与に関しては両者とも半数以上の企業が「業績・成果」を主な決定要素にしていることが分かりました。


◆◆【賃金制度】◆◆
◆《基本給の決定要素》◆
 基本給の決定要素別(複数回答)に企業割合をみると、管理職では「職務・職種など仕事の内容」が77.1%(前回01年72.8%)で最も高く、次いで「職務遂行能力」が68.5%(同79.7%)となっている。
 また、管理職以外でも「職務・職種など仕事の内容」が71.8%(同70.6%)で最も高く、次いで「職務遂行能力」が67.5%(同77.3%)となっている。 ※産業別に関しては下表を参照のこと
産業別にみた基本給の決定要素別企業数割合(複数回答)

◆《基本給の決定要素となる「業績・成果」の主な内容》◆
 「業績・成果」を基本給の決定要素とする企業について、その主な内容をみると、管理職、管理職以外ともに「短期の個人の業績・成果」とする割合(管理職26.5%、管理職以外50.9%)が最も高く、次いで「長期の個人の業績・成果」(管理職24.7%、管理職以外28.5%)となっている。

◆《賞与の主な決定要素》◆
 08年中に賞与を支給した企業について、賞与の額の主な決定要素をみると、管理職、管理職以外のいずれも半数以上の企業が何らかの「業績・成果」を賞与の決定要素としており、これを内容別にみると、「短期の個人の業績・成果」とする企業(管理職18.1%、管理職以外30.4%)が最も多く、次いで「短期の事業部門、会社の業績・成果」(管理職17.2%、管理職以外13.6%)となっている。


◆◆【定年制度】◆◆
◆《定年制》◆
 定年制を定めている企業割合は91.8%(前回08年94.4%)で、そのうち「一律に定めている」は98.5%(同98.4%)、「職種別に定めている」は1.1%(同1.1%)となっている。

◆《一律定年制における定年年齢の状況》◆
 定年年齢を「60歳」とする企業割合が82.4%(前回08年85.2%)で、「63歳以上」16.0%(同13.5%)、「65歳以上」13.5%(同10.9%)となっている。

◆《勤務延長制度および再雇用制度の実施状況》◆
 一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度および再雇用制度のどちらかまたは両方の制度がある企業割合は90.1%(前回08年90.0%)で、これを制度別にみると、「勤務延長制度のみ」11.3%(同11.0%)、「再雇用制度のみ」64.6%(同70.9%)、「両制度併用」14.2%(同8.1%)となっている。

◆《勤務延長制度、再雇用制度の最高雇用年齢》◆
 最高雇用年齢を定めている企業割合は、勤務延長制度がある企業で50.9%(前回08年50.8%)、再雇用制度がある企業で73.6%(同75.3%)となっている。
 また、最高雇用年齢を「65歳以上」とする企業割合は、勤務延長制度がある企業で90.8%(同84.4%)、再雇用制度がある企業で87.6%(同88.1%)となっている。


◆◆【労働時間制度】◆◆
◆《所定労働時間》◆
 1日の所定労働時間は、1企業平均7時間42分(前回09年7時間41分)、労働者1人平均7時間44分(同7時間43分)、週所定労働時間は、1企業平均39時間20分(同39時間21分)、労働者1人平均39時間00分(同39時間01分)となっている。

◆《年次有給休暇の取得状況》◆
 08年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均18.0日(同17.6日)。そのうち労働者が取得した日数は8.5日(同8.2日)、取得率は47.4%(同46.7%)となっている。
※産業別に関しては下図を参照のこと
産業別にみた労働者1人平均年次有給休暇の取得状況

厚生労働省発表 2009年の初任給と対前年増減率

役員も傷病手当金を受けられる? (健康保険)

     -社会保険・ワンポイント ゼミナール

◆【質問】◆

当社の取締役が病気で長期療養することになりました。この場合でも無給であれば健康保険の傷病手当金をもらうことはできるのでしようか? 給与は月75万円の役員報酬のみです。


◆【解説】◆
【傷病手当金の支給要件】

 健康保険の傷病手当金は、被保険者が病気やけがの療養のため働くことができない場合に支給されますが、働けない日が3日間連続(待期期間)していることが必要で、4日目以降の働けなかった期間が支給の対象となります。
 傷病手当金の支給額は、1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する額です。ただし、その間に会社から報酬(給与)を受けた場合には、支給額が調整されます。
 具体的には、1日あたりの報酬の額がこの傷病手当金の日額以上のときは、傷病手当金は支給されません。また、1日あたりの報酬の額が傷病手当金の日額より少ないときは、その差額のみが支給されることになります。
 なお、支給される期間は、支給開始日から1年6ヵ月です。


【役員も支給対象】

 会社の役員も健康保険の被保険者であれば、通常の社員と同じように傷病手当金の支給対象となります。
 しかし、役員の場合は、支払われる報酬を変更するにも、原則的には株主総会(定時または臨時)の決議が必要とされていますので、実際は病気やけがで短期間会社を休んでも役員報酬を減額しないケースが多いです。報酬額がそのままでは、もちろん傷病手当金は支給されません。したがって、長期療養のために働くことができず、満額の傷痛手当金を受けるためには、療養の間は役員報酬を一時的に不支給とすることが必要です。

 質問のケースでは、標準報酬日額が2万5千円(75万円÷30)ですので、療養中の役員報酬を不支給にすれば、1ヵ月あたり(30日分として)50万円程度の傷病手当金が受けられます。《2万5千円×(2/3)x30日》

【実際の手続きでは議事録も提出】

 通常の場合、傷病手当金の請求を行うときは、賃金台帳と出勤簿の写しを添えて、保険者(協会けんぽの都道府県支部または健康保険組合)に提出しますが、役員について傷病手当金を請求する場合は、その間に会社から報酬を受けないことの確認のため、療養中は一時的に役員報酬を不支給とすることが記載された株主総会議事録または取締役会議事録(*)の写しの提出が必要とされています。
(*)株主総会で役員報酬の総枠のみを決定し、各取締役への具体的な報酬配分については取締役会を通じて代表取締役に一任する方法をとっている場合は取締役会議事録で証明します。

■ワンポイント・チェック■

一時的に役員報酬を不支給にしても、その問は標準報酬月額に基づいた保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は徴収されます。

紛争の自主的解決とは?

    -ここが知りたい労使問題

◆【質問】◆

当社は、従業員約30名の食品卸会社で、創業以来35年間、労使関係も比較的良好でしたが、最近の厳しい経営環境から、今後は賃金をはじめ労働条件をめぐるトラブルなども懸念されています。
 もしもトラブルが発生した場合は、できるだけ社内において解決するよう考えていますが、そのためには企業側の対応としてどのようなことが求められているのでしようか?

◆【回答】◆

紛争当事者である労使においては、まず早期に誠意をもって話し合うことにより、お互いの主張を確認し、問題点を整理すること。労使で直接話し合うことが困難な場合は、第三者を介して話し合いを行うことなどが求められます。

◆【解説】◆
 企業内で労使トラブルが発生した場合の「紛争の自主的な解決」について、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」平13.7.11法律112号)第二条では次のように定められています。

「個別労働関係紛争が生じたときは、当該紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない。」 いわゆる「努力義務規定」ですが、具体的な内容については、関連通達で次のとおり示されています。

 努力義務の具体的内容

(1)本条(法二条)により、紛争当事者である労使においては、具体的には、まず、早期に、誠意をもって話し合うことにより、互いの主張を確認し、問題点を整理すること、又は、紛争当事者が直接に話し合うことが困難な場合には、第三者を介して話し合いを行うなどにより、企業内での解決に努めることが求められることとなること。

(2)このような話し合いを促進するためには、労働者から苦情が申し立てられた際に対応するのみならず、あらかじめ、企業内において、労働者からの苦情を受け付けてこれを処理するための仕組みを整備しておくことが望ましいこと。具体的には、苦情処理の仕組みを明確化して労働者に周知する、不満・苦情を受け付ける担当者・窓□を設ける、紛争処理機関を設置するといった様々な方法が考えられるが、如何なる方法をとるかは、各企業の労使に委ねられるものであること。(平13・9・19厚労省発地129 第3「2」)

 このように、自主的解決のためには、その場だけの一過性の対応ではなく、企業内において労働者からの苦情を受けて、これを処理するしくみを整備しておくことが望ましいとされています。
 例えば、社内に苦情処理機関としての「相談室」を設置することなどが考えられますが、どのような方法とするかは各企業の実態に即した対応策を講じることとされています。

 現在まで比較的良好な労使関係で推移してきたとしても、今後トラブルの発生が懸念されるようであれば、こうした時期こそ、紛争を未然に防止するため就業規則や諸規程を見直す絶好のチャンスでもあります。企業の実情に応じて、それらを見直すとともに、従業員との意見交換の場や職場のコミュニケーションなど、労務管理全体の整備に取り組むのもよいでしょう。

政府が緊急雇用対策を決定  他ニュース

★政府が緊急雇用対策を決定
      -10万人の雇用創出・下支え効果

 政府の緊急雇用対策本部は10月23日、来年3月末までに10万人程度の雇用創出や雇用下支えの効果をもたらす緊急雇用対策を決定しました。
 主な対策としては、生活に困る失業者を支援するための「緊急支援アクションプラン」を展開。一つの窓口で雇用、住居、生活支援などの相談・手続きを可能とする「ワンストップ・サービス」を実施することや、教育訓練機関に加え地域の企業やNPO法人などの参加により、情報処理技術、介護・福祉、医療などの分野を中心に約5万人分の新たな教育訓練メニューを確保することなどが盛り込まれています。
 雇用維持支援としては、雇用調整助成金の生産量要件の緩和を早急に検討することや、中小企業に対する低利融資制度の活用を推進することなども明記しました。
 また、こうした対策を迅速に実施するため、首相主導のもとで産業界・労働界をはじめ各界のリーダーや有識者が意見交換を行う機関や、「地域雇用戦略会議(仮称)」などが設置されます。


緊急雇用対策のポイント (企業関連)
■来春以降の新卒者に対する求人開拓と雇用ミスマッチの解消
・学生を対象とした合同就職説明会等の実施
・採用意欲のある中小企業等の掘り起こし(「雇用創出企業」を取りまとめて公表)

■雇用維持支援の強化
・雇用調整助成金の支給に要する処理期間(初回=2ヵ月以内、2回目以降=1ヵ月以内)の設定と年内中の達成を図る
・雇用調整助成金の生産量要件の緩和を早急に検討
・解雇防止と新規雇用の促進のため、出向に関する企業間の情報交流を支援

■中小企業の支援
・中小企業の求める若手人材を育成するための「新・若者挑戦塾」の受講生と中小企業とのマッチング支援を強化
・雇用の維持・拡大に努めている企業に対する低利融資制度の活用を促進(日本政策金融公庫等による、雇用調整助成金等が支給されるまでの「つなぎ融資」や「セーフティネット貸付」の積極的な活用)
・中小企業に対する金融の円滑化を通じた雇用の安定を図るための施策を策定・推進(臨時国会に法案提出)


★過労と認め、店長の死亡を労災認定
      -遺族の審査請求で神奈川労働局が裁決

 神奈川労働局は、日本マクドナルドの店長(女性=当時41歳)が2007年10月16日、勤務中にくも膜下出血で倒れ3日後に死亡したことについて、過重労働が原因だったとして労災と認定しました。
 当初、死亡した店長の遺族が横浜南労働基準監督署に遺族補償給付の請求を行いましたが、同監督署は店長が倒れた日をくも膜下出血の発症日ととらえ、その前に店長が休暇を取得していたこと、直前6ヵ月間の月平均残業時間が七七時間余りであることから過労死認定基準の80時間を超えていないとして、労災と認めませんでした。
 これを不服とした遺族は神奈川労働局に審査請求。同労働局は、店長が知人に送った携帯メールで頭痛を訴えていたこと、複数の医師が「くも膜下出血には前駆症状がある」と認めていることなどをもとにして、倒れる前の9月下旬から発症していたと推定。発症前の月平均残業時間が80時間を超えていたと認めたものです。


★残業代未払いの是正企業が1割減少
      -1人平均額は11万円

 厚生労働省のまとめによると、2008年4月から09年3月までの1年間に、賃金不払い残業(いわゆるサービス残業)にかかる労働基準監督署の是正指導を受けて100万円以上の支払いを行った企業は1,553社で、前年度(1,728社)に比べて約1割減少したことが分かりました。
 対象労働者数は18万730人で前年度よりも1,000人余り増加していますが、支払われた割増賃金の合計額は約196億円で76億円余り減少。1企業の平均額も314万円減って1,263万円、労働者一人あたりへの支払額も4万円減って平均11万円となっています。


★今夏の賞与、前年比9.7%減
      -毎月の勤労統計調査

 厚生労働省が11月2日に発表した毎月勤労統計調査によると、従業員5人以上の事業所が今年の夏に支給した1人平均の賞与額は36万3,104円で、前年に比べて9.7%減少し過去最大の落ち込みとなりました。
 主要産業別にみると、製造業が43万5,071円(前年比16.4%減)、卸売・小売業が27万2,460円(同13.4%減)、サービス業が30万5,181円(同11.2%減)となっています。


★5割以上の企業が業績・成果で賞与を決定
      -就労条件総合調査

 厚生労働省が11月5日に公表した就労条件総合調査の結果概況によると、2008年(または07会計年度)中に賞与を支給した企業のうち、「業績・成果」を賞与の主な決定要素としている割合が、管理職に対しては57.6%、管理職以外では58.9%と、いずれも5割を超えていることが分かりました。
 「業績・成果」を内容別にみると、「短期の個人の業績・成果」とする企業が、管理職で18.1%、管理職以外で30.4%と最も多く、次いで「短期の事業部門、会社の業績・成果」(管理職17.2%、管理職以外13.6%)となっています。

「改正労基法に係わる質疑応答」の概要

-改正労働基準法のポイント

 平成22年4月から施行される改正労働基準法に関しての質疑応答が、このほど厚生労働省から公表されました。法令や通達などで明らかにされていない実務的な部分について具体的な内容が示されていますので、その一部を要約して取り上げます。

★★時間外労働に関する「特別条項付き協定」★★
 労使協定で定める時間外労働について、一定の限度時間を超えてさらに時間外労働を行わせる場合には、延長に関する「特別条項」を付けた協定を締結する必要がありますが、今回の法改正にあわせて「時間外労働の限度に関する基準」(限度基準)が改正され、特別条項として明示する項目に、限度時間を超えて働かせる場合の割増賃金率も加えられました。

■改正後の限度基準の適用について

【問】平成22年4月1日から翌年3月31日までを有効期間とする時間外労働協定について、
  (1)同協定が平成22年3月30日に締結され、同年3月31日に届出された場合
  (2)同協定が平成22年3月30日に締結され、同年4月1日以降に届出された場合
  (3)同協定が平成22年4月1日付けで更新された場合
  のそれぞれについて、改正後の限度基準が適用されますか?

【答】改正後の限度基準は平成22年4月1日以降に締結または更新された時間外労働協定に適用されます。 したがって、(1)及び(2)については改正後の限度基準は適用されませんが、(3)については改正後の限度基準が適用されることとなります。

■労働条件明示との関係

【問】限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率は、労働基準法(第15条第1項)の規定により、賃金に関する事頑として書面により明示する必要がありますか?

【答】限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率についても書面で明示する必要があります。

★★月60時間を越える時間外労働の割増金賃率★★
 今回の改正により、1ヵ月に60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間についての割増賃金率は「5割以上」としなければなりません(中小事業主については当面、適用を猶刊。この場合、休日の労働について、いわゆる法定休日(週1回または4週間4日の休日)ではない休日における労働は、時間外労働として「60時間」の算定対象に含める必要があります。

■法定休日が特定されていない場合の算定方法

【問】法定休日が特定されていない場合で、暦週(日~土)のうち休日である日曜日及び土曜日の両方に労働させた場合、割増賃金計算の際にはどちらを法定休日労働として取り扱うことになりますか?

【答】その暦週において後順に位置する土曜日における労働が法定休日労働となります(この場合、日曜日における労働を時間外労働として「60時間」の算定対象に含めます)。

★★代替休暇★★
 改正労働基準法では、1ヵ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者の意向により、引き上げ分の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(代替休暇)を与えることもできるようになります(中小事業主については当面、適用を猶予)。

■代替休暇の取得日の決定方法

【問】代替休暇の取得日について、労働者が希望した日を使用者が一方的に変更や拒否をすることは認められますか。取得の方法や取得希望日の変更方法について、労使協定で制限することは可能ですか?

【答】代替休暇を取得するか否かは労働者の判断によるものなので、使用者による一方的な変更等は認められず、取得日の決定等は当然労働者の意向を踏まえたものとなります。代替休暇の取得等の具体的な方法については、労使の話し合いによリ労使協定で定めるものとされています。

★★時間単位年休★★
 今回の改正により、労使協定によって、年次有給休暇を時間を単位として与えることができるようになります。
■時間単位年休の時季変更権

【問】時間単位年休に係る時季変更権について、例えば、9時~10時の1時間の請求が行われた場合、これを同一日の13時~14時へ変更し、または翌日の9時~10時に変更することは可能ですか?

【答】時間単位年休についても、事業の正常な運営を妨げる場合は、使用者は請求に係る時季を変更することができますので、質問の変更は可能です。ただし使用者には他の日時を指定すべき義務はありません。

職務は「正社員並み」でも賃金は低め

-09年有期労働契約に関する実態調査

 このほど厚生労働省が発表した2009年の「有期労働契約に関する実態調査」によると、今年7月現在、正社員と同様の職務に従事する有期契約労働者の多くが、正社員よりも賃金水準が低くなっています。

★有期契約労働者の雇用状況★
《有期契約労働者を雇用している事業所割合》 (下表参照)
 有期契約労働者を雇用している事業所は35.9%で、産業別にみると、「複合サービス事業」が83.6%で最も高く、「金融業、保険業」59.8%、「教育、学習支援業」51.3%の順となっている。
 これを職務タイプ別(複数回答)にみると、正社員と同様の職務に従事する「正社員同様職務型」と、正社員よりも軽易な職務に従事する「軽易職務型」がともに53.6%で最も高く、次いで正社員とは別の職務であるが、高度でも軽易でもない職務に従事する「別職務・同水準型」18.3%、正社員よりも高度な内容の職務に従事する「高度技能活用型」2.8%の順となっている。
有期契約労働者の職務タイプ別事業所割合


《常用労働者に占める有期契約労働者の割合》
 有期契約労働者の割合は常用労働者の22.2%で、これを職務タイプ別にみると、「軽易職務型」が54.4%で最も高く、次いで「正社員同様職務型」28.3%、「別職務・同水準型」13.1%、「高度技能活用型」1.O%の順となっている。

★有期契約労働者の契約更新の状況等★
《一回当たりの契約期間および契約更新回数》
 一回当たりの契約期間をみると、「6ヵ月超~1年以内」が54.2%で最も高く、次いで「3ヵ月超~6ヵ月以内」が19.6%となっている。
 また、契約更新回数は、「3~5回」が39.5%で最も高く、次いで「6~10回」21.9%、「1回以上」14.7%の順となっている。

《勤続年数》
 勤続年数をみると、「1年超~3年以内」が28.7%で最も高く、次いで「3年超~5年以内」28.1%、「5年超~10年以内」22.3%、「10年超」9.1%の順となっている。

《契約の更新形態》
 契約の更新形態をみると、「更新のつど、契約期間等について詳しく説明を行った上で、労働者の署名または記名押印を求めている」が52.3%で最も高く、次いで「更新のつど、労働者の署名または記名押印を求めているが、詳しい説明は行っていない」16.7%、「自動的に更新している」14.4%の順となっている。

★有期契約労働者の就業の実態★
《昇進》
 昇進の有無をみると、「昇進することがある」が18.1%で、これを職務タイプ別にみると、その割合が最も高いのは「正社員同様職務型」で20.9%、次いで「別職務・同水準型」19.1%となっている。

《基本給の水準》(下図参照)
 正社員と比較した基本給の水準をみると、「6割以上8割未満」が31.8%で最も高く、次いで「8割以上10割未満」24.7%、「4割以上6割未満」16.9%、「同額程度」16.2%の順となっている。
 これを職務タイプ別にみると、「正社員同様職務型」は「8割以上10割未満」、「6割以上8割未満」がともに28.9%、「高度技能活用型」は「比較対象となる正社員の水準を上回る」33.3%、「別職務・同水準型」は「8割以上10割未満」29.9%、「軽易職務型」は「6割以上8割未満」38.4%で最も高くなっている。
正社員と比較した基本給の水準別事業所割合


《退職金、賞与》
 退職金、賞与の有無をみると、「退職金がある」は12.6%、「賞与がある」は45.6%で、これを職務タイプ別にみると、「退職金がある」割合が最も高いのは「高度技能活用型」で21.9%、「賞与がある」割合が最も高いのは「正社員同様職務型」で55.1%となっている。

《教育訓練機会》
 教育訓練機会をみると、「正社員とほぼ同じ教育訓練機会が与えられている」が28.3%で最も高く、次いで「正社員に比べて少ないが、業務に必要な教育訓練機会は正社員とほぼ同じ」26.6%、「教育訓練機会は正社員に比べて少ない」19.7%、「教育訓練機会はほとんどない」17.0%の順となっている。

《福利厚生》
 福利厚生の有無をみると、「福利厚生がある」は84.2%で、その内容(複数回答)をみると、「食堂・休憩室・更衣室の利用」が75.5%で最も高く、次いで「社内行事への参加」67.6%、「慶弔見舞金」64.6%の順となっている。

職場復帰の決定と復帰後のフォローアップ  -職場のメンタルヘルスケア

■最終的な職場復帰の決定■
 メンタルヘルス不調により休業した労働者が職場に復帰できるかどうかの判断と、職場復帰支援プランの作成というステップを経たあとには、最終的な職場復帰の決定を行うことになります。その際、産業医が選任されている事業場では、産業医が職場復帰に関する意見と就業上の措置などについてとりまとめた「職場復帰に関する意見書」をもとに、関係者間で、症状が再燃する可能性など、労働者の状態について最終的な確認を行います。
 最終的な職場復帰の決定は事業者が行いますが、その場合は、就業上の措置の内容についてもあわせて労働者に対して通知するとともに、管理監督者、事業場内産業保健スタッフなどは、「職場復帰に関する意見書」の内容を確認しながら、それぞれが責任を持って各々の役割を遂行することが求められます。
 なお、職場復帰支援として実施する就業上の措置は、あくまでも復帰する労働者の健康を保持し、円滑な職場復帰を目的とするものですので、この目的に必要な内容を超えた措置を講ずるべきではないとされています。たとえば、時間外勤務を制限するにしても、一概に制限するのではなく、産業医と連絡を取るなど、労働者の心身の状態を考慮しながら柔軟に対応することが必要となるでしょう。

■職場復帰後のフォローアップ■
 メンタルヘルス不調の原因にはいろいろな要素が複雑に重なり合っていることが多いため、職場復帰支援プランの作成をはじめ、周到な準備をしたとしても、実際には様々な事情から当初の計画通りに職場復帰が進まないこともあります。そのため、職場復帰支援においては、労働者や職場の様子を経過観察して、必要に応じてプランの見直しを行うことが重要となります。
 職場復帰後のフォローアップとしては、管理監督者による日常の観察と就業上の配慮のほかに、事業場内産業保健スタッフによる面談などがあります。面談においては、次の事項を考慮しながら労働者や職場の状況を労働者本人だけではなく管理監督者からも話を聞きます。

(1)症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認  症状の再燃・再発につながる労働者の状態の変化や新しい問題の発生などがあったときに、迅速に対応することが不可欠です。
(2)勤務状況及び業務遂行能力の評価  職場復帰後の勤務の状況や仕事の能率などについて、労働者の話だけではなく管理監督者からの意見もあわせて客観的な評価を行います。
(3)職場復帰支援プランの実施状況の確認  職場復帰支援プランが計画通りに実施されているかどうかの確認を行います。予定通り実施されていない場合には、関係者間で再調整を図る必要があります。
(4)治療状況の確認  通院状況や治療の自己中断などのチェック、現在の病状や今後の見通しについて主治医の意見を労働者から聞き、必要に応じて労働者の同意を得た上で主治医との情報交換を行います。
(5)職場復帰支援プランの評価と見直し様々な視点から職場復帰支援プランについての評価を行います。何らかの問題が生じた場合には、関係者間で連携しながら臨機応変にプランの変更を行う必要があります。

 面談を実施する間隔は固定化せず、本人の状態や職場の事情などによって決めればよく、職場復帰当初は、2週間から1ヵ月程度が望ましいとされています。また、こうしたフォローアップを行う期間は、ケースによって異なりますが、少なくとも数ヵ月間は必要となるでしょう。

有期契約労働者の受給資格等(雇用保険)  -社会保険 ワンポイントゼミナール

【質 問】

契約期間の満了で退職する人の場合、雇用保険の失業関係の給付を受ける上で、自己都合退職よりも有利な扱いを受けることができるのでしようか?

【解 説】
【特定受給資格者と特定理由離識者】

 雇用保険の被保険者が希望していたにもかかわらず、期間の定めのある労働契約が更新されなかったためにやむを得ず離職した場合は、基本手当を受ける上で自己都合などによる離職と比べて支給要件が緩く、給付される日数も多くなることがあります。
 この場合、離職後は通算の雇用期間の長さや更新の有無の明示があったかどうかによって、「特定受給資格者」または「特定理由離職者(離職日が平成21年3月31日以降)」のいずれかに区分されます。
 まず、期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されていた場合、更新の有無の明示があったかどうかにかかわらず、その後更新されないことにより離職したときは、倒産や解雇などにより離職を余儀なくされた人と同じく特定受給資格者となります。
 また、引き続き雇用されていた期間が3年未満であっても、更新することが明示され確約されていたにもかかわらず更新されないことにより離職したときも、特定受給資格者となります。
 一方、期間の定めのある労働契約が更新されなかったために離職した人で、前記の特定受給資格者に該当しない場合、例えば、「更新する場合がある」とされているなど、更新の有無についての明示はあっても更新が確約されていない場合などは、特定理由離職者として位置づけられます。(下図参照)

【被保険者期間と所定給付日数】

 特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合に基本手当の受給資格を得るためには、「離職日以前の1年間に被保険者期間(*)が通算して6ヵ月以上」あることが必要ですが、自己都合などで離職した場合の「離職日以前の2年間に12ヵ月以上」より短くなっています。
(*)被保険者期間は、被保険者であった期間を離職日からさかのぼって1ヵ月ごとに区切り、その間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月を1ヵ月とします。
 また、65歳未満で離職した人が基本手当を受けることができる日数(所定給付日数)については、被保険者であった期間や離職日の年齢によっては自己都合などで離職した場合よりも多くなることがあります。ただし、特定理由離職者は離職日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間にある人が対象となります。

★ワンポイント・チェック★

特定理由離職者は、期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合のほかにも、体力不足、視力や聴力の減退、特定の理由で通勤が不可能または困難になったなど、正当な理由のある自己都合で離職する場合も該当します。

95.6%が雇用確保措置を実施

      -高年齢者の雇用状況

 このほど厚生労働省は、65歳までの段階的な雇用確保措置の実施を義務づけた高年齢者雇用安定法に対する企業の取組状況を公表しました。
 それによると、今年6月1日現在、高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業割合は95.6%と前年比0.6ポイント減少していますが、これは、前回まで51人以上規模の企業を対象としていた同集計が、今回から31人以上規模にまで拡大されたことによるものと思われます。
 なお、従来の51人以上規模では97.2%と同1.0ポイント増加しています。

◆雇用確保措置の実施状況(下図参照)
雇用確保措置を実施した企業の割合
 雇用確保措置の実施済企業は95.6%(51人以上規模97.2%、前年比1.0ポイント増)、実施していない企業は4.4%(同2.8%)となっている。
 また、実施済企業の割合を企業規模別にみると、大企業では98.7%(同1.1ポイント減)、中小企業では95.3%(同96.9%、1.3ポイント増)となっている。

◆雇用確保措置の上限年齢
 現在の義務年齢である「63歳」または64歳とした企業は13.2%(51人以上規模14.5%)、法の義務化スケジュールを前倒しして「65歳以上」とした企業(定年の定めのない企業を含む。)は86.8%(同85.5%、前年比6.0ポイント増)となっている。

◆雇用確保措置の内訳
 「継続雇用制度の導入」の措置を講じた企業が82.1%(51人以上規模85.1%)、「定年の引上げ」15.1%(同12.8%)、「定年の定めの廃止」2.9%(同2.0%)となっている。

◆継続雇用制度の内訳
 継続雇用制度を導入した企業のうち、労使協定で定めた基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は43.6%(51人以上規模48.4%)、希望者全員の継続雇用制度を導入した企業は41.8%(同38.0%)、労使協定の不成立のため、法に基づく特例措置により就業規則等で基準を定め、その基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は14.6%(同13.6%)となっている。

◆希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合
 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合(定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上までの継続雇用制度の導入のいずれかを実施)は44.6%(51人以上規模40.4%、前年比1.4ポイント増)となっている。
 企業規模別にみると、中小企業では47.0%(同43.4%、1.2ポイント増)、大企業では23.5%(同2.3ポイント)となっている。

11月★民間平均給与、下げ幅が過去最大  他 ニュース

★民間平均給与、下げ幅が過去最大
     -前年比1.7%、7万6千円ダウン

 国税庁が発表した民間給与実態統計調査によると、平成20年に民間企業に1年を通じて勤務した人(4,587万人)が、1年間に得た給与の平均は429万6千円で、前年に比べて1.7%、額にして7万6千円減少しました。(下段のグラフ参照)
 平均給与の減少は2年ぶりですが、急激な景気悪化に伴い賞与の大幅な減少(前年比6.0%減)が大きく影響し、下げ幅は、率、額ともに統計を取り始めた昭和24年以降で最大となりました。
 男女別にみると、男性は532万5千円で前年に比べてマイナス1.8%と大きく減少しているのに対して、女性は271万円で0.1%の
減少にとどまっています。
 事業所規模別にみると、従業員10人未満では344万3千円(男性431万6千円、女性239万2千円)、10人~29人では407万5千円(男性486万円、女性278万7千円)、30人以上では458万4千円(男性568万円、女性279万8千円)となっています。
平均給与と対前年増減率の推移


★11月は、労働保険適用促進月間

 厚生労働省では、労働保険(雇用保険・労災保険)の加入を一層促進していくため、11月を「労働保険適用促進月間」として設定し、全国的に労働保険の適用促進の広報活動や未加入事業場に対する適用促進指導等の事業を広く展開しております。    ハローワーク(公共職業安定所) 労働基準監督署


★夫の就労時間が長いほどパート勤務を希望
    -子育て期の男女へのアンケート調査

 厚生労働省が民間調査会社に委託して実施したアンケート調査によると、未就学の子を養育する女性は、夫の就労時間が長いほど、パートタイム勤務(短時間勤務または短日勤務)を希望する割合が高くなることが分かりました。
 夫の就労時間が「週35時間以上40時間未満」の場合は25.1%であるのに対し、「週70時間以上」の場合は43.7%がパートタイム勤務を希望。子育てに夫の協力が得られにくい女性が、仕事と子育てを両立させようとするためパートタイム勤務を希望する傾向が顕著となっています。


★今後の労働者派遣のあり方を諮問
     -厚生労働大臣

 長妻厚生労働大臣は10月7日、労働政策審議会に対し今後の労働者派遣制度のあり方について諮問しました。
 短期の派遣を原則禁止とすることなどを盛り込んだ「改正労働者派遣法案」が今年7月21日に衆議院の解散に伴って廃案となりました。
 しかし、景気の急激な悪化により派遣労働者をめぐる雇用環境に大きな変化が生じていることを踏まえ、改めて改正案を提出する必要が生じたためで、製造業務への派遣や登録型派遣のあり方、違法派遣の場合の派遣先との雇用契約の成立促進など、派遣労働者の雇用の安定率福祉の増進のための指置についても同審議会での検討を求めています。


★36%の事業所が有期契約労働者を雇用
     -平成21年有期労働契約に関する実態調査

 今年7月1日時点で、常用労働者を5人以上雇用する事業所のうち、期間を定めて雇用する労働者(有期契約労働者)がいる事業所は35.9%であることが、厚生労働省の実態調査で分かりました。
 これを職務タイプ別(複数回答)にみると、「正社員同様職務型」と「軽易職務型」が53.6%と最も高く、次いで「別職務・同水準型」(正社員とは別の職務であるが、高度でも軽易でもない職務)18.3%、「事業所に正社員がいない場合」3.1%の順となっています。
 事業所規模別にみると、「1,000人以上」92.8%、「300人~999人」89.2%、「100人~299人」77.7%、「20人~99人」59.3%、「5人~29人」31.0%と、規模が大きいほど有期契約労働者を雇用している事業所の割合が高くなっており、産業別では、「複合サービス事業」が83.6%で最も高く、「金融業、保険業」が59.8%、「教育、学習支援業」が51.3%と続いています。


★看護休暇の取得事由に予防接種等を追加
     -改正育休法の省令・指針改正事項まとまる

 厚生労働省は10月2日、改正育児・介護休業法に関する省令・指針の改正事項についての案をまとめ、労働政策審議会の分科会に示しました。
 日数が拡大される子の看護休暇については、予防接種や健康診断の付き添いを取得事由に追加。一方で、事業主がこれらの事由を証明できる書類の提出を求めることができるようにします。
 このほか、禁止となる不利益取扱い事項を追加することなどが盛り込まれています。

11月■年次有給休暇の時間単位付与  -改正労働基準法のポイント

 年次有給休暇は、このところの取得率が5割を下回る水準で推移しており、その取得の促進が課題となっています。年次有給休暇制度は、働く人が心身の疲労を回復させるなどの目的のために、まとまった日数の休暇を取得するというのが本来の趣旨です。しかし、仕事と生活の調和を図る意味から、現行の日単位による取得のほかに時間単位による取得の希望もみられるようになりました。
 こうしたことを受けて、今回の改正により、年次有給休暇を有効に活用できるよう、時間を単位として与えることができるしくみが新しく設けられました。

■時間単位付与の要件
 時間を単位として与える年次有給休暇(時間単位年休)を実施する場合には、あらかじめ事業場において労使協定を締結する必要があります。この労使協定は個々の労働者に対して時間単位による取得を義務づけるものではなく、協定が締結されていれば、労働者が時間単位による取得を請求した場合に、請求した時季に時間単位により年次有給休暇を与えることができるという趣旨のものです。
 なお、労使協定の締結によって時間単位年休を実施する場合には、就業規則の作成が義務づけられる一定規模以上の事業場においては、時間単位年休に関する事項を就業規則に記載する必要があります。

■労使協定で定める事項
 時間単位年休にかかる労使協定で定める事項は、次の4つがあります。

(1)時間単位年休の対象労働者の範囲
 時間単位年休の取得は、事業の正常な運営との調整が考慮されるものであるという観点から、例えば工場で一斉に作業を行うことが必要とされるような業務に従事する労働者にはなじまないことが考えられます。
 したがって、労使協定では、時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることとされています。ただし年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由であることから、例えば育児や介護を行う労働 者に限るなど、利用目的によって時間単位年休の対象労働者の範囲を定めることはできません。

(2)時間単位年休の日数
 時間単位で付与できる年次有給休暇の日数は「5日以内」で定めることが必要です。パート労働者など5日に満たない日数の年次有給休暇が比例付与される労働者については、労使協定では、その比例付与される日数の範囲内で定めることになります。
 また、前年度から繰り越された年次有給休暇がある場合は、繰越分も含めて5日以内の範囲となります。

(3)時間単位年休1日の時間数
 時間単位年休を付与する場合は、何時間で1日分の年次有給休暇に相当するのかを定めておくことが必要です。通常であれば、その労働者の1日の所定労働時間数をもとに定めることになりますが、1時間に満たない端数がある場合はそれを1時間に切り上げなければなりません。例えば1日の所定労働時間数が7時間30分の場合は、「8時間」とします。
 また、日によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1日の平均所定労働時間数をもとに、1年間における総所定労働時間数も決まっていない場合には、所定労働時間数が決まっている期間における1日の平均所定労働時間数をもとに決めることになっています。

(4)1時間以外の時間を単位とする場合の時間数
 時間単位年休は、必ずしも「1時間」を単位とする必要はありません。「2時間」や「3時間」といったように、1時間以外の時間を単位として時間単位年休を付与することもできますが、その場合には、労使協定でその時間数を定める必要があります。
 ただし、1日の所定労働時間数と同じ、またはこれを上回る時間数を単位とすることはできません。

■「時季変更権」との関係
 時間単位年休についても、事業の正常な運営を妨げる場合は、使用者は請求にかかる時季を変更することができます。 しかし、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による取得を請求した場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たりませんので、認められないことになっています。

11月★「VDT作業環境対策」実施率8ポイント減

-08年技術革新と労働に関する実態調査

 近年、コンピュータ機器等の導入によりVDT作業が増えていますが、このほど厚生労働省は、それに伴う職場環境や労働者の衛生管理等の実態を把握するため、昨年10月に実施した「技術革新と労働に関する実態調査」の結果を発表しました。
 それによると、照明や採光、換気等の「VDT作業環境対策」を実施している事業所の割合は67.8%と、5年前の前回調査を8.6ポイント下回っています。

※「VDT作業」とは、ディスプレイ、キーボード等により構成される機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業のこと。

■コンピュータ機器の導入等による労働面への影響
★業務の性質の変化
 過去5年間にコンピュータ機器の導入等に伴い、労働者の業務の性質に変化があったとする事業所は、一般社員が70.8%、一般社員以外が40.5%で、変化の内容(複数回答)をみると、「機器を活用するための知識、技能が必要となった」が一般社員、一般社員以外のいずれも最も多く、一般社員57.7%、一般社員以外30.9%となっている。

★労働条件の変更
 過去5年間にコンピュータ機器の導入等に伴い、労働条件を変更したとする事業所は9.5%(前回8.7%)で変更の内容(複数回答)をみると、「労働時間の短縮(所定外労働時間の削減を含む)」が63.5%(同62.8%)と最も多く、次いで「業績給、能力給の採用」42.3%(同38.7%)となっている。

★衛生面に生じた問題
 コンピュータ機器を使用している事業所は97.0%(前回96.3%)となっているが、それに伴い、「目の疲れを訴える者が増えた」とする事業所は22.7%(前回26.8%)、次いで「肩のこり等の身体的な疲労を訴える者が増えた」18.6%(同19.4%)、「精神的ストレスを訴える者が増えた」6.9%(同6.5%)、「環境面での苦情(署い、寒い、うるさい等)を訴える者が増えた」4.1%(同3.1%)となっている。

■コンピュータ機器の使用における対応
★VDT作業における作業環境対策
 VDT作業環境対策を実施している事業所は67.8%(前回76.4%)で、対策の内容(複数回答)をみると、「照明、採光対策」が58.4%(同69.1%)と最も多く、次いで「換気対策」58.2%(同66.9%)、「温度、湿度に関する対策」56.0%(同62.5%)となっている。
VDT作業環境対策の内容別事業所割合


★VDT作業における作業時間管理対策
 VDT作業時間管理対策を行っている事業所は10.3%(前回11.1%)で、対策の内容(複数回答)をみると、「VDT作業の途中に他の作業を組み込んだり、他の作業とのローテーションを実施」が49.0%(同53.5%)と最も多く、次いで「一連続作業時間と次の連続作業時間との間に10~15分程度の作業休止時間を設定」41.9%(同43.4%)、「VDT作業時間中に1~2分程度の小休止を設定」28.5%(同23.5%)となっている。
 また、VDT作業時間管理対策を行っていない事業所は89.3%(同88.4%)で、行わない理由(複数回答)をみると、「作業者個人の裁量に任せているから」が61.2%(同60.9%)と最も多く、次いで「長時間の連続的VDT作業を行う職場がないから」52.1%(同50.9%)となっている。

★VDT健康診断
 過去1年間にVDT健康診断を実施した事業所は14.4%(前回12.9%)で、検査項目(複数回答)をみると、「視力検査」が97.8%(同97.7%)とほとんどの事業所で実施されており、次いで「ストレスに関する症状」29.9%(同26.2%)、「上肢の運動機能、圧痛点等の検査」20.8%(同25.3%)となっている。
 また、VDT健康診断を実施しなかった事業所は85.2%(同86.7%)で、実施しなかった理由(複数回答)をみると、「通常の定期健康診断で十分と考えているから」が50.8%(同47.7%)と最も多く、次いで「常時VDT作業に従事する労働者がいないから」46.5%(同49.0%)、「VDT健康診断というものを知らなかったから」35.4%(同33.7%)となっている。

★健康管理対策として今後取り組みたい課題
 VDT作業者の健康管理対策として、今後取り組みたい課題があるとする事業所は62.0%(前回65.5%)で、今後取り組みたい課題(複数回答)をみると、作業場所に関する対策をあげる事業所が多く、「机、いす、床の改善(機器の配線の整備によるつまずき等の防止)」43.7%(同42.8%)、次いで「十分な作業空間の確保やレイアウトの適正化」42.8%(同45.5%)、「適切な照明及び採光の確保」40.7%(同37.4%)となっている。
健康管理対策として今後取り組みたい課題がある課題別事業所割合

11月★労働者を休業させる場合の労基法上の問題に関するQ&A

-新型インフルエンザに関連して  <厚生労働省発表>

 感染拡大防止の観点から、感染または感染の疑いがある場合には、保健所の要請等に従い外出を自粛することその他感染拡大防止に努めることが重要です。その際、欠勤中の賃金の取扱いについては、労使で十分に話し合い協力することによって、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えることが望まれますが、法律上、賃金支払いの必要性の有無等については、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案すべきもので、一般的には以下のように考えられます。

※なお、以下は現時点の状況を基にしており、今後の新型インフルエンザの流行状況等に応じて保健所の要請等が変更される可能性がありますのでご留意ください。(平成21年9月時点)
********************   Q1
 労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合は、会社は労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要がありますか。
   A1
 新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。医師や保健所による指導や協力要請の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
********************   Q2
 労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。

   A2

 新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱えば足りるものであり、病気休暇制度を活用すること等が考えられます。一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

********************   Q3
 労働者が感染者と近<で仕事をしていたため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。

   A3

 新型インフルエンザに感染している者の近<におり、濃厚接触者であることなどで保健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。保健所による協力要請の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

********************   Q4
 労働者の家族が感染したためその労働者を休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。

   A4

 家族が新型インフルエンザに感染している労働者について、濃厚接触者であることなどで保健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。協力要請等の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

********************   Q5
 新型インフルエンザに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどうですか。

   A5

 年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものですので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則等の規定に照らし適切に取り扱ってください。

11月★出産育児一時金の直接支払制度  -社会保険・ワンポイントゼミナール

【質 問】

今年10月から出産育児一時金の額が引き上げられましたが、支払方法も変わったのでしようか?

【解 説】
■【「直接支払制度」とは】

 今年9月までは、出産育児一時金(家族出産育児一時金を含む。以下同じ)は、原則として出産後に被保険者などからの申請に基づいて支給する仕組みとなっていました。しかし、一時的にまとまった費用を用意するという経済的負担の軽減を図る目的から、その支給方法が見直され、10月からは原則として、医療機関等(病院、診療所、肋産所)が被保険者などに代わって出産育児一時金の支給申請や受け取りを行うことになりました。
 この仕組みは、国などの保険者が医療機関等に出産費用を直接支払うことから、「直接支払制度」と呼ばれています(直接支払制度は、平成21年10月1日から23年3月31日までの間の出産を対象とした暫定的な措置)。
 しかし、当面の準備が整わないなど、直接支払制度に直ちに対応することが困難な医療機関等については、今年度に限り、準備が整うまでの間、直接支払制度の適用が猶予されることになっていますので、事前にこの制度が利用できるかどうか医療機関等に問い合わせた方がよいでしょう。

■【必要な手続きは】

 直接支払制度を利用する場合、利用者がしなければならない手続きは、次のとおりです。

①被保険者証等(日雇特例被保険者の受給資格者票または国民健康保険被保険者資格証明書を含む。)を医療機関等に提示します。

②医療機関等から提示された申請・受取にかかる代理契約に関する合意書面に署名(または記名捺印)します。

 また、帝王切開など高額な保険診療が必要と分かった場合は、あらかじめ加入する保険者から限度額適用認定証等を入手し、医療機関等に提示しておくと、保険診療にかかる窓口負担(原則は3割負担)が所定の自己負担限度額以内で抑えられます。
 なお、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額の範囲内であった場合には、その差額分は出産後に保険者に請求することで受け取れます。逆に、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額を超える場合には、その超えた額を医療機関等に支払うことになります。

■【「受取代理制度」との違いは】

 これまでも、医療機関等が被保険者などに代わって出産育児一時金を受け取る「受取代理制度」という仕組みがありました。しかし、この制度は、出産育児一時金を出産前に申請するもので、申請書に医療機関等から必要事項の記入を受けてから、保険者に対して申請書を提出する必要があり、利用者にとって手続きが煩雑でした(受取代理制度は今年9月30日をもって廃止)。
 直接支払制度は、原則として医療機関等の窓口だけで手続きが済みますので、利用者にとって負担が軽減されたものとなっています。

★ワンポイント・チェック★

 直接支払制度の利用を望まない場合は、出産後に出産育児一時金支給申請書を提出するという従来の方法により支給を受けることができます。
 また、健康保険組合で独自に実施している付加給付は、直接支払制度の対象外ですので、各健康保険組合の定めによって別途に申請することになります。

11月★定額の賞与は『賞与』ではない?  -ここが知りたい労使問題

【質 問】

当社の賃金規程の賞与に関する定めでは、「毎年6月に基本給の1.5ヵ月分、12月に2.5ヵ月分の賞与を支給する」となっており、実際にもその定めに従って支給しております。
 このように賃金規程において賞与の支給額まで定めている場合、賞与とはみなされないという指摘を受けましたが、このような規定では問題があるのでしようか?

【回 答】

現状の規定では、賞与の支給額を確定して支払うことをあらかじめ定めていることになりますので、労働基準法の上では、賞与には該当せず、通常の賃金として毎月支払いの対象となります。

【解 説】
 労働基準法第24条第2項では、「賃金は、毎月1回以上、1定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。」と定められています。
 また、ここでの「賞与」については、通達で以下の通り示されています。
 「賞与とは定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。定期的に支給されかつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とみなさないこと。
 したがって、かかるもので施行規則第8条に該当しないものは、法第24条第2項の規定により毎月支払わなければならないこと。」(昭22・9・13発基17)

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【 参 考 】
 労働基準法施行規則
第8条 法第24条第2項
 ただし書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
1. 1箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
2. 1箇月を超える1定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
3. 1箇月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当

 このような根拠から、質問のケースのように「毎年6月に基本給の1.5ヵ月分、12月に2.5ヵ月分の賞与を支給する」と、賃金規程に確定した支給額まで定められている場合は「賞与」とみなされず、労働基準法施行規則第8条の「精勤手当」、「勤続手当」、「奨励加給又は能率手当」のいずれにも該当しないため、同法第24条第2項の定めにより、毎月払いの対象ということになります。
 したがって、あくまでも「賞与」として支給するのであれば、賃金規程の上で支給額が確定しないような定めにしておくことが必要です。
 たとえば、会社の業績などに応じて賞与の支給時期や額の変動が予想されるようであれば、「賞与は、各期の業績を勘案し、原則として年2回、6月と12月に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。」としておけば問題ないでしょう。

10月★全国労働衛生週間 他ニュース

全国労働衛生週間 平成21年度

★全国労働衛生週間 平成21年度 10月1日~7日

トップが決意 みんながつくる 心の健康・明るい職場

 今年で60回目を迎える全国労働衛生週間は、10月1日から7日までの一週間にわたって実施されます。
 業務上疾病による被災者は平成16年以降増加傾向にあり、さらに、仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合も約6割に上っています。
 このような状況の中、労働者の健康の確保及び快適職場の形成促進を図ることが必要で、特に、メンタルヘルスについては、心の健康問題を抱える労働者の増加が危惧されていることから、経営トップの強い決意とリーダーシップの下、関係者全員が一丸となって、労働者の心の健康が確保された明るい職場を実現していくことが重要です。
 このような観点から、右記スローガンの下、事業場における労働衛生意識の高揚とともに、自主的な労働衛生管理活動の一層の促進を図ることとされています。


★出産育児一時金が、4万円引き上げられます!

 健康保険の出産育児一時金の支給額が、従来の38万円から4万円引き上げられ、42万円になります(ただし、産科医療補償制度に加入する医療機関等以外での出産は39万円)。本年10月1日以降の分娩から対象となります。


★改正育児・介護休業法の一部が施行
       - 9月30日から違反企業名の公表制度など

 今年6月に成立した「改正育児・介護休業法」について、政令により、厚生労働大臣の勧告に従わない違反企業名の公表や虚偽報告を行った企業に対する20万円以下の過料など、一部の規定が9月30日から施行となります。
 同改正法の柱となる、3歳に満たない子を養育する労働者に対する短時間勤務制度の措置の義務化や、所定外労働の免除の制度化などの規定は、今後出される政令により施行日が決まります。


★全国平均で10円引き上げ
       -地域別最低賃金の答申状況

 平成21年度の地域別最低賃金の改正について、このほど各都道府県に設置された地方最低賃金審議会の答申状況がまとまりました。(下表参照)
平成21年度地域別最低賃金改正の答申状況

 それによると、現行どおりとなる2県(新潟・岐阜)を除く45都道府県で時間額が1円から25円の間での引き上げとなっていて、全国加重平均では、昨年度と比べて10円アップの713円となっています。この答申を受けて各都道府県労働局は、時間額と発効日を正式に決定し公示する予定です。


★7月の完全失業率、最悪の5.7%  男性は初の6%越え
 総務省が発表した7月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.3ポイント上昇して5.7%となり、平成15年4月などの5.5%を上回り過去最悪となりました。
 男女別では、男性が前月より0.4ポイント高い6.1%と初めて6%を超え、女性は0.1ポイント高い5.1%となっています。
 また、7月の完全失業者数は359万人で、前年同月と比べて103万人の増加。増加幅は前月(83万人)を大きく上回り、過去最大となりました。

★時間外労働の限度に関する基準の改正 -改正労働基準法のポイント

■「特別条項付き協定」の割増賃金率

 労働基準法では、使用者は労働者に1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないとしていますが、労使間で時間外労働に関する協定(いわゆる「36協定」)を締結し、これを行政官庁に届け出たときは、1週40時間、1日8時間を超えて働かせることができると定めています。ただし、この協定で定める時間外労働については、告示により一定の限度時間(下表参照)が定められており、その限度時間を超えてさらに時間外労働を行わせる場合には、延長に関する「特別条項」を付けた協定を締結する必要があります。(特別条項付き協定)
時間外労働の限度時間

 特別条項として明示する項目には、延長できる時間数のほかに延長しなければならない特別の事情などかありますが、今回の改正により、限度時間を超えて働かせる場合の割増賃金率も加えられました。
 特別条項に盛り込む割増賃金率は、①1日を超え3ヵ月以内の期間、②1年間について限度時間を超えて労働させる期間ごとに定めなければならないこととされています。そして、①及び②の期間の双方について特別条項付き協定を締結する場合には、それぞれ限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めることが必要となります。
時間外労働と必要な協定との関係

 なお、この改正内容は、平成22年4月1日以降に特別条項付き協定を締結する場合、もしくは更新する場合に適用されることになっています。

■法定を越える割増賃金率の設定と時間外労働の抑制(努力義務)

 時間外労働は、本来臨時的なものとして必要最小限にとどめることが望ましいとされています。そこで、今回の改正では、時間外労働を抑制する観点から、特別条項付き協定において限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めるに当たっては、政令で定める率(25%)を越える率とするように努めなければならないこととされました。
 また、特別条項付き協定を締結する場合には、限度時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めなければならないことも付け加えられました。

★60歳以上を雇用の事業所、大幅増  08年高年齢者雇用実態調査

 このほど厚生労働省が発表した2008年の「高年齢者雇用実態調査」によると、60歳以上の高齢者を雇用している事業所の割合が59.4%となり、4年前(04年)の前回調査に比べて8.9ポイント上昇したことが分かりました。
 この調査は昨年9月現在、5人以上の常用労働者を雇用する9,704事業所を対象に行われました。


★定年制、継続雇用制度の状況

★★《定年制》
 定年制がある事業所は73.5%(前回74.4%)、定年制がない事業所は26.5%(同25.6%)で、定年制がある事業所のうち一律に定めているのは67.1%(同72.6%)、職種別に定めているのは4.1%(同1.2%)となっている。
 また、一律に定めている事業所のうち、定年年齢60歳が82.0%(同88.3%)、65歳以上が14.8%(同8.3%)で、前回に比べると65歳以上が上昇している。

★★《継続雇用制度(※勤務延長制度及び※再雇用制度)》
 一律に定年制を定め定年年齢が60~64歳の事業所において継続雇用制度があるのは89.1%で、このうち勤務延長制度のみがある事業所は16.5%、再雇用制度のみは72.7%、両制度があるのは10.8%となっている。

※「勤務延長制度」とは、定年年齢が設定されたまま、その定年年齢に到達した者を退職させることなく引き続き雇用する制度をいう。

※「再雇用制度」とは、定年年齢に到達した者をいったん退職させた後、再び雇用する制度をいう。


★高年齢労働者の雇用の状況

★★《高年齢労働者を雇用している事業所割合》 (下表参照)
60歳以上の高年齢労働者を雇用している事業所割合

 60歳以上の労働者を雇用している事業所は59.4%(前回50.5%)で、前回に比べて8.9ポイント上昇している。
 このうち60~64歳を雇用しているのは50.2%(同41.3%)、65~69歳は26.9%(同22.5%)、70歳以上は15.6%(同13.1%)で、いずれも前回より上昇している。
 また、産業別に60歳以上の労働者を雇用している事業所をみると、製造業(81.1%)、建設業(71.1%)、運輸業(69.6%)で高く、金融・保険業(32.0%)、複合サービス事業(34.2%)、情報通信業(38.2%)で低くなっている。

★★《高年齢労働者の割合》
 全常用労働者に占める高年齢労働者の割合をみると、60歳以上は10.0%(前回7.6%)で、前回に比べて2.4ポイント上昇している。
 年齢別にみると、60~64歳は6.5%(同4.9%)、65~69歳は2.5%(同1.9%)、70歳以上は1.0%(同0.8%)といずれも前回より上昇している。
 また、産業別にみると、60歳以上の労働者は不動産業(18.1%)、運輸業(14.9%)、鉱業(13.7%)で高くなっている。


★継続雇用の状況

過去1年間に継続雇用した労働者がいる事業所についてその雇用形態(複数回答)をみると、勤務延長者は「正社員・正職員」が55.4%、「パート・アルバイト」が22.3%、「嘱託・契約社員」が15.4%で、再雇用者は「嘱託・契約社員」が60.0%、「正社員・正職員」が32.9%、「パート・アルバイト」が15.0%となっている。
 次に、雇用契約期間をみると、勤務延長者は「1年」が41.0%、「期間を定めていない」が36.0%、「1年を超える」が14.7%で、再雇用者は「1年」が67.0%、「1年を超える」が13.7%、「期間を定めていない」が9.3%となっている。
 また、賃金を定年到達時と比較すると、勤務延長者は「同程度」が69.4%、「8~9割程度」が13.0%、「6~7割程度」が9.7%で、再雇用者は「6~7割程度」が34.8%、「8~9割程度」が23.6%、「同程度」が21.7%となっている。


★雇用拡大のための措置

★★《雇用のための特別の措置》 (下図参照)
 60歳以上の労働者の雇用のために現在「特別の措置をとっている事業所」は46.1%(前回30.1%)で、その内容(複数回答)は「適職への配置、仕事の分担の調整」が27.2%(同16.1%)、「仕事量の調整」が26.7%(同17.5%)、「労働時間の短縮、勤務時間の弾力化」が26.2%(同15.6%)となっている。
60歳以上の労働者の雇用のため事業所が現在とっている特別の措置

★★《雇用拡大のための公的援助》
 60歳以上の労働者の雇用拡大のために「公的援助が必要な事業所」は55.9%(前回41.8%)で、その内容(複数回答)は「賃金に対する助成」が46.9%(同33.5%)、「人材の紹介」が15.2%(同12.3%)となっている。

職場復帰の判断と復帰プランの作成  -職場のメンタルヘルスケア

 メンタルヘルス不調により休業した労働者の職場復帰を支援するためには、復帰ができるのかどうかを医師の診断書等必要な情報を収集した上で判断し、復帰ができると判断したときは具体的なプランを作成する、というステップを踏むことが重要だとされています。

■主治医による職場復帰可能の判断■
 職場復帰支援を進めるためには、本人の復職の意思とそれに対する主治医の同意が前提要件となります。したがって、休業中の労働者から職場に復帰したいという申し出があった場合には、事業者はまず職場復帰可能という判断が記された主治医による診断書(復職意見書)を提出するように求めます。
 診断書には、勤務時間や仕事の内容等、就業させる上で復職後当面どのような配慮が必要かについても、具体的な意見を含めてもらうようにすることが望ましいでしよう。
 なお、現状ではこの診断書の内容は本来の仕事がどのくらいできそうかではなく、医学的な見地から症状の回復具合に関するものが多く、労働者本人や家族の希望が反映されている場合もあります。

■職場復帰の可否の判断■
 職場復帰の可否を判断するにあたっては、労働者本人、管理監督者(上司)、事業場内産業保健スタッフ等の間で十分な話し合いをもちながら、労働者の意思や主治医の意見等の情報を収集、確認するとともに、労働者の状態(回復状況や業務遂行能力の回復度)および復帰先の職場環境を中心に評価を行います。
 産業医が選任されていない50人未満の小規模事業場においては、人事労務管理スタッフおよび管理監督者、衛生推進者等が、主治医や地域産業保健センター等の事業場外資源による助言をもとに、この判断を行うことになります。

 ①労働者の状態の評価

 労働者の状態については、具体的には、今後の通院治療の必要性、業務の遂行に影響を及ぼす可能性のある症状や薬の副作用の有無等について確認し、その時点での業務遂行能力(どのくらい仕事ができるか)について評価を行います。
 それには、生活リズム(起床・就寝時間等)、昼間の眠気の有無、注意力・集中力の程度、業務遂行と関係のある行動(読書やパソコン作業、軽度の運動等)の実施状況と、それらによる疲労の回復具合等を聴き取ると参考になります。
 また、必要に応じて、家族から本人の家庭での状態について情報を収集するのも良いとされています。

 ②職場環境の評価

 復帰先の職場に問題があると、復帰してもその後の適応に支障をきたすことにもつながります。したがって、復帰後に予定されている業務と労働者の能力、意欲・関心が適合しているか、職場の人間関係、業務の量(作業時間、作業密度等)や質(責任の度合、困難さ等)はどうか、復帰者を支える職場の雰囲気やメンタルヘルスに関する理解は良いか、業務上の配慮(仕事の内容や量の変更、就業制限等)や人事労務管理上の配慮(配置転換・異動、勤務制度の変更等)は実施可能か、等について評価、検証を行います。

■職場復帰支援プランの作成■
 職場復帰が可能と判断したら、具体的な職場復帰支援プランを作ります。職場復帰を円滑に進めるためには、元の就業状態に戻すまでにいくつかの段階を踏むのが良いとされ、それぞれの段階に応じた支援の内容と期間を決めます。
 また、復帰する労働者には、プランに基づき着実に職場復帰を進めることが長期的、安定的な職場復帰につながることを十分に理解してもらうことが必要となるでしょう。

「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは?  -社会保険・ワンポイントゼミナール

【質 問】

■医療保険と介護保険の自己負担が高額となった場合に、それらを合算して負担を軽減する制度が始まったそうですが、健康保険の高額療養費制度とどのような違いがあるのでしようか?

【解 説】
■【「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは】

 平成20年4月から、医療費と介護費の両方の負担があることによって家計の負担が重くなっている場合に、それを軽減する「高額医療・高額介護合算療養費制度」(以下「合算療養費制度」といいます)が新しく導入されました。
 この制度では、同じ世帯内で同じ医療保険(健康保険、国民健康保険、長寿医療制度など)に加入している人について、医療保険と介護保険の両方に自己負担があり、その自己負担の合計が一定の自己負担限度額を超えた場合に、申請によって自己負担限度額を超えた金額が支給されるというものです。

■【「高額療養費制度」との違いは

 この制度が新しく導入されても、健康保険の「高額療養費制度」など、従来の医療保険、介護保険それぞれについて自己負担を軽くする制度はそのまま継続されています。
 二つの制度の違いの一つに、対象(算定)期間があります。合算療養費制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額の合計を対象としているのに対して、高額療養費制度は、1ヵ月ごとに支払った自己負担額を対象としています。
 つまり、それぞれの対象期間が異なっているので、医療保険と介護保険の両方を利用した場合に、まず月単位でそれぞれの高額療養費の適用を受け、さらに年単位で医療保険と介護保険の合算療養費の適用を受けることもできます。
 なお、合算療養費制度においても、高額療養費制度と同様に、保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象になりません。

■【自己負担限度額は所得や年齢によって異なる】

 合算療養費制度の自己負担限度額は、世帯員の年齢や所得によって細かく設定されています。
 例えば、夫婦ともに75歳以上の2人世帯の場合、世帯で市町村民税が課せられていなければ、世帯の自己負担限度額は年単位で「32万円」ですが、現役並みの所得がある場合は「67万円」となっています。
(例)夫婦ともに75歳以上で市町村民税非課税の2人世帯の場合の支給額
夫の医療費の自己負担が年30万円 世帯負担の妻の介護費の自己負担が年30万円 合計60万円
支給額:60万円-31万円(自己負担限度額)=29万円

★ワンポイント・チェック★

 合算療養費制度は、平成20年4月からスタートしていますが、初年度分の申請は今年8月1日から受付が始まっています。
 初年度分については、原則として、平成20年4月1日~平成21年7月31日までの16ヵ月分の期間で計算され、1年単位の自己負担限度額は16ヵ月間に換算されます。
 ただし、平成20年8月1日からの1年間のみで算出した場合の支給額の方が多くなる場合には、その額が適用されます。

女性の育児休業取得率、初の9割超  -08年度雇用均等基本調査

 このほど厚生労働省が発表した「2008年度雇用均等基本調査」によると、女性の育児休業取得率は90.6%と前回調査を0.9ポイント上回って初めて9割を超えたものの、男性は1.23%と0.33ポイント低下し、依然として低水準にとどまったことが分かりました。

★育児休業者の割合等
 07年4月1日から08年3月31日までの1年間に出産した人または配偶者が出産した人のうち、08年10月1日までに育児休業を開始した人(育児休業の申出をしている人を含む。)の割合をみると、女性は90.6%と前回(07年度89.7%)より0.9ポイント上昇し、男性は1.23%と前回(同1.56%)より0.33ポイント低下した。
 また、同期間に育児休業を終了し、復職した女性の育児休業期間は「10ヵ月~12ヵ月未満」が32.0%(前回05年度35.0%)と最も多く、次いで「12ヵ月~18ヵ月末満」16.9%(同13.5%)、「3ヵ月~6ヵ月未満」13.6%(同15.1%)の順で、男性は「1ヵ月未満」が54.1%(同31.7%)と最も多くなっている。

★育児休業制度の規定状況等
 育児休業制度の規定がある事業所は、規模5人以上で66.4%(前回05年度61.6%)、規模30人以上で88.8%(同86.1%)となっており、前回05年度より5人以上で4.8ポイント、30人以上で2.7ポイントそれぞれ上昇している。
 産業別では、金融業、保険業(96.5%)、電気・ガス・熱供給・水道業(95.0%)、複合サービス事業(93.2%)で規定がある事業所割合が高くなっている。
 また、子が何歳になるまで育児休業を取得できるかについてみると、「1歳6ヵ月(法定どおり)」が87.0%(前回05年度79.9%)と最も多く、次いで「2歳~3歳未満」7.9%(同6.1%)、「1歳6ヵ月を超え2歳末満」3.1%(同3.0%)の順となっている。

★育児のための勤務時間短縮等の措置の導入状況
 育児のための勤務時間短縮等の措置の各種制度の導入状況(複数回答)をみると、「短時間勤務制度」が38.9%(前回05年度31.4%)、「所定外労働の免除」が26.8%(同23.2%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が22.0%(同18.5%)となっている。

★育児のための短時間勤務制度の短縮時間、賃金の取扱い
 育児のための「短時間勤務制度」を導入している事業所について労働日1日に短縮する時間の長さをみると、「1時間以上2時間未満」が49.9%(前回05年度36.8%)と最も多く、次いで「2時間以上3時間未満」17.9%(同41.2%)、「1時間未満」12.2%(同2.0%)の順となっている。
 また、短時間勤務により短縮した時間の賃金の取扱いについては「無給」が81.0%(同80.1%)で最も多く、「有給」9.1%(同10.2%)、「一部有給」8.6%(同9.1%)となっている。

最低賃金引き上げは12都道府県 他ニュース

★最低賃金引き上げは12都道府県 
    -中央最低賃金審議会が答申

 中央最低賃金審議会(厚生労働大臣の諮問機関)は7月29日、平成21年度地域別最低賃金改定の目安について、各都道府県の地方最低賃金審議会に提示する内容の答申をまとめました。
 地域別最低賃金は、その地域の生計費や賃金実態などを踏まえて、毎年改定されていますが、今年度は、最低賃金が生活保護の支給額を下回る状況にある12都道府県について、2~4年以内に「逆転現象」を解消するため引き上げを行い、他の35県については、現行水準の維持を基本として引き上げ額の目安を示しませんでした。
 引き上げ額の目安が示されたのは、20~30円の東京のほか、北海道(10円)、青森(3円)、宮城(10円)、秋田(2円)、埼玉(12円)、干葉(3円)、神奈川(22円)、京都(12円)、大阪(13円)、兵庫(8円)、広島(8円)の各都道府県となっています。

★厚生年金保険料率が引き上げられます

今年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料率が0.354%引き上げられ、15.704%(一般の被保険者)となります。事業主負担分および被保険者負担分は、この半分の7.852%です。(5頁の料額表参照)
 また、厚生年金基金に加入する方の厚生年金保険料率は、基金ごとに異なります。
 なお、協会けんぽの健康保険の保険料が、今年9月分(10月納付分)から都道府県ごとの保険料率に移行します。

★高額な医療費と介護費を合算して負担を軽減!
 

○「高額医療・高額介護合算療養費制度」の申請受付が始まっています。
○1年間(毎年8月から翌年7月まで)の医療と介護の自己負担の合計額が高額となる場合、負担が軽減されます。


★改正労働者派遣法案は廃案に
  -衆議院解散で審議未了

 昨年11月4日に臨時国会に提出され、先の通常国会で継続審議となっていた労働者派遣法改正法案は、7月21日に衆議院が解散されたことで、審議未了のまま廃案となりました。
 同改正法案は、20日以内の「日雇い派遣」を原則禁止とすることや、グループ企業内への派遣に対して一定の制限を設けること等が主な内容となっていました。


★確定拠出年金、掛金限度額を引上げへ
  -政令案を閣議決定

 政府は7月24日、加入者本人の運用実績に応じて受け取る年金額が変わる確定拠出年金(日本版401k)について、来年1月1日から掛金の拠出限度額を引き上げる政令案を閣議決定しました。
 企業が掛金を拠出する「企業型」では、ほかの企業年金がない場合、従業員1人当たり月4万6,000円の非課税限度額が5万1,000円に。ほかの企業年金がある場合には月2万3,000円が2万5,500円に引き上げられます。


★外国人登録制度を3年以内に廃止
  -「在留カード」で一元管理へ

 「改正出入国管理及び難民認定法(入管難民法)」が7月15日に公布されました。
 従来の各自治体による外国人登録制度を廃止し、国による新たな在留管理制度を導入すること等が柱で、中・長期在留者には、外国人登録証に代わり、法務省入国管理局から名前や顔写真の入った「在留カード」が発行されます。
 これにより、入国管理局が登録情報を一元管理することで、自治体と国との間で情報の共有化が図れることになります。
 このほか、在留期間の上限を従来の3年から5年に伸長することや、在留資格の「留学」と「就学」を1本化すること等が盛り込まれています。
 国改正法は、一部を除いて、公布の日から3年以内の政令で定める日から施行されます。
【改正入管難民法のその他の主な内容】

①特別永往者証明書の交付
 

特別永住者という法的地位の証明書として、氏名、生年月日等を記載した特別永住者証明書を法務大臣が交付する。

②外国人研修制度の見直し
 
在留資格「研修」の活動のうち実務研修を伴うものについて、労働関係法令の適用を可能とし、技能等を修得した者が雇用契約に基づき修得した技能を要する業務に従事するため、新たに在留資格「技能実習」として整備する。

③再入国許可制度の見直し
 
1年以内に再入国する場合の再入国許可手続を、原則として不要とするみなし再入国許可制度を導入する。


★日本年金機構のシンボルマークが決まりました -平成22年1月発足

 公的年金制度の運営業務は、平成22年1月から、現在の社会保険庁に代わって、職員が非公務員型の公法人である日本年金機構が担うことになっていまず。
 これに伴い、このほど厚生労働省は同機構のシンボルマークを決め、公表しました。 
 マークは公募作品の中から選ばれ、年金の「年」の字を図案化したもので、楕円とその重なりは新たに発足する組織の透明性をイメージしているそうです。
日本年金機構のシンボルマーク

★引上げ分の割増賃金に代わる休暇(代替休暇) -改正労働基準法のポイント

■「代替休暇とは」
 改正労働基準法では、1ヵ月に60時間を超える時間外労働をさせた場合、超えた時間については割増賃金の率が現行の「25%以上」から「50%以上」に引き上げられていますが、労働者の健康を確保する観点から、時間外労働を行った労働者の意向により、この引上げ分の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(「代替休暇」といいます。)を与えることができる制度も設けられました。
 なお、改正法に規定する中小事業主の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げは適用されませんので、それに伴ってこの代替休暇も適用されないことになっています。

■代替休暇の要件
 代替休暇の制度を導入するためには、事業場において事前に代替休暇に間する労使協定を締結する必要があります。労使協定で定める事項は次のとおりです。

(1)代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法
代替休暇として与えることができる時間数は、1ヵ月について時間外労働が60時間を超えた時間数に、労働者が代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率(50%以上)と、労働者が代替休暇を取得した場合に支払うこととされる割増賃金率(25%以上)との差に相当する率(換算率)を乗じて算出することになっています。(下を参照)

   

代替休暇の時間数 =(当月の時間外労働の時間数-60時間)x 換算率
   換算率 = 50% - 25% = 25%
     〔例〕時間外労働を月76時間行った場合
        →(76-60)× 25% = 4 時間(代替休暇の時間数)

(2)代替休暇の単位
 代替休暇の単位については、「1日」または「半日」とされており、労使協定では、その一方または両方を定めておくことが必要です。
 代替休暇として与えることができる時間として前記(1)で算定された時間数が、労使協定で定めた代替休暇の単位(1日または半日)に達しない場合であっても、代替休暇以外で通常の労働時間の賃金が支払われる休暇があれば、その休暇と代替休暇とを組み合わせて1日または半日とすることができます。なお、今回の改正に盛り込まれた「時間単位の年次有給休暇」を組み合わせて活用することも差し支えないとされています。

(3)代替休暇を与えることができる期間
 代替休暇を与えることができる期間は、時間外労働が1ヵ月60時間を超えた算定月の末日の翌日から2ヵ月以内とされていて、労使協定ではこの範囲内で代替休暇を与えることができる期間を定める必要があります。
 代替休暇を与えることができる期間として労使協定で1ヵ月を超える期間が定められている場合には、前々月の時間外労働に対応する代替休暇と前月の時間外労働に対応する代替休暇とを組み合わせて、1日または半日の代替休暇として取得することもできます。

 なお、代替休暇については、賃金の支払額を早期に確定させる観点から、前記(1)~(3)までの事項以外でも、労働者の意向を踏まえた代替休暇の取得日の決定方法や、代替休暇の取得の意向に応じた60時間を超える時間外労働にかかる割増賃金の支払日を労使協定で定めるべきだとしています。

★★本年9月から協会けんぽ保険料率が、都道府県ごとに変わります

協会けんぽの健康保険料は、現在、全国一律の保険料率(8.2%)となっていますが、平成21年9月から都道府県ごとの保険料率に移行します。
都道府県ごとの保険料率へ移行

*都道府県ごとの保険料率の適用は、9月分の保険料(一般の被保険者は10月納付分、任意継読被保険者は9月納付分)からとなります。

*40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険の保険料率(1.19%)が加わります。


★都道府県ごとの保険料率導入の背景

 従来の全国一律の保険料率のもとでは、疾病の予防等の地域の取組により医療費が低くなっても、その地域の保険料率に反映されないという問題点が指摘されていました。こうした中、平成18年度の医療制度改革においては、旧政府管掌健康保険について、国民健康保険や長寿医療制度と同様に、都道府県単位の財政運営を基本とする改革が行われ、都道府県ごとの保険料率は、こうした改革の一環として導入されました。
 保険料率は都道府県ごとの医療費の違いが反映されるため、今後、疾病の予防等により地域の加入者の医療費が下がれば、その分の保険料が下がる仕組みとなります。


★都道府県ごとの保険料率の仕組み

 都道府県ごとの保険料率については、中高年齢層の割合が高い等の年齢構成の違いによる医療費の差や、所得が低いため保険料率が高くなる等の所得水準の違いが、そのまま反映されるのではなく、相互扶助や連帯の観点から、こうした違いを都道府県間で調整した上で保険料率が設定されます。
 また、都道府県ごとの保険料率への円滑な移行を図るため、平成25年9月までは、都道府県間の保険料率の差を小さくした上で、保険料率が設定されることとなっています。平成21年度は、実際の保険料率と全国平均の保険料率(8.2%)の差が1/10に調整されています。
都道府県ごとの保険料率(平成21年9月~

平成21年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表

平成21年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表

●被保険者負担分(表の折半額の欄)に円未満の端数がある場合
 ①事業主が給与から被保険者負担分を控除する場合、被保険者負担分の端数が50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円となります。
 ②被保険者が被保険者負担分を事業主へ現金で支払う場合、被保険者負担分の端数が50銭未満の場合は切り捨て、50銭以上の場合は切り上げて1円となります。
(注)①②にかかわらず、事業主と被保険者の間で特約がある場合には、特約に基づき端数処理することができます。

職場復帰における支援(休業開始時・休業中のケア) -職場のメンタルヘルスケア

 メンタルヘルス不調に陥り休業せざるを得なくなった労働者が、元の職場に完全復帰するのは並大抵のことではないといわれています。一度、休業~退職(あるいは再休業)という流れを作ってしまうと、その職場でメンタルヘルス対策としての職場環境の改善が進まず、再発者が続く可能性も残されてしまいます。事業者がこうしたリスクを常に抱えているのは、健全とはいえません。
 したがって、メンタルヘルス不調の予防だけではなく、休業者の復職に向けて適切な支援を行うことも、重要なメンタルヘルス対策の一つとなっています。

■職場復帰支援の流れ■
 厚生労働省は、平成16年に事業者が行う職場復帰支援の内容を総合的に示した「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を公表しました。
 この手引きは、メンタルヘルス不調により休業し、医学的にみても元の業務に復帰するのに問題がない程度に回復した労働者に対する支援のあり方を紹介していて、多くの職場で参考になる内容といえます。
 手引きでは、職場復帰までの支援の流れを五つのステップに区分し、支援を復職前後の狭い範囲の活動ではなく、休業開始から復職後のフォローまでの間に行う一連の取組みとしてとらえています。(下図参照)職場復帰支援の5つのステップ

■病気休業開始及び休業中のケア■
 休業の開始時には、本人から主治医の診断書(病気休業診断書)を提出してもらいます。診断書には医学的な見地から病気休業を必要とする旨のほか、職場復帰の準備を計画的に行えるよう、必要な療養期間の見込みについて明記してもらうことが望ましいとされています。
 提出先は、一般的には直属の管理監督者で、診断書を受けた管理監督者は、病気休業診断書が提出されたことを、人事労務管理スタッフ及び事業場内産業保健スタッフに連絡します。その上で、本人に対しては、安心して療養に専念できるように、休業中の事務手続きや職場復帰する際の手順について説明を行います。
 休業に入ってからは、管理監督者や事業場内産業保健スタッフは、休業の継続において必要となる事項や職場復帰支援のためにあらかじめ検討しておいたほうがよいと考えられる事項について、定期的または発生のつど、本人に連絡して確認を取っておきます。
 療養の状況を正確に把握するために、場合によっては本人の同意を得た上で、主治医から情報を得ることも必要になると考えられます。また、不調の原因や病状によっては、本人と頻繁に連絡を取ることが適切でないこともありますので、その点についても、主治医の意見、判断を仰ぐのがよいでしょう。

パートの適用基準とは? -社会保険・ワンポイントゼミナール

■健康保険・厚生年金保険の適用事業所で働くパートタイマーなどの短時間就労者は、どういう状態で雇用されていれば保険に加入させなければならないのでしようか?

■【法律ではなく内部文書で示す】
 健康保険・厚生年金保険の被保険者の適用範囲については、それぞれの法律で、原則として適用事業所に使用される人が被保険者となると定められており、「二ヵ月以内の期間を定めて使用される者」など、一定の人は適用除外とされていますが、パートタイマーなどの短時間就労者については適用除外となっていません。
 しかし、短時間就労者は、契約期間や労働時間が多様であり、法律上の適用除外者に該当しないからといって一律に適用させることが適切な扱いなのか、という疑義もあったため、昭和55年に厚生労働省が発した内部文言で適用の判断基準が示されています。
 それによると、適用させるか否かは「常用的使用関係」にあるかないかにより判断すべきものとしていて、短時間就労者に係る常用的使用関係の判断については、次の点に留意すべきであるとしています。

① 当該就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案して認定すべきものであること。

② その場合、1日または1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が当該事業所において同種の業務に従事する通常の就労者の所定労働時間および所定労働日数のおおむね4分の3以上である就労者については、被保険者として取り扱うべきものであること。

③ 前記②に該当する者以外の者であっても、①の趣旨に従い、被保険者として取り扱うことが適当な場合があると考えられるので、その認定にあたっては、当該就労者の就労の形態等個々具体的事例に即して判断すべきものであること。

■【「4分の3以上」はあくまでも目安】
 このように、1日の所定労働時間(日によって変わる場合には1週間あたりの所定労働時間)と1ヵ月の所定労働日数が、ともに通常の就労者の「おおむね4分の3以上」であれば常用的な使用関係があると認められ、披保険者になるとしています。(下の例を参照)
 しかし、この「おおむね4分の3以上」というのはあくまでも目安で、前記の判断基準に示されているように、4分の3に満たなくても、個別のケースごとに短時間就労者の就労形態や仕事の内容などを総合的に判断して、常用的な使用関孫があるかどうかで認定されるとしています。

★ワンポイント・チェック★  パートタイマーなどの短時間就労者は、就労の実態をもとに健康保険・厚生年金保険が適用されるか否かが判断されますので、雇用契約上の勤務時間数などでは被保険者として適用されなくても、実態により適用しなければならない場合も考えられます。  雇用契約と実態に大きなズレがないか再度チェックをしましよう。


(例)通常の就労者の1日の所定労働時間が8時間、1ヵ月の所定労働日数が21日の事業所において、次の短時間就労者の適用は…

①1日5時間、月20日勤務→適用しない (1日の所定労働時間が4分の3未満のため)
②1日7時間、月12日勤務→適用しない (1ヵ月の所定労働日数が4分の3未満のため)
③1日6時間、月18日勤務→適用する

再雇用後の平均賃金とは? -ここが知りたい労使問題

【質 問】

当社は電子部品製造業ですが、長期化する不況のため本年5月より一部で休業を実施し、中小企業緊急雇用安定助成金を活用しています。このたび、8月末で定年退職となる者を嘱託として再雇用する予定ですが、再雇用後は定年時の給与額の6割相当で再雇用契約を締結することになっています。
 そこで、9月以降も休業が続く場合、休業手当を算出する際の平均賃金は、定年時の給与額を基準とするのでしょうか、それとも再雇用後の給与額を基準とするのでしょうか?

【回 答】

定年退職後も引き続いて嘱託として再雇用する場合には、実質的に一つの継続した労働関係であると考えられますので、算定事由発生日以前3ヵ月間(定年退職前の3ヵ月間)を算定期間として平均賃金を算出して、その6割以上の休業手当を支給することになります。

【解 説】
 

労働基準法第12条第1項では、「平均賃金とは、これを算定すべき事由が発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した額をいう。(ただし書き略)」と定めています。
 このケースのように、定年退職者を引き続き嘱託として再雇用する場合の平均賃金の算定については、通達で次のとおり示されています。

問=「当局管内で下記のごとき事案が発生し、この場合の平均賃金の算定について、下記のような二つの方法が考えられるが、当局としては②によることが妥当と考えるが如何。

 


株式会社○○の労働者Aは昭和44年4月27日定年退職し、4月28日より継続して再雇用され従前の業務に従事していたが5月15日業務上負傷し、平均賃金算定事由が発生した。

① 形式的には定年退職前の契約と後の契約とは全然別個の契約であること等からみて、定年退職後の再雇用日を雇入れの日とみて平均賃金を算定する。

② 当該労働者の勤務の実態に即し、実質的に判断することとし、形式的には定年の前後によって別個の契約が存在しているが、本事案のように定年退職後も引き続いて嘱託として同一業務に再雇用される場合には、実質的には一つの継続した労働関係であると考えられるので、労働基準法第12条第1項から第5項までの規定により算定事由発生日以前3箇月間を算定期間として平均賃金を算定する。

答=「設問の場合の平均賃金は②によって算定されたい。」(昭45・1・22基収4464)
 このように、再雇用直後1ヵ月間の休業手当は、再雇用後の新賃金を基準にするのではなく、定年前の3ヵ月間に支払われた賃金をもとに算出された平均賃金が基準となります。  なお、再雇用後1ヵ月を過ぎても休業状態が継続するようであれば、各月に支払う休業手当は直前の対象月を含めて再計算しますので、3ヵ月以上経過すれば再雇用後の賃金のみで平均賃金を算出することになります。

改正育児・介護休業法等が成立ほか ニュース

■ 改正育児・介護休業法等が成立 ■ 
  (仕事と子育て・介護の両立支援を強化)

 「育児・介護休業法及び雇用保険法の一部を改正する法律」が6月24日、参議院本会議において可決、成立しました。国会提出(4月21日)から2ヵ月あまりのスピード成立となっています。
 同改正法は、3歳未満の子を養育する労働者(一定の者を除く)について、勤務時間の短縮措置を講ずることや請求があった場合に時間外労働を免除することを事業主に義務づけるなど、働きながら子育てや家族の介護を行う労働者への支援を強化する内容となっています。
 なお、施行日は一部を除いて、公布から1年以内の政令で定める日となっています。

★ 改正育児・介護休業法のその他の主な内容 ★
①父親の育児休業取得促進
  父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2ヵ月に達するまでの間に1年間育児休業を取得できるようにする。
  また、出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、特別な理由がなくても再度取得できるようにする。

②罰則・過料の創設
  厚生労働大臣の勧告に従わない場合の公表制度や、虚偽の報告をした場合などに対する過料を創設する。

③子の看護休暇制度の拡充、介護休暇制度の創設
改正育児・介護休業法の現行との比較
  
★ 雇用保険法の一部改正 ★
育児休業を取得できる期間(前記①)に合わせて、育児休業給付の支給対象期間を改正する。


■ 完全失業者数、350万人に迫る ■ 
  -有効求人倍率は過去最低-

 このほど総務省が発表した労働力調査(速報)によると、5月の完全失業率(季節調整値)は前月よりO.2ポイント悪化し5.2%となりました。
 男女別にみると、男性は5.4%(前月比O.1ポイント増)、女性が4.9%(O.3ポイント増)。また、完全失業者数は347万人で、前年同月からの増加幅(77万人増)は過去最大となりました。
 一方、厚生労働省が同日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)も0.44倍と前月から0.02ポイント下がり、過去最低を更新しました。


■ 新型インフルエンザによる需要減少も対象に ■
  -雇用調整助成金など-

 厚生労働省はこのほど、雇用調整助成金と中小企業緊急雇用安定助成金の支給要件について、休業などを行う理由が新型インフルエンザの発生や感染拡大の影響で、客数や受注量などが減少した場合も対象とする特例措置を設けました。
 この特例では、生産量(または売上げ)減少の比較対象期間についても、直近の「3ヵ月間の平均」から「1ヵ月」に緩和。また、新型インフルエンザの国内発生が確認された今年5月16日まで遡って支給申請をすることができるようになりました。


■ 男女差別で慰謝料支払い命令 ■
  -東京地裁が不当な扱いを認める-

 男女差別的な人事制度で不当な扱いを受けたとして、大手石油元売り会社(東京都)の女性社員ら12人が、男性社員との賃金の差額など計約5億5000万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は6月29日、同社に慰謝料など計約5000万円の支払いを命じました。
 裁判長は、同社で平成12年まで採用されていた職能資格制度について、実質的な男女別基準で昇格を管理していたと指摘。違法な男女差別があったことを認めました。
 また、新しい人事制度が始まった同年以降も、男女間の昇格に旧制度の影響が残っていたと述べましたが、原告側が求めていた賃金の差額については、比較対照する同等の男性社員がいないことなどから算定が困難であるとして、訴えを退けました。


■ 雇用保険の基本手当日額の範囲等を引下げ ■
  -緊急雇用安定助成金等の支給額にも影響-

 厚生労働省は、8月1日から雇用保険の基本手当日額の最高・最低額などの範囲を引き下げる告示を行いました。この変更は、毎月勤労統計調査の平成20年度平均給与額が前年度から約0.6%低下したことに連動するもので、雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金において、休業1日(1人)当たりの助成金額は基本手当日額の最高額が限度とされていることから、今回の変更で助成金額にも影響が及ぶ可能性があります。
 今回の主な変更内容は下記のとおりです。
  ■基本手当日額の最高額及び最低額等の引下げ
   (例)受給資格に係る離職の日における年齢が45歳以上60歳未満の場合
          7,730円 ⇒ 7,685円
  ■高年齢雇用継続給付の支給限度額の引下げ
        (1ヵ月)337,343円 ⇒ 335,316円

割増賃金率引上げの対象となる時間外労働 -改正労働基準法のポイント-

割増賃金率引上げの対象となる時間外労働 -改正労働基準法のポイント-

 「改正労働基準法」が平成22年4月1日から施行されます。今回はおよそ6年ぶりの改正で、

①時間外労働の法定割増賃金率の引上げ、
②年次有給休暇の時間単位付与、
③特別条項付き協定で定める事項の見直し、

などが主な改正内容となっています。
 今号より、数回にわたって改正事項のポイントを詳しくお伝えします。

★1ヵ月60時間超の時間外労働が引上げ対象
 今回の改正は、長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や、仕事と生活の調和を図ることが大きな目的となっています。
 そこで、現行法令で「2割5分以上」と定められている時間外労働の割増賃金率について、1ヵ月に60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働については「5割以上」の率に引き上げられます。ただし改正法で定める中小事業主(下表参照)の事業については、当分の間、法定割増賃金率の引上げの適用が猶予され、施行から3年経過後に改めて検討することとされています。
 また、1ヵ月60時間を超える時間外労働について、労使協定により割増賃金の支払いに代えて通常の労働時間の賃金が支払われる有給の休暇を付与することができます。(次号で詳細)
 ここでいう「1ヵ月」とは、暦での1ヵ月のことをいい、その起算日は、毎月1日、賃金計算期間の初日、時間外労働協定における一定期間の起算日などとすることが考えられますが、起算日は「賃金の決定、計算及び支払いの方法」として就業規則に記載する必要があります。そして、1ヵ月の起算日から時間外労働時間を累計して、60時間に達した時点より後に行われた時間外労働が5割以上の率で計算した割増賃金の支払いの対象となります。
割増賃金率の引上げが猶予される中小事業主の範囲 (改正労基法第138条)


★休日労働との関係
 いわゆる法定休日(週1回または4週間4日の休日)における労働については、現行法で「3割5分以上」の割増賃金率が適用されますが、法定休日以外の休日における労働は時間外労働に該当するため、残業などの時間外労働と同じように「60時間]の算定対象に含めなければなりません。
 したがって、就業規則などにより、事業場の休日について法定休日と法定休日以外の休日の別を明確にしておくことが望ましいでしょう。

★深夜労働との関係
 深夜労働(原則午後10時から午前5時)については、現行法で「2割5分以上」の割増賃金率が適用され、時間外労働が深夜に及んだ場合は、時間外労働の「2割5分以上」と合わせて「5割以上」の割増賃金の支払いが必要となっています。
 今回の改正により、深夜労働のうち、1ヵ月について60時間に達した時点より後に行われた時間外労働であるものについては、深夜労働の法定割増賃金率と60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率とが合算され、「7割5分以上」の割増賃金の支払いが必要となります。
 ただし、前記の中小事業主の事業については、当分の間、1ヵ月について60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率の引上げが猶予されていることから、現行どおりの割増賃金率が適用されます。

■教育訓練は「選抜者重視」が増加  -平成20年度能力開発基本調査

■教育訓練は「選抜者重視」が増加  -平成20年度能力開発基本調査
 このほど厚生労働省が発表した「平成20年度能力開発基本調査」によれば、企業が教育訓練の対象として、選抜した労働者の能力を高めることと、労働者全体の能力を高めることのどちらを重視しているかをみると、2年前(平成18年度)の前々回調査に比べ、正社員、非正社員ともに前者が10ポイント以上も増加したことが分かりました。

企業調査
★従業員に対する能力開発の方針★

《「企業の責任」か「労働者個人の責任」か》
 正社員に対する能力開発について、「企業の責任」とする企業割合は64.2%(前々回調査69.6%)、「労働者個人の責任」は35.9%(同30.5%)であった。
 一方、非正社員の能力開発について、「企業の責任」とする企業割合は52.1%(同54.1%)、「労働者個人の責任」は47.9%(同45.9%)であった。
 今後については、正社員、非正社員ともに「企業の責任」とする企業割合が高くなり、正社員では73.4%、非正社員では59.3%となっている。

《「選抜重視」か「全体重視」か》 (下図参照)
 正社員に対する教育方針について、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合は59.5%(前々回47.2%)、「労働者全体の能力を高める教育訓練」は40.4%(同52.9%)であった。重視する教育訓練対象の範囲
 一方、非正社員に対する教育方針について、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合は54.1%(同39.7%)、「労働者全体の能力を高める教育訓練」は46.0%(同60.3%)であった。
 今後の方向付けをみると、正社員、非正社員ともに「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業割合が高くなり、正社員では50.6%、非正社員では52.8%となっている。

《「外部・アウトソーシング」か「社内」か》
 正社員に対する教育訓練の方法について、「社内で実施する教育訓練」を重視する企業割合は54.4%(前々回56.4%)、「外部・アウトソーシングを活用した教育訓練」は45.6%(同43.7%)であった。
 一方、非正社員に対する教育訓練の方法について、「社内で実施する教育訓練」を重視する企業割合は71.9%(同70.0%)、「外部・アウトソーシングを活用した教育訓練」は28.0%(同30.0%)であった。
 今後の方向付けをみると、正社員、非正社員ともにほぼ横ばいとなっている。

事業所調査
★教育訓練の実施状況★

《OFF-JT※の実施状況》
 正社員に対して、平成19年度にOFF-JTを実施した事業所割合は76.6%(前回調査77.2%)で、業種別では電気・ガス・熱供給・水道業(93.5%)、学術研究、専門・技術サービス業(88.8%)、金融業、保険業(88.1%)で高く、不動産業、物品賃貸業(67.5%)、宿泊業、飲食サービス業(67.8%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対してOFF-JTを実施した事業所割合は35.0%(同40.9%)と正社員に比べると低い水準にとどまり、業種別では医療、福祉(71.3%)、金融業、保険業(58.9%)で高く、電気・ガス・熱供給・水道業(94.0%)、不動産業、物品賃貸業(24.0%)で低くなっており、正社員に比べて業種間での違いが大きい。

※通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)


《計画的なOJT※の実施状況》 (下図参照)
 正社員に対して、平成19年度に計画的なOJTを実施した事業所割合は59.4%(前回45.6%)で、業種別では金融業、保険業(92.2%)、電気・ガス・熱供給・水道業(86.2%)、学術研究、専門・技術サービス業(72.5%)で高く、不動産業、物品賃貸業(43.0%)、宿泊業、飲食サービス業(48.6%)で低くなっている。
計画的なOJTを実施した事業所

 一方、非正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所割合は23.8%(前回18.3%)と正社員に比べると低い水準にとどまり、業種別では医療、福祉(46.3%)、金融業、保険業(42.3%)で高く、建設業(11.3%)、情報通信業(14.1%)で低くなっている。

※日常の業務に就きながら行われる教育訓練のことで、計画書を作成するなどして段階的・継続的に実施するもの

★人材育成に関する問題★

 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所割合は72.1%(前回77.3%)で、その内容(複数回答)としては、「指導する人材が不足している」(49.6%)と「人材育成を行う時間がない」(47.2%)が高く、以下、「人材を育成しても辞めてしまう」(38.7%)、「鍛えがいのある人材が集まらない」(30.3%)と続いている。

事業場外資源によるケア -職場のメンタルヘルスケア

■事業場外資源によるケア
 職場におけるメンタルヘルスケアを行う上で、事業場内の産業保健スタッフによる相談体制を確立することが重要ですが、一方で、事業場の抱える問題や求めるサービスに応じて、メンタルヘルスケアに関し専門的な知識が必要な場合や、労働者が相談内容などを事業場に知られることを望まないような場合には、事業場外資源を活用して、メンタルヘルスについての知識や、専門家からの助言などを得られるようにしておくことが大切です。

■ 事業場外資源とは ■
 事業場外資源とは、精神科医療機関や地域の保健サービスを行う機関など、心の健康づくりを支援する機関や人的資源をいいます。(下表参照)

職場のメンタルヘルスで活用できる主な事業場外資源
○地域産業保健センター
○都道府県産業保健推進センター
○精神科、心療内科等の医療機関
○労働衛生コンサルタント、産業カウンセラー、臨床心理士等
○労災病院
○精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター等
○中央労働災害防止協会

 各事業場外資源の役割や提供するサービスの内容は様々ですが、とくに、地域産業保健センターは、心の健康に関する相談の実施、専門スタッフの紹介、必要な情報提供など、小規模事業場の労働者や事業者に対する産業保健サービスの提供を中心に行っています。
 したがって、産業医や衛生委員会の選任義務のない労働者数50人未満の小規模事業場においては、地域産業保健センターの支援を受けることは有効といえるでしょう。

■ ネットワークの形成 ■
 こうした事業場外資源の活用にあたっては、これに依存し過ぎることにより、事業者がメンタルヘルスケアの推進について主体性を失わないように留意しなくてはなりません。
 したがって、事業場内のメンタルヘルス推進担当者は事業場外資源が主催する研修会へ積極的に参加して知識を得るとともに、窓口となって必要な情報提供や肋言を受けるなど、円滑な連携のためのネットワークを目頃から形成しておくことも重要といえます。
 また、専門の医療機関を決めておき、実際にメンタルヘルス不調者が出た場合には、速やかに相談、受診させることができるように連携しておくことも必要となるでしょう。

■ 家族との連携 ■
 メンタルヘルス不調者のなかには、医療機関への相談や受診などを希望しない人も少なくありません。また、家庭生活の問題をきっかけにメンタルヘルス不調に陥る場合もあります。このようなときには、家族に対する助言や支援が心の健康の回復につながる場合もあります。
 具体的には、明らかに治療が必要なケースで本人が受診を拒むときは、家族側とも連携して本人を説得することや、家族が不調の原因について心当たりがあるようなときには、家族を通じての相談や各機関からの支援が行われるように配慮することなどが考えられます。

出産手当金と傷病手当金・・・ -出産・育児の社会保険手続きガイド

出産・育児の社会保険手続きガイド

★出産手当金と傷病手当金は、同時にもらえない?

◆<相談者>現在妊娠7ヵ月目の当社の事務員が、1週間前に医師の診断により切迫早産の恐れがあるということで、自宅で安静にしています。
 本人から傷病手当金を請求したいという申し出がありましたが、このまま早期に出産となったとき出産手当金はもらえますか?
 その場合、傷病手当金と両方もらえるのでしようか?

◆解 説◆
支給対象の「分娩」とは

 健康保険の支給対象となる「分娩」とは、妊娠4ヵ月を超えるものをいい、出産、死産、流産、早産を問いません。
 また、4ヵ月を超える妊娠とは、妊娠1ヵ月を28日間として計算し、3ヵ月を超えて4ヵ月目に入った妊娠をさします。したがって、28×3=84日を超えた日、つまり、妊娠85日以後であれば早産であっても、出産育児一時金や出産手当金の対象となります。

傷病手当金との調整
 傷病手当会は、病気やケガの治療や療養のため連続して3日以上仕事につくことができない場合に、4日目から支給の対象となります。支給期間は、同一の疾病または負傷などにつき、支給開始の日から起算して1年6ヵ月を限度とします。妊娠悪阻や切迫流産、切迫早産などで医師から安静を指示された場合なども、仕事につくことができませんので、傷病手当金の対象となります。
 一方、出産手当金は、出産の日(出産が予定日後であるときは、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間において、仕事につかなかった期間が対象となります。

出産手当金と傷病手当金の調整

 さて、今回の相談は傷病手当金と出産手当金の両方がもらえるのかということですが、支給対象となる日が重なったときは、出産手当金が優先して支給され、その間傷病手当金は支給されないことになっています。いずれの手当金も、支給額は一日当たり標準報酬日額の3分の2で、報酬(給与)に代わる生活保障としての性格を持つので、重複して支給されることはありません。

傷病手当金が先に支給されたときは
 切迫早産の場合、出産予定日の42日より前に出産することが考えられますので、傷病手当金をすでに請求(または支給)したあとで、結果的にその請求(支給)期間が出産手当金の支給対象期間と重なることがあります。
 この場合のように、出産手当金の支給対象期間に傷病手当金が先に支給されてしまったときには、出産手当金の「内払い」とみなされ、その額だけ出産手当金の額が減額されることになります。

熱中症予防対策 -従業員を熱中症から守りましょう

職場における熱中症予防対策
■従業員を「熱中症」から守りましょう■

 気温の高い夏季には熱中症※が多く発生し、職場での熱中症による死亡者数は過去10年間で合計193人に上っています。
 そこで、夏本番を迎え暑さが厳しさを増す折、今号では厚生労働省のマニュアルから、職場における熱中症予防対策のポイントをご紹介します。
※熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻する等して発症する障害の総称で、めまい・失神、頭痛・気分の不快・吐き気・謳吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害等の症状が現れる。

★作業環境管理★

《WBGT値※の低減等》
◆署さ指数であるWBGT基準値を超えまたは超えるおそれのある作業場所(以下単に「高温多湿作業場所」という。)においては熱を遮る遮へい物、直射日光・照り返しを遮ることができる簡易な屋根、通風・冷房の設備の設置等に努めること。

※WBGT値とは、気温だけでなく湿度、風速、放射熱、作業服の熱特性、身体作業強度を考慮した暑熱ストレスの評価を行う指数で、作業場所にWBGT測定器を設置する等により、値を求めることができる。

《休憩場所の整備等》
◆高温多湿作業場所の近隣に、冷房を備えた休憩場所または日陰等の涼しい休憩場所を設けるよう努めること。
◆高温多湿作業場所またはその近隣に氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことのできる物品及び設備を設けるよう努めること。
◆水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行えるよう、高温多湿作業場所に飲料水の備付け等を行うよう努めること。

《作業時間の短縮等》
◆以下の対策等を作業の状況等に応じて実施するよう努めること。

・作業の休止時間及び休憩時間を確保し、 高温多湿作業場所の作業を連続して行う時間を短縮すること。
・身体作業強度が高い作業を避けること。
・作業場所を変更すること。

《熱への順化》
◆計画的に、熱への順化期間を設けることが望ましい。
例:作業を行う者が順化していない状態から7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くする等。

《水分及び塩分の摂取》
◆自覚症状の有無にかかわらない水分及び塩分の作業前後、作業中の定期的な摂取を指導すること。摂取を確認する表の作成等により、定期的な水分及び塩分の摂取の徹底を図ること。

《服装等》
◆熱を吸収し、または保熱しやすい服装は避け、透湿性及び通気性の良い服装をさせること。
◆直射日光下では通気性の良い帽子等を着用させること。

《作業中の巡視》
◆定期的な水分及び塩分の摂取に係る確認を行うとともに、労働者の健康状態を確認し、熱中症を疑わせる兆候が現れた場合には速やかな作業の中断その他必要な措置を講ずること等を目的に、高温多湿作業場所の作業中は巡視を頻繁に行うこと。

 このほか同マニュアルでは、糖尿病、高血圧症等が熱中症の発症リスクを高めるおそれがあることから、健康診断の実施やその結果に基づく対応等、日頃から健康管理の徹底を図る必要があるとしています。

雇用調整助成金等を再拡充 ほかニュース

■ 7月1日~7日 全国安全週間 ■

スローガン   ※定着させよう「安全文化」 つみ取ろう職場の危険※

  「人命尊重」という崇高な基本理念の下、昭和3年に初めて実施されて以来、今年で82回目を迎える全国安全週間は、7月1日から7日までの一週間にわたって行われます。
 わが国の労働災害による被災者数は長期的には減少傾向にあり、平成20年の死亡者数は過去最少を更新したものの、今なお1,200人を超える尊い命が失われており、一度に多くの労働者が被災する重大災害も依然として高い水準にあります。

 一方で、景気は急速な悪化が続いており、企業における労働災害防止対策に係る活動が停滞することも懸念されます。
 このような中、労働災害の一層の減少を図るためには、職場から機械設備、作業などによる危険をなくしていくことや、職業生活全般を通じた安全教育の徹底を図ることなどにより「労働者の安全と健康を最優先する企業文化」である「安全文化」を定着させることが不可欠との観点から、右記スローガンの下に展開されます。


■ 算定基礎届の提出 ■  ★健康保険・厚生年金保険★
 7月に入ると10日までに健康保険・厚生年金保険の「被保険
者報酬月額算定基礎届」を提出することになっています。
 6月の給与計算が一段落したところで、報酬額の計算ができ
るよう、ご協力をお願いいたします。


■ 雇用調整助成金等を再拡充 ■    半日単位の教育訓練も対象に・・

 平成21年度第1次補正予算の成立を受けて、厚生労働省は雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象などを見直し、6月8日から実施しています。
 助成の対象となる教育訓練については、これまでは全日行われるものが対象となっていましたが、事業所内における訓練については、半日単位の実施も可能となりました。
 また、当初1年間の支給限度日数枠(200日)が撤廃されたほか、障害のある人に係る助成率が引き上げられるなどの見直しも行われています。


■ 出生率上昇でも人口減少は加速 ■  合計特殊出生率は 1.37

 厚生労働省の人口動態統計によると、平成20年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数)は1.37で、前年より0.03ポイント上昇したことが分かりました。
 出生率は、過去最低だった平成17年(1.26)を底に3年連続の上昇ですが、母親の年齢別(5歳ごとの階層)にみた出生数では、増加したのは35歳以上の各階層で、20歳~34歳の各階層では減少。全体の出生数は前年比で1,332人の増加にとどまっています。
 また、出生数から死亡数を差し引いた「人口の自然増減数」は51,317人のマイナスとなっており、前年(マイナス18,516人)を大幅に上回り、人口減少ペースが加速していることがうかがえます。


■ 労災死者数が過去最少を更新 ■  平成20年の死亡災害発生状況

 厚生労働省のまとめによると、平成20年の労働災害による死亡者数は1,268入と前年より99人(6.6%)減少し、過去最少を更新しています。
 業種別にみると、建設業が430人と最も多く、全体の33.9%を占めていて、次いで、製造業(260人)、陸上貨物運送事業148人)などとなっています。
 事故の型別にみると、建設業では「墜落・転落」、製造業では「はさまれ・巻き込まれ」、陸上貨物運送事業では「交通事故(道路)」の占める割合がそれぞれ高くなっています。


■ 連続夜勤でうつ病、会社に賠償命令 ■  東京地裁が因果関係を認める

 連続する深夜勤務が原因でうつ病を発症したとして、郵便事業会社(前身は日本郵政公社)の男性社員二人が同社に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は5月18日、発症と連続深夜勤務との因果関係を認め、会社側に安全配慮義務違反があったとして計約130万円
の損害賠償を命じました。
 同社員らは、深夜勤務を終えた日の夜から再び勤務できるように変更された就業規則についても、生存権を定めた憲法に違反すると訴えていましたが、裁判長は「会社側と労働組合との間の協約で合意され、ほかの民間企業の状況に照らしても時間や実施回数などが過重とはいえない」として、主張を退けました。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア -職場のメンタルヘルスケア

 職場のメンタルヘルスケアにおいては、ストレス要因の除去または軽減などの予防策が重要ですが、万一、メンタルヘルス不調に陥った労働者が出た場合に、その早期発見と適切な対応を図るため、管理監督者と協力してケアに当たる専門スタッフを設置することも重要です。

 ■ 事業場内産業保健スタッフの主な役割 ■
 産業医や保健師、衛生管理者(推進者)、安全衛生推進者や人事労務管理スタッフ、さらには事業場内の心の健康づくり専門スタッフなどをあわせて「事業場内産業保健スタッフ等」と言います。
 事業場内産業保健スタッフ等によるケアとしては、労働者に対する「セルフケア」や管理監督者に対する「ラインによるケア」に関しての教育研修や情報提供をけじめとして、相談への対応、職場環境の把握・改善や職場復帰の支援などがあります。このうち特に重要な役割を担っているのが、相談への対応と職場環境の把握・改善です。

 ■ 相談への対応 ■
 産業医や保健師等は、労働者自身や管理監督者からメンタルヘルス不調に関する相談があったときは、管理監督者と協力して、専門的な立場から適切な保健指導などを行うとともに、相談などから把握した情報を基に、必要に応じて事業場外の医療機関への相談や受診を促します。
 小規模で、産業医や保健師等のスタッフが設置できない事業場であっても、相談を受けた場合には、状況により専門の医療機関への相談や受診を促すことが必要となるでしょう。また、地域産業保健センターなどの事業場外資源の支援を活用することも有効です。

 ■ 職場環境の把握と改善 ■
 事業場内産業保健スタッフ等は、定期的または必要のつど、職場内にストレス要因があるかどうかを調べます。具体的には、職場内を巡視する、管理監督者・労働者から聴き取りを行う、専門の調査票を活用して問題点を把握する、などです。
 そのうえで、管理監督者に職場環境などの改善を助言したり、管理監督者と協力して改善するように努めます。また、必要に応じ、事業者に対して改善を助言します。
 例えば、ある部署で仕事のコントロールがうまく機能していなくて、負担が大きくなり、常に労働者が疲労感や不安感などを持っていることが認められる場合、勤務スケジュールや役割分担の見直しなどによって、ストレス要因を軽減するように改善または助言を行います。

 ■ 人事労務管理スタッフによる対処 ■
 労働者の心の健康は、人事労務管理に関連した要因によって大きな影響を受けることもありますので、メンタルヘルスケアには、人事労務管理スタッフの役割は重要だと言えます。
 特に配置転換や組織の再編成などがあったときは、メンタルヘルス不調に陥りやすくなるので、こうした人事労務管理上のシステムが心の健康にマイナスの影響を及ぼさないように、労働時間などの労働条件の改善や適正配置に配慮することが大切です。
 また、メンクルヘルスケアを進めるに当たっては、健康情報を含む労働者の個人情報の保護が重要です。人事労務管理スタッフは、労働者が安心してメンタルヘルスケアに参加できるよう、心の健康に関する情報の収集や利用に当たって、労働者の個人情報の保護への配慮を十分に行っていくことが求められます。

★「整理解雇」に関する相談が倍増★

  08年度「個別労働紛争解決制度」の施行状況

 厚生労働省の発表によると、労働者と企業とのトラブルを、裁判に持ち込むことなく迅速に解決するための「個別労働紛争解決制度」に基づく民事上の個別労働紛争に関する相談件数が、2008年度は前年度に比べ19.8%増の236,993件と過去最多を更新したことが分かりました。
 経済・雇用情勢の急速な悪化を反映して、「整理解雇」に関する相談が前年度の2倍以上になるとともに、派遣労働者と期間契約社員からの相談がいずれも4割あまり増えています。

 ■ 相談受付状況 ■
 労働問題に関するあらゆる相談にワンストップで対応するため各都道府県労働局、労働基準監督署内等に開設されている総合労働相談コーナーに08年度一年間に寄せられた相談件数は、前年度比7.8%増の1,075,021件であった。
 このうち、労働関係法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる民事上の個別労働紛争に関するものが同19.8%増の6,993件で、08年度は増加件数が拡大した。(下図参照)
民事上の個別労働紛争相談件数の推移

 また、民事上の個別労働紛争に関する相談は、労働者(求職者)からのものが190,720件(80.5%)と大半を占めており、事業主からは29,541件(12.5%)であった。
 なお、相談した労働者の就労状況は、正社員が46.0%と最も多いが、パート・アルバイトが16.3%、派遣労働者が8.3%、期間契約社員も8.3%を占めており、前年度と比較すると派遣労働者、期間契約社員の割合が増加した。

 【主な相談内容】
 民事上の個別労働紛争の主な相談内容は、解雇に関するものが67,230件(25.0%)と最も多く、労働条件の引下げ35,194件(13.1%)、いじめ・嫌がらせ32,242件(12.0%)と続いている。(下図参照)
民事上の個別労働紛争相談内容の内訳
 なお、解雇に関する相談の内訳を見ると、整理解雇に関するものの伸びが著しい。

 ■ 都道府県労働局長による助言・指導 ■
 労働局長による助言・指導の申し出を受け付けた件数は7,592件で、前年度比14.1%の増加となった。
 このうち、労働者からの申し出が98.7%と大半を占めるが、事業主からも100件(1.3%)あった。

 【主な内容】
 助言・指導の申し出の主な内容は、解雇に関するものが25.1%と最も多く、いじめ・嫌がらせ12.7%、労働条件の引下げ10.5%と続いている。

 【助言・指導の処理状況】
 申し出を受け付けた事案について、手続きを終了した件数は7,546件で、このうち、助言・指導を実施したのは7,346件(97.3%)、申し出が取り下げられたのは135件(1.8%)、処理を打ち切ったのは38件(0.5%)となった。

 《いじめ・嫌がらせに係る助言・指導の例》
 直属の上司から業務指示と称して暴言等を受け出勤が困難な状況にあるため、事業場の責任者に職場環境について相談したが改善が見られないことから、このような職場環境の改善を求めて労働局長の助言・指導を申し出たケース。

客観的に状況が判断できる人事担当責任者に、パワーハラスメントに関しての法的整理を説明し、それを踏まえて話し合うよう助言・指導した結果、申出人と会社との話し合いにより、職場環境の改善がなされた。

 ■ 紛争調整委員会によるあっせん ■
 労働問題の専門家である弁護士、大学教授等からなる紛争調整委員会があっせんの申請を受理した件数は8,457件で、前年度比18.3%の増加となった。
 このうち、労働者からの申請が98.4%と大半を占めるが、事業主からも128件(1.5%)、労使双方からも9件(0.1%)あった。

 【主な内容】
 あっせん申請の主な内容は、解雇に関するものが39.6%と最も多く、いじめ・嫌がらせ15.2%、労働条件の引下げ8.5%と続いている。

 【あっせんの処理状況】
 申請を受理した事案について、手続きを終了した件数は7,920件で、このうち、合意が成立したのは2,647件(33.4%)、申請者の都合により申請が取り下げられたのは587件(7.4%)、紛争当事者の一方が手続きに参加しない等の理由により、あっせんを打ち切ったのは4,654件(58.8%)となった。

 《退職勧奨に係るあっせんの例》
 上司から会社の退職募集に応募するよう度重なる勧奨を受けたが、退職募集に応募する意思がない旨回答したところ、「応じないのであれば仕事はない。」と通告され、退職を余儀なくされた。そのため、上司の過度な退職勧奨により生じた精神的苦痛および経済的損失に対する補償を求めてあっせんを申請したケース。

双方の主張を確かめ、当事者間の調整を行った結果、解決金を支払うことで双方の合意が成立した。

法定内残業手当は、割増賃金の基礎になるか? (そこが知りたい労使問題)

 ◆質 問◆ 
 当社は所定労働時間が午前9時始業、午後5時終業(休憩1時間)の7時間ですが、工場内の整理整頓などで残務的な仕事もあります。
 従業員との話し合いで午後6時までの1時間については、残業の有無にかかわらず所定労働時間(7時間)で換算した賃金を基準として定額を「勤務手当」の名称で一律支給し、1日8時間を超える場合には、その時間については25%割増の賃金を支給しています。
 この場合、午後5時から6時までの1時間に対する「勤務手当」を割増賃金の基礎として含めることになるのでしようか?

 ◆回 答◆
 残業の有無にかかわらず所定労働時間外の1時間(法定内残業)について所定労働時間の賃金を基準として定額で支給している「勤務手当」は「通常の労働時間の賃金」とは認められませんので、割増賃金の基礎には算入されません。


 ◆解 説◆
 労働基準法第37条において、「使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」とされています。
 質問は、いわゆる「法定内残業(実働8時間になるまでの残業で、法定の時間外労働に該当しない残業)」として定額で支給している「勤務手当」について割増賃金の基礎に含めるかどうかとのことですが、通達では次のとおり示されています。

  《法定内残業に対して支払われる手当》(要点抜粋)

1.所定労働時間が1日7時間である事業場において、所定労働時間を超え、法定労働時間に至るまでの所定労働時間外労働に対する賃金として、本給のほかに一定月額の手当を定め個々の労働者が所定労働時間外労働をすると否とにかかわらずこれを支給することは、その手当の金額が不当に低額でない限り差し支えない。

2.前記1の手当は、法第37条にいう通常の労働時間の賃金とは認められないから、同条の規定による割増賃金の基礎に算入しなくても差し支えない。
      (昭29・7・8基発3264  昭63・3・14基発150)

 今回のケースでは、午後5時の終業後午後6時までの1時間については、法定内残業であって、従業員との話し合いのうえ、残業の有無にかかわらず所定労働時間の賃金を基準として一律に支給している勤務手当は、実態は所定労働時間外の手当であり「通常の労働時間の賃金」とは認められませんので、通達どおり、割増賃金算定の基礎に算入しなくても差し支えないということになります。
 なお、従業員との話し合いのうえ決定されていたとしても、今後のトラブル防止のためには、就業規則への記載と社内へ周知されているかどうか再度確認する必要はあるでしょう。

育児休業中に次の出産があるときは?

出産・育児の社会保険手続きガイド

 ◆(相談者)当社の女性従業員は、現在、子が1歳2ヵ月で育児休業を延長し、休業中ですが、2ヵ月後に次の子を出産することになりました。
 この場合、育児休業と産前休業はどちらが優先するのでしようか。また、保険料の免除などはどのようになるのでしょうか?

 ◆解 説◆
産前・産後休業との関係
 「育児・介護休業法」では、労働基準法で定める産前休業(原則6週間)および産後休業(原則8週間)が始まると、育児休業期間は終了することになっています。
 育児休業期間中に次の子の出産がある場合の取扱いについて、育児休業にかかる子を「子A」、次の出産にかかる子を「子B」として、次のケースにあてはめてみます。

 (1) 子Bの出産日以前の取扱い
 産前休業は本人の請求があった場合に認められていますので、子Aにかかる育児休業期間中であっても、子Bにかかる産前休業の請求が行われた場合は、産前休業が開始されます。
 したがって、子Aにかかる育児休業期間は終了し、健康保険料と厚生年金保険料の免除も終了します。また、雇用保険の育児休業基本給付金を受けている場合は、支給は終了します。
 一方、子Bにかかる産前休業の請求がない場合は、出産予定日以前6週間以内であっても、産前休業は開始されません。したがって、子Aにかかる育児休業期間は継続していますので、それに伴う保険料免除は受けられ、育児休業基本給付金も引き続き受けられます。

 (2)子Bの出産後の取扱い
 産後休業は本人からの請求があるなしにかかわらず、事業主が必ず与えなければならないものです。
 産後休業は出産日の翌日より開始されますので、子Bにかかる産前休業を取得せず、子Aにかかる育児休業を継続中で、それに伴う保険料免除や育児休業基本給付金を受けている場合であっても、出産日をもって子Aの育児休業期間は終了します。それに伴って、保険料免除は終了、育児休業基本給付合を受けている場合には、支給も終了します。
 なお、育児休業期間中に産前・産後休業を開始した場合は、事業主は当初の育児休業の終了予定日の前日までに、育児休業を終了した旨を保険者に届け出る必要があります。

 以上のように、産前休業を請求すると必然的に育児休業は終了しますので、保険料免除や育児休業基本給付金の受給のことを考慮すれば、子Bの出産にかかる産前休業を請求せず、出産日まで子Aの育児休業期間とする方が有利といえるでしょう。
産前休業を請求しない場合の保険料免除などの取扱い

改正雇用保険法のポイント③

育児休業給付の改正(平成22年4月1日施行)

2つの給付金の統合
 育児休業給付は、現在、育児休業中に休業開始時賃金の30%(育児休業基本給付金)、職場復帰して6ヵ月経過後に同20%(育児休業者職場復帰給付金)と、分けて支給されています。したがって、職場復帰しても6ヵ月以内に退職した場合、職場復帰給付金は受けることができなくなってしまいます。
 育児休業を取っても、やむを得ない事情で職場復帰が果たせなくなったり、復帰しても6ヵ月以内に退職しなくてはならなかったりする場合もあるでしょう。今の制度では、このような場合に「満額」の給付金が受けられないため、働く人に対する育児休業中の所得保障の観点からは十分機能していないのではないかという指摘もありました。
 そこで、今回の改正では、平成22年4月1日以降に育児休業を開始した人については、2つの給付金がまとめて育児休業中に支給されることになりました(職場復帰給付金は廃止)。つまり、育児休業が終わって職場復帰後6ヵ月経過を待たなくても、従来の職場復帰給付金を含めた額の給付金を受けることができます。

給付率引上げ措置の延長
 現在の職場復帰給付金は、平成22年3月31日までは、本来10%の給付率が暫定的に20%に引き上げられていて、2つの給付金の給付率はあわせて50%となっています。
 今回の改正により、この引上げ期限が平成22年4月1日以降当分の間廷長されることになりました。前記のとおり、2つの給付金は統合されて基本給付金のみとなりますので、統合後の基本給付合の給付率が、現在の30%から50%に変更されることになります。
育児休業給付の給付率と給付方法

子育て期間中の短縮勤務措置を義務化 ほかニュース

★子育て期間中の短縮勤務措置を義務化★
改正育児・介護休業法関連法案を国会に提出

 三歳未満の子を養育する労働者が申請した場合に、原則として残業の免除や勤務時間短縮措置を事業主に義務づけることなどを柱とした「改正育児・介護休業法関連法案」が、4月21日に国会に提出されました。
 このほか、同法案には、父親が育児休業を取得しやすくするための仕組みや、厚生労働大臣の勧告に従わない場合に、企業名の公表を行うなどの罰則規定が新たに設けられています。
 成立すれば、一部を除き、公布の日から一年以内の政令で定める日から施行される予定です。


育児・介護休業法改正案の概要
【時間外労働の制限】
◆三歳未満の子を養育する労働者(*)が請求したときは、原則として時間外労働を免除することを事業主に義務づける。
(*)雇用期間が1年未満の労働者など、厚生労働省令に基づき労使協定で対象外とすることができる者を除く

【勤務時間短縮措置】
◆三歳未満の子を養育する労働者であって、育児休業をしない者(*)に関して勤務時間短縮措置を講じることを事業主に義務づける。
 

(*)以下の労働者を除く
 ①1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定める者

 ②雇用期間が一年未満の労働者など、厚生労働省令に基づき労使協定で対象外とすることができる者

【父親の育児休業取得促進】
◆父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2カ月(現行は原則1歳)までの間に、1年間育児休業を取得可能とする。

◆同一の養育する子について、出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合は、特別の理由がなくても再度申し出ることができるようにする。

◆労使協定で育児休業の対象外にできる労働者のうち、「配偶者が子を養育できる状態である労働者」を廃止する。

【子の看護休暇制度の拡充】
◆子の看護休暇制度について、小学校に入学するまでの養育する子が1人の場合は年に5日まで、2人以上の場合は年に10日まで取得可能とする。(現行は人数にかかわりなく5日まで)

【介護休暇制度の創設】
◆現行の介護休業とは別に、短期の介護休暇制度を設ける。(要介護状態にある対象家族が1人の場合は年に5日まで、2人以上の場合は年に10日まで)

【罰則等の創設】
◆厚生労働大臣の勧告に従わない場合の公表制度、および報告を求めたにもかかわらず報告をせず、または虚偽の報告をした場合の過料を創設する。


★[社会保障カード]、23年度実用化へ★
厚生労働省検討会が報告書

 平成23年度からの実用化を目指す「社会保障カード」(仮称)について、厚生労働省の検討会はこのほど、基本的な計画に関する報告書をまとめました。
 同報告書では、個人の識別についてカードにICチップを組み込んだ「公開鍵暗号方式」を取り入れること、基礎年金番号、健康保険の記号番号などの情報を取り込み、一枚のカードに機能を集約すること、カードを利用して年金記録、レセプト(医療費)などの情報を自宅のパソコンで閲覧できるようにすることなどを盛り込んでいます。


★未払い賃金の立替払額が3年連続増加★
20年度の実施状況まとまる
 厚生労働省は4月30日、平成20年度における未払賃金の立替払事業の実施状況をまとめました。
 立替払事業は、企業倒産により賃金未払のまま退職した労働者に対して、国が事業主に代わって未払賃金の一部を立替払する制度です。
 平成20年度に立替払の対象となった企業数は3,639件(対前年度比8.7%増)、支給者数は54,422人(同6.0%増)、立替払額は248億2.100万円(同6.0%増)といずれも前年度を上回り、立替払額については3年連続で増加しています。
 また、支給者1人当たりの平均立替払額は45万6,000円。企業規模別にみると、労働者数30人未満の企業が全体の85.9%を占めています。


★所定外労働、前年同月比22%減★
3月の毎月勤労統計調査
 厚生労働省が5月1日に発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所が対象)によると、残業など1人平均の所定外労働時間は9.0時間で、前年同月に比べて22.7%減少したことが分かりました。
 20%を超える減少は2ヵ月連続で、とくに製造業は8.8時間でマイナス49.5%とほぼ半減。景気悪化による受注の落ち込みが大きく影響した結果となりました。

  
★労働保険の年度更新★

 平成21年度労働保険(労災保険・雇用保険)の年度更新手続の時期が来ました。
 新年度の概算保険料および前年度の保険料を確定するための申告・納付の手続を行う年に1度の大切な行事ですので、ご協力をお願い致します。

キャリアパスへの配慮ほか -有期雇用ガイドラインのポイント

【キャリアパスへの配慮等(正社員登用)】
 厚生労働省の調査によると、正社員ではなく有期契約で就業している理由として、契約社員や1日の所定労働時間が正社員とほぼ同じパート労働者からの回答では、「正社員になりたいが正社員として働ける職場がない」とする割合が高くなっています。
 働き方が多様化し、有期契約労働者は必ずしも正社員登用を希望しているのではありませんが、ニーズに応じて、希望する人には正社員として登用される機会が与えられることが、有期契約労働者のモチベーション向上につながるという考え方もあります。
 ガイドラインではパート労働法における定めを踏まえ、通常の労働者(正社員)への転換を推進するため、その雇用する有期契約労働者について、次のいずれかの措置を講ずることを事業主に求めています。

①通常の労働者の募集を行う場合にその業務内容、賃金、労働時間等の募集条件を事業所に掲示するなど、有期契約労働者にも周知すること。

②通常の労働者の配置を新たに行う場合に当該配置の希望を申し出る機会を、有期契約労働者にも与えること。

③有期契約労働者から通常の労働者への転換のための試験制度を設けるなどの措置を講ずること。

【教育訓練・能力開発の機会の付与】
 同省の調査によると、職業能力開発については契約社員の7割以上が意欲を示していて、正社員とほぼ同じ水準にあります。 しかし、計画的なOJT(仕事のなかで知識や技術を習得させる訓練)を実施した事業所割合は非正社員では正社員の約4割に過ぎず、非正社員の自己啓発を支援した割合も正社員の6割程度であるなど、能力開発の面で格差が生じているのが現状となっています。
 ガイドラインではこうした実態を踏まえて、事業主は通常の労働者に対して実施する教育訓練で、職務の遂行に必要なものについては、職務の内容が同じ有期契約労働者に対しても実施するべきだと
しています。また、そのほかにも、通常の労働者との均衡を考慮して、職務の内容、職務の成果意欲、能力及び経験などに応じ、有期契約労働者に対しても教育訓練を実施するように努めるべきだとしています。

【法令の遵守等】
 労働基準法をはじめ労働者を保護する法令は、通常の労働者だけではなく、有期契約労働者についても適用されます。事業主はこのことを認識して法令を遵守するとともに、就業規則や締結した各労使協定などを、一定の方法により有期契約労働者にも周知させなければならないとしています。
 特に、労働安全衛生法においては、雇入れ時または作業内容を変更した場合に、その従事する業務に関する安全衛生教育を行わなければなりません。さらに、危険または有害な業務に就かせるときは、特別な安全衛生教育を行う必要があります。
 また、有期契約労働者の就業の状況などを踏まえたうえで、基準に照らして加入の必要かある場合には、雇用保険などに加入させなければなりません。

「仕事のやりがい」に企業規模は関係なし

-09年版中小企業白書-

 今月は、政府がこのほど閣議決定した2009年版の「中小企業白書」から、「中小企業の雇用動向と人材の確保・育成」の項を抜粋して掲載しました。
 その中では、大企業と中小企業で仕事のやりがいにはほとんど差がないとした上で、中小企業は小さい組織を活かし、経営者と従業員のコミュニケーションを高めることにより、従業員の意欲と能力を向上させていくことが重要だとしています。
 なお、同白書は複数の省庁の調査等を基に構成されていますが、紙面の都合上、それらの表記を割愛しています。

■中小企業における雇用動向等■
《雇用情勢の悪化と雇用調整等》
 08年度は、中小企業にとって経営環境が急激に悪化し、それに伴って雇用情勢も一段と厳しさを増した一年であった。
 08年10月時点の中小企業における雇用形態別の雇用過不足感は、3ヶ月前の7月時点と比較して、特に「派遣社員」については過剰感が大きく増加しており、「正社員」や「契約社員・パート等」でも過剰感が強まっている。
 このような状況の中、多くは人件費以外の経費削減により対応している一方で、賃金調整・雇用調整を行っている中小企業も約2割あり、その内容を見ると、多くはボーナスの切り下げ等といった賃金調整や残業規制等で対応している。(下図参照)
賃金調整または雇用調整の実施状況

《雇用のミスマッチ》
 サービス業や小売業では比較的雇用の過剰感・不足感が同程度である一方で、製造業や卸売業では過剰感が不足感を大きく上回っているなど、業種間でミスマッチが生じている。
 また、一般事務の職業」といった職業で過剰となっている一方、技術者や医療福祉関係の専門的な職業で人員が不足しているといったミスマッチも生じている。

《労働移動の状況》
 過去5年以内に仕事をやめ、現在は別の職場で働いている人の移動状況を見ると、中小企業の正社員から中小企業の正社員への移動が最も多くなっているが、「情報通信業」では、他の業種と比較して大企業から中小企業に移動する割合が高くなっている。

■中小企業で働く人材の仕事のやりがい■
《仕事のやりがいの現状》
 大企業と中小企業の正社員に「仕事のやりがい」について尋ねたところ、大企業の従業員の方が仕事のやりがいを感じている者が若干多いが、中小企業でもやりがいを感じている者は多く、大企業と比べて遜色はないことが分かった。
 また、同じ企業での勤続年数が10年以上の正社員に対して、過去10年前に比べて仕事のやりがいがどのように変化したか尋ねたところ、中小企業の従業員の方が仕事のやりがいが「大きくなっている」と回答した割合が高かった。

《仕事のやりがいと企業業績との関係》
 中小企業のうち、10年前に比べて従業員の満足度が向上したと考えている企業に対して、満足度の向上がどのような効果をもたらしているか調査したところ、「従業員の定着率の向上」を挙げる企業が最も多く、次に「生産性の向上」や「顧客満足度の向上」を挙げる企業が多かった。
 このことから、中小企業において、仕事のやりがいに対する従業員の満足度を向上させることは、従業員の定着率や生産性の向上を通じて、その企業の業績にプラスの効果をもたらすと考えられる。


■経営者と従業員のコミュニケーションの現状■
中小企業の場合、従業員数が少ないことから、経営者と従業員の間で直接コミュニケーションを行うことが大企業に比べて容易と推察される。
 その具体的な取組として、「経営方針、事業計画等を従業員に説明する場(朝礼その他の場)を設けている」を挙げる企業の割合が最も高い。
 そして、この取組や「社内報、社内メール、社内イントラネット等で経営者が経営方針等を説明している」、「従業員からの提案制度を導入している」といった取組は、従業員規模の小さな企業ほど実施されていないという傾向が見られる。
 他方、「個々の従業員が社長等の経営トップと直接面談する機会を設けている」と回答した企業の割合は、概ね従業員規模の小さな企業ほど高くなっている。
 こうしたコミュニケーションに中小企業の経営者が意識的・戦略的に取り組むことにより、従業員の仕事のやりがい感を高め、従業員の意欲を引き出すことが重要といえよう。


■中小企業における人材育成の取組状況と課題■
 中小企業における人材育成の取組状況を見ると、「OFF-JT」については従業員規模の小さな企業ほど実施割合が低くなるが、「計画的なOJT」については従業員規模20人以下の企業でも約6割が実施している。(下図参照)
企業における正社員に対する人材育成の実施状況


 また、中小企業が人材育成に取り組む中でどのような課題に直面しているかを見ると、従業員規模にかかわらず、「教育、訓練等に充てる費用や時聞か捻出できない」ことを挙げる企業が最も多い。

ラインによるケア -職場のメンタルヘルスケア

職場のメンタルヘルスケア
★ラインによるケア★
 職場のメンタルヘルスケアにおいては、セルフケア(労働者自身が行うストレスヘの気づきと対処など)が重要であることは言うまでもありません。
 しかし、ストレスの要因には、作業環境、作業方法、労働時間、仕事の量と質、職場の人間関係などがありますので、日常的に労働者と接する現場の管理監督者が行うケアも重要です。
 管理監督者による職場環境の改善や相談などの対応を「ラインによるケア」と言います。

■部下の「変化」への気づき■
 ラインによるケアで最も大切なのは、管理監督者が日頃から部下の様子を観察し、とくに勤怠状況、作業能率、顧客などへの対応、職場内での人間関係などにおいて「変化」が起きていないかどうか気づくことです。(下参照)

   部下の「変化」の例
◆遅刻、早退、欠勤が増える。
◆休みの連絡がない。(無断欠勤がある)
◆仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する。
◆業務の結果がなかなかでてこない。
◆報告や相談、職場での会話がなくなる。(あるいはその逆)
◆表情に活気がなく、動作にも元気がない。(あるいはその逆)
◆不自然な言動が目立つ。話にまとまりがない。
◆ミスや事故が目立つ。
◆服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする。
◆自責の念が強くなる。悲観的になる。

 管理監督者が、こうした変化に速やかに気づくためには、当然ながら、日頃から部下に関心を持って接し、普段の行動パターンや仕事ぶり、人間関係について良く知っておくことが前提となります。

■変化に気づいたら■
 心の健康問題においては、早期発見・早期対応が重要です。部下の変化に気づいたら、何よりもまず、声をかけて直接本人から話を聴くことです。その際、変化の要因がストレスの場合もありますので、より強いストレスを与えないように、批判したり、一方的に改善を促すような言動は慎むべきでしょう。
 また、言動や態度が普段の状態から著しくずれていると感じられたときは、すでに病気の症状が現れていることもありますので、必要に応じて医師など心の健康づくりにおける専門スタッフのところへ受診や相談に行かせる、あるいは管理監督者白身が相談に行くなど、他者とも連携して対応することが望まれます。

■自発的な相談への対応■
 心の健康に関しては、部下から管理監督者に自主的に相談することがあります。このようなときの対応はカウンセリング的な対応となりますので、共感的な態度で臨んだうえで、①聴き役に徹する、②その場で結論を出さない(結論を急がない)、③できるだけ心を解きほぐすなど、十分に配慮しながら、背後にある気持ちや感情を理解することが重要です。
 その後に、適切な情報提供やアドバイスを行う、職場環境の改善に取り組む、必要に応じて受診や相談に行かせる、などの対応につなげます。
 また、このような適切な対応を管理監督者ができるようにするには、事業者が管理監督者に労働者の話を聴く技術を習得する機会を与えることや、メンタルヘルスケアに関する情報を得て、適切なアドバイスが行える体制を整えておくことも必要となるでしょう。

出産・育児と失業給付(雇用保険)

出産・育児の社会保険手続きガイド

 ◆(相談者)妊娠中の当社の女性従業員が、出産を前に自己都合で退職することになりました。
 3年以上雇用保険に加入していますが、出産や育児の間に失業給付を受けることはできるのでしようか?

 ◆解 説◆
【「失業の状態」とは】
 雇用保険の失業給付(基本手当)は、雇用保険に加入し一定以上の被保険者期間(*)がある人が退職し、「失業の状態」にある場合に支給されるものです。
 失業の状態とは、具体的には、ハローワークに出向き、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態のことで、ハローワークからその認定を受けることが必要となります。
 したがって、妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないときなどは失業の状態ではないので、その間に限っては基本手当を受けることができません。
(*)自己都合退職の場合、 退職日以前二年間に賃金支払い基礎日数が11日以上の月が通算12ヵ月以上あること

【受給期間の延長】
 基本手当の受給期間は、原則として、退職した日の翌日から一年間です。しかし、その間に病気やけが、妊娠・出産・育児など一定の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなかった日数だけ受給期間を延長することができます(ただし、延長できる期間は最長で3年間)。
 したがって、受給資格がある人が退職後に出産・育児を控えている場合には、この制度を利用すると良いでしょう。

【延長の手続きは】
 基本手当の受給期間を延長するためには、前記の理由により引き続き働くことができない期聞が30日を経過した日の翌日から1ヵ月以内に、住所または居所を管轄するハローワークに届け出ることが必要です。
 なお、退職後に出産・育児により受給期間の延長を希望する場合は、退職日の翌日から30日を経過した後の1ヵ月以内に届け出ることになります。この期間だと、妊娠時期や体調によっては自分自身でハローワークまで届けに行くことができないこともありますので、延長の申請は代理人や郵送での届け出も認められています。
妊娠・出産・育児等により受給期間を延長する場合

改正雇用保険法のポイント②

雇用保険の適用範囲の拡大
 パートタイマーおよび派遣労働者の雇用保険の適用基準が従来の「1年以上の雇用見込みがあり、かつ1週間当たりの所定労働時間が20時間以上」から、「6ヵ月以上の雇用見込みがあり、かつ1週間当たりの所定労働時間が20時間以上」に緩和されました。

就職促進手当の給付率引上げ等
(再就職した日が、平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間である人が対象)

(1)再就職手当
 基本手当の受給資格がある人が、早期に安定した職業に就いた場合に支給される「再就職手当」の支給要件と給付率が次のように緩和されました。
再就職手当

(2)常用就職支度手当
 基本手当等の受給資格がある人のうち、障害者など就職が困難な人が安定した職業に就いた場合に支給される「常用就職支度手当」の給付率が、30%から40%に引き上げられました。また、再就職した日において40歳未満で、かつ、同一の事業主に雇用保険の一般被保険者として一定期間継続して雇用されたことがない人などが新しく対象となりました。

雇用保険料率の引下げ
(平成21年度のみの措置)
 雇用保険料率について、平成21年度に限り、失業等給付に係る率が1000分の4(労使折半)引き下げられ、以下のとおりになりました。
雇用保険料率(平成21年度のみ)

改正雇用保険法が成立 施行日を3月31日へ前倒し ほか

改正雇用保険法が成立
  施行日を3月31日へ前倒し

 「雇用保険法等の一部を改正する法律」が3月27日、参院本会議で可決、成立しました。
 施行日に関しては、例年、年間失業者の約1割が年度末である3月31日に集中していることを考慮し、一部を除いて、当初案の4月1日から1日前倒しする修正が加えられています。

雇用保険制度の主な改正事項
《適用関係》
○有期契約労働者や派遣労働 者などに配慮し、雇用保険の適用基準である「1年以上の雇用見込み」を「6ヵ月以上の雇用見込み」に緩和し、適用範囲を拡大。

《失業給付等関係》
O労働契約が更新されなかったなどの理由で離職した被保険者について、基本手当の受給資格要件を緩和(被保険者期間「12カ月以上」を「6ヵ月以上」に引き下げ)。また、一定の要件の場合に給付日数を最大60日分延長。

○「再就職手当」「常用就職支度手当」の支給要件の緩和・給付率の引き上げ。

《育児休業給付関係》
 (*平成22年4月1日施行)
○平成22年3月末まで給付率が引き上げられている暫定措置(40%↑50%)を当分の間延長。
○休業中と職場復帰後に分けて支給されている給付を統合し、全額を休業期間中に支給。

《雇用保険料率の引き下げ》
○失業等給付に係る雇用保険料率(労使折半)を、平成21年度に限り下表のとおりとする。
失業等給付に係わる雇用保険料率


★雇用調整助成金などの助成率を引上げ (中小企業は、10分の9に)
 厚生労働省は3月30日、休業や教育訓練、出向などを行うことにより労働者の雇用維持に努力する事業主に対して支給される「雇用調整助成金」(中小企業緊急雇用安定助成金)について、休業等に対する助成率を、大企業は3分の2を4分の3に、中小企業は5分の4を10分の9に引き上げることを決定しました。

★出産育児一時金を4万円引き上げへ  (10月から実施)
 厚生労働省は、緊急少子化対策として、平成21年10月から平成23年3月31日までの間、出産育児一時金を4万円引き上げることを決めました。
 これにより、産科医療補償制度に加入している病院などで分娩した場合には、現在の38万円から42万円に引き上げられます。また、手元にまとまった現金がなくても安心して出産できるようにするため、原則として出産育児一時金は各医療保険者から病院などに直接支払われ
るようになります。

★都道府県別保険料率が決定  (協会けんぽ、9月から適用)
 全国健康保険協会が運営する健康保険の保険料は、平成21年9月から都道府県ごとの保険料率に移行することになっていますが、このほど国の関係政省令に基づいて保険料率が決定しました。
 現在8.2%(労使折半)となっている全国一律の健康保険料率は、最高で8.26%(北海道)、最低で8.15%(長野県)となります。
 都道府県ごとの保険料率は、9月分の保険料(一般の被保険者は10月納付分、任意継続被保険者は9月納付分)から適用となります。(下表を参照)
都道府県別の保険料率


★うつ病や自殺の労災認定基準を見直し  (嫌がらせなど12項目を追加)
 厚生労働省は4月6日、うつ病などの精神疾患や自殺の労災認定基準を改定したことを都道府県労働局長に通達しました。
 職場で起きたストレスの強度を三段階で評価する「心理的負荷評価表」の項目を31項目から43項目に増やし、「ひどい嫌がらせ」「違法行為の強要」「多額の損失を出した」などを追加。総合判定の方法も明確化しました。

年次有給休暇ほか -有期雇用ガイドラインのポイント

いわゆる「契約社員」と言われるような有期契約労働者であっても、一定の要件を満たせば年次有給休暇や育児・介護休業などの法令で定められた休暇が適用されます。

★年次有給休暇
 使用者は、その雇入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、次表の日数の有給休暇を与えなければならないこと。(労働基準法第39条第1項~第3項)年次有給休暇

 「6ヵ月間継続勤務」については、契約期間が6ヵ月を超えている場合はもちろんですが、3ヵ月契約のような短期契約であっても、契約が更新されて6ヵ月を超えて勤務する場合もこれに該当します。また、継続勤務の要件に該当するかどうかについては、勤務の実態に即して判断されるものなので、それぞれの契約期間の終期と始期との間に短期間の間隔を置いたとしても、それだけで当然に継続勤務が中断することにはなりません。
 これは、定年退職による退職者を引き続き嘱託社員などとして期間を定めて再雇用している場合にも該当します。したがって、再雇用であっても実質的に雇用関係が継続している場合には、定年の時に残っていた年次有給休暇の日数は引き継がれることになります。

★育児休業・介護休業
 引き続き雇用された期間が1年以上あり、かつその養育する子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる有期契約労働者から育児休業の申し出があった場合、事業主はその申し出を拒むことはできません。(ただし、子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、契約の更新がないことが明らがである有期契約労働者は除かれます。)
 介護休業の場合も同様で、引き続き雇用された期間が1年以上あり、かつ介護休業開始予定日から起算して93目を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる有期契約労働者からの申し出があった場合、それを拒むことはできません。(ただし、93日を超えて1年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、契約の更新がないことが明らかである有期契約労働者は除かれます。)

★子の看護休暇
 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する有期契約労働者から、病気やケガを負ったその子を看護するために休暇(年5日まで)の申し出があった場合、その申し出を拒むことはできません。

賃金、10年ぶり30万円切る -2008年「賃金構造基本統計調査」

 このほど厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、昨年のフルタイムで働く一般労働者の賃金(6月分の所定内給与額)は前年比0.7%減の29万9,100円で、1998年以来10年ぶりに30万円を割ったことが分かりました。

★一般労働者の賃金

《賃金、前年比》
 08年の賃金は、男女計で29万9,100円、前年比0.7%(2,000円)減となっている。
 これを男女別にみると、男性は33万3,700円(前年比3,000円減)、女性は22万6,100円(同900円増)となっている。

《学歴別にみた賃金》
 男性は大学・大学院卒39万9,600円、高専・短大卒30万6,500円、高校卒29万7,000円となっている。
 女性は大学・大学院卒27万3,500円、高専・短大卒24万3,600円、高校卒20万600円となっている。
 前年と比較すると、男性は高専・短大卒を除く各学歴で下回り、女性は大学・大学院卒を除く各学歴で上回っている。

《企業規模別にみた賃金》
 男性は大企業38万1,800円(前年比3.1%減)、中企業32万4,600円(同1.2%増)、小企業29万4,900円(同0.1%減)、女性は大企業25万1,000円(同0.4%減)、中企業22万5,400円(同1.1%増)、小企業20万7,700円(同0.5%増)となっている。

《産業別にみた賃金》
 男性は金融・保険業(46万3,500円)が高く、次いで教育、学習支援業(42万4,100円)となり、飲食店、宿泊業(27万7,600円)が低くなっている。
 女性は教育、学習支援業(29万4,500円)が高く、次いで情報通信業(27万2,300円)となり、飲食店、宿泊業28万8,400円)が低くなっ
ている。

《雇用形態別にみた賃金》
 男性は正社員35万5,300円(前年比0.6%減)、非正社員22万4,000円(同0.1%減)、女性は正社員24万3,900円(同0.2%増)、非正社員17万500円(同1.0%増)となっている。
 なお、正社員の賃金を100とした場合、非正社員は男性65、女性70にとどまっている。


★短時間労働者の賃金

 一時間当たりの賃金は、男性1,071円(前年比14円減)、女性975円(同13円増)となっている。
 これを主な産業別にみると、男性は医療、福祉1,261円、製造業1,125円、サービス業1,085円、卸売・小売業984円、飲食店、宿泊業932円となっている。
 女性は医療、福祉1,185円、サービス業1,003円、卸売・小売業921円、飲食店、宿泊業905円、製造業876円となっている。

残業削減で雇用を維持する事業主を支援 -助成金

残業削減で雇用を維持する事業主を支援
   残業削減雇用維持奨励金がスタート

 現在の厳しい経営環境下において、残業削減により労働者の雇用の維持を図る事業主を支援するため、このほど新たに「残業削減雇用維持奨励金」が創設されましたので、今号ではその概要をお知らせします。

★残業削減雇用維持奨励金とは
 景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、その雇用する労働者や役務の提供を受けている派遣労働者の雇用の安定を図るため、残業時間を削減して雇用の維持等を行う事業主に助成が行われる制度です。

★支給を受けるには
 本奨励金を受給するためには、労働組合等との間に残業削減に関する書面による協定を締結し、当該書面の写しを添えた残業削減計画届を事前に提出する必要があります。本奨励金の支給は、事業主の指定した対象期間(1年間)の初日から6ヵ月ごとに区分した判定期間ごとに2回に分けて行われ、支給申請期間は当該判定期間の末日の翌日から起算して1ヵ月となります。

★支給を受けることのできる額
 各判定期間の末日時点における有期契約労働者及び役務の提供を受けている派遣労働者1人当たり、判定期間ごとに以下のとおりです。(ただし、上限はそれぞれ100人とし、残業削減計画届の提出日の翌日以降に新たに雇い入れられた人等は対象となりません。)
                        〔有期契約労働者〕   〔派遣労働者〕
   中小企業事業主           15万円(年30万円)  22.5万円(年45万円)
   中小企業事業主以外の事業主  10万円(年20万円)   15万円(年30万円)

★対象となる事業主
 本奨励金は、売上高又は生産量等の指標の最近3ヵ月間の月平均値がその直前の3ヵ月又は前年同期に比べ5%以上減少している事業所(中小企業の場合は直近の決算等の経常損益が赤字であれば5%未満でも可)の事業主に対し、それぞれの判定期間において、以下の支給要件を満たした場合に支給されます。
①判定期間における事業所労働者(事業所の雇用保険被保険者及び事業所に役務の提供を行う派遣労働者)1人1月当たりの残業時間が、比較期間(計画届の提出月の前月又は前々月から遡った6ヵ月間)の平均と比して1/2以上かつ5時間以上削減されていること
②判定期間の末日における事業所労働者数が、比較期間の月平均事業所労働者数と比して4/5以上であること
③計画届の提出日から判定期間の末日までの間に事業所労働者の解雇等(有期契約労働者の雇止め、派遣労働者の事業主都合による中途契約解除等を含む。)をしていないこと

セルフケア -職場のメンタルヘルスケア

セルフケア   職場のメンタルヘルスケア
 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針)では、策定された「心の健康づくり計画」を継続的に実施するにあたって、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に実施することが重要だとしています。

★セルフケア
 セルフケアとは、労働者自らが行うストレスヘの気づきと対処、自発的な健康相談、さらにはストレスの予防をいいます。
 セルフケアで重要なのは、まず1人ひとりの労働者が、「自分の健康は自分で守る」という考え方を理解し、ストレスに対処する知識、技法を身につけ、日常生活の場でそれを積極的に実施できるようにすることです。

【ストレスヘの気づき】
 ストレスを受けているときは、筋肉が固まる、気持ちがイライラして落ち着かない、気分が沈む、などの症状が現れることが多いとされます。こうした症状が現れた場合、通常の「疲れ」からくるものとは違った反応であると認識することが、「気づき」となります。
 そのためには、ストレスに関する調査票や情報端末機器などを活用して、セルフチェックを行える機会を提供することが効果的です。(下表を参照)
職業性ストレス簡易評価ページ 抜粋


【ストレスヘの対処】
 ストレスを軽減・除去する方法としては、まず、日常生活の中でもできる軽い運動をする、休養をとる、十分な睡眠を確保する、趣味などに時間を使う、などがあげられます。
 さらに、自律訓練法や呼吸法、ストレッチングなどのリラクセーション技法を身につけ実践すること、親しい人たちと支援ネットワークなどを作り、サポートを受けられるようにしておくことも役に立つでしょう。

【自発的な健康相談】
 労働者自身だけでは、自分のストレスに気づいたり、対処したりすることが困難な場合があります。そのようなときには、上司、監督者、衛生管理者などの社内の産業保健スタッフ、あるいは保健師や産業医などに、労働者が自主的に相談することが大切です。
 そのためには、メンタルヘルスケアに関する必要な情報やアドバイスが得られる体制作りや、相談が役立つことを労働者に周知させ、自発的に相談しやすくする環境を整えることが鍵となります。