育児・介護休業法の施行状況
事業主からの相談件数が増加
-平成21年度育児・介護休業法の施行状況
このほど厚生労働省が発表した「育児・介護休業法の施行状況」によると、平成21年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられた育児・介護休業法に関する相談件数73,509件のうち49,667件(67.6%)が事業主からの相談となっており、今年6月30日より施行される「改正育児・介護休業法」への関心の高さを反映して、前年度より16,008件増加したことが分かりました。
◆相談受付状況◆
平成21年度に、都道府県労働局雇用均等室に寄せられた育児・介護休業法に関する相談件数は73,509件であった。
その内訳をみると、事業主からのものが49,667件で全体の67.6%を占め、今年6月30日より施行される改正育児・介護休業法の内容等に関する問い合わせが多く寄せられた結果、前年度より16,008件増加し、労働者からのものは9,311件で同1,051件増加している。
【主な相談内容」
相談件数を内容別にみると、育児関係で最も多いのは「育児休業関係」で20,141件、次いで「その他」11,813件、「勤務時間の短縮等の措置関係」10,532件の順となっている。
また、介護関係で最も多いのは「介護休業関係」で5,793件、次いで「その他」4,353件、「勤務時間短縮等の措置関係」3,046件の順となっている。(下表参照)

実際に問題が生じた労働者からの相談内容をみると、育児関係では「休業に係る不利益取扱い関係」が1,657件で最も多く、次いで「育児休業関係」900件、「勤務時間の短縮等の措置関係」572件。介護関係では、件数的には育児関係に比較して少ないが「介護休業関係」が119件で最も多く、次いで「休業に係る不利益取扱い関係」39件となっている。
◆都道府県労働局長による紛争解決援助◆
昨年9月30日よりスタートした育児・介護休業法第52条の4に基づく紛争解決援助の申立を受理した件数は107件で、そのうち女性労働者からのものが99件と大部分を占めている。
申立の内容をみると、「育児休業に係る不利益取扱い関係」が75件で最も多く、次いで「育児休業関係」が11件となっている。
なお、平成21年度中に援助を終了した事案は88件であるが、そのうち75件については都道府県労働局長が助言・指導・勧告を行った結果、解決をみている。
★都道府県労働局長による紛争解決援助の事例★
◆育児休業取得を理由とする職種変更の事例
《申中立内容》
事務職で採用されたが、育児休業からの復帰にあたり営業職での復帰しかなく、営業職は転勤や残業もあるとの説明を受けた。営業職での復帰ができない場合にはどうなるかと聞いても、営業職しかないとの回答で、退職とは言われないが、退職勧奨ではないか。休業前の事務職で復帰したい。
《事業主からの事情聴取》
申立者が育児休業に入るにあたって、代替要員を親会社に依頼し受け入れてきたが、親会社にも社員削減の動きがあり、育児休業終了後も当社に残ることになった。そのため、人手が不足している営業職であれば復帰させることができるので提案した。育児休業を取得している申立者以外には、営業職への転換を勧めることはしていない。
《労働局長による援助》
育児休業を取得した申立者のみに営業職への転換を勧めることは、育児休業の取得を理由とする不利益取扱いにあたる可能性があるので、事務職として復帰させるよう助言した。 ⇒ 申立者は休業前の事務職として復帰できることとなった。
◆短時間勤務制度の利用を理由とする身分変更強要の事例
《申立内容》
育児休業からの復帰にあたり、短時間勤務制度を利用したい旨を申し出たところ、短時間勤務制度(6時間勤務とする制度)が就業規則で定められているにもかかわらず、人事担当者から「短い労働時間の正社員はいない。労働時間が短い者は皆パートだ」と言われた。正社員として復帰して短時間勤務制度を利用したい。
《事業主からの事情聴取》
短時間勤務をするということは、パートに身分変更をするということであるがら、その旨を申立者に説明した。
《労働局長による援助》
短時間勤務制度を利用し所定労働時間を短くするのは、パートに身分変更することだとする事業主の対応は、短時間勤務の利用を理由とする不利益取扱いであり、育児・介護休業法に反すると判断されるので、申立者を正社員のまま短時間勤務制度を利用させるよう助言した。 ⇒ 事業主が法律の理解が不足していたこと、申立者への対応に誤りがあったことを認め、申立者は正社員のまま短時間勤務制度を利用できることとなった。






























































