労務ニュース

18業務を短期派遣禁止の例外に

派遣法改正で審議会が建議

 労働者派違法の見直しについて検討を行っていた労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)は9月24日、厚生労働大臣に対して、日雇い派
遣を含む30日以内の短期派遣を原則禁止とするなど、法政正に関する具体的措置を示した建議を行いました。
 短期派遣を例外的に認める業務については、専門性が高く、労働者の保護に問題がない業務などを中心に、通訳や秘書など18業務を政令によ
って示すよう求めています。
 このほか、「登録型派遣」の労働者を、その希望を踏まえて常用化するための対策を講ずること、問題が多いとされているグループ企業内への派遣を8割以下に義務づけること、派遣料金やマージン比率など事業運営に関する情報の公開を派遣元に義務づけることなどを提言しています。
 これを受けて厚労省では、派適法改正案の作成に着手する予定です。

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労働者派遣と法律・実務 「派遣先の管理体制」

派遣先責任者の選任

 労働者派遣法では、法令や指針に基づいた派遣就業を適切に実施させるために、派遣元、派遣先のそれぞれに管理上の責任者を置くことを定めています。
 派遣先は、「派遣先責任者」を選任し、派遣労働者の就業に関して次の事項を行わせることが必要です。(法第41条)

  1. 派遣労働者の業務遂行を直接的に指揮命令する者その他の関係者に次の事項を周知すること
    1. 労働者派遣法その他派遣労働に適用される法令の内容
    2. 派遣元と締結した派遣契約の内容
    3. 派遣労働者の氏名などの派遣元からの通知
  2. 派遣期間に制限がある業務について、制限期間に抵触することとなる最初の日の派遣元への通知に関すること
  3. 派遣先管理台帳(後述)に関すること
  4. 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること
  5. 派遣労働者の安全・衛生に関し、派遣事業所の安全・衛生に関する業務を統括管理する者や派遣元事業主との連絡調整を行うこと
  6. その他派遣元事業主との連絡調整に関すること

 選任にあたって派遣先は、労働関係法令の知識を有している者や人事・労務管理などについての専門的な知識や相当期間の経験を有する者、派遣労働者の就業に関する事項について決定権を持つ者など、派遣先責任者の仕事を的確に遂行できる者を選ぶように努めなければならないとされています。
 また、選任の方法としては、派遣事業所ごとに専属として、その雇用する労働者(法人の場合は取締役も可能)から選ぶ必要があり、原則として、受け入れた派遣労働者の数1人以上100人以下を1単位として、1単位につき1人以上配置することとされています。

派遣先管理台帳

 派遣先は、派遣労働者の就業を的確に把握するために、「派遣先管理台帳」を作成し、派遣労働者ごとに一定の事項を記載しなければなりません。(法第42条第1項)
 記載すべき事項としては、派遣労働者の氏名、就業した日ごとの始業・終業時刻、休憩時間、従事した業務の種類、苦情処理に関する事項、社会保険・雇用保険の被保険者資格届の有無、などが定められています。
 派遣先管理台帳は、派遣事業所ごとに作成し、派遣が終了した日から3年間保存する必要があります。(法第42条第2項)

派遣元への通知

 派遣先は、派遣元が派遣労働者の適切な雇用管理を行えるように、派遣労働者の氏名、就業した日ごとの始業・終業時刻、休憩時間などについて、派遣元事業主に通知しなければなりません。(法第42条第3項)
 通知は、書面の交付もしくはファクシミリや電子メールの送信によって、1ヶ月に1回以上、一定の期日を定めて行わなければなりませんが、派遣元事業主から請求があったときは、そのつど、遅滞なく通知することが必要です。

 このように、派遣先はただ派遣労働者を受け入れるだけではなく、法令で定められた管理体制をとらなければなりません。受け入れる場合は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」にも十分留意することが求められています。

労働者派遣と法律・実務 「紹介予定派遣」

紹介予定派遣とは

 紹介予定派遣とは、労働者派遣のうち、派遣元事業主が労働者派遣の開始前または開始後に職業紹介を行い、または行うことを予定してするものです。(労働者派遣法第2条第6号)
 紹介予定派遣を行うことができるのは、労働者派遣事業のほかに職業紹介事業についても許可を受け、または届出を行っている事業者に限られます。
 派遣先にとって紹介予定派遣は、派遣期間中に派遣労働者の業務遂行能力や適正などが直接雇用するのに十分であるかどうか見定めることができるため、採用後のミスマッチによる早期退職などのリスクを回避する効果が期待できます。
 一方、派遣労働者にとっても、派遣先が正規の就職先として適切かどうか、実際に働きながら判断できるというメリットがあります。

紹介予定派遣の特徴

 紹介予定派遣においては、派遣先は派遣就業開始前や派遣期間中に求人条件を明示することができるほか、派遣期間中でも採用を内定することができます。
 また、一般の派遣では行わないように努めなければならないとされている「派遣先による派遣労働者の特定行為」が認められています。
 具体的には、派遣先が派遣就業開始前に面接を行ったり、履歴書を送付させることなども可能となります。

実施するときの必要事項

紹介予定派遣は、派遣先へ直接雇用されることを目指して行われるため、指針において派遣元および派遣先に対して適切かつ有効な実施を図るための必要事項を示しています。主なものは次のとおりです。

(1)派遣受入期間

 紹介予定派遣の場合は、同一の派遣労働者について派遣を受け入れることができる期間は6ヶ月以内に限られています。
 紹介予定派遣は、通常の採用における試用期間のような意味合いもありますので、派遣労働者にとって負担とならないように配慮したものといえます。

(2)派遣労働者を雇用しない場合等の理由の明示

 派遣元事業主は、紹介予定派遣を行った派遣先が職業紹介を受けることを希望しなかった場合や、職業紹介を受けた派遣労働者を雇用しなかった場合には、派遣労働者の求めに応じて、派遣先に対してそれぞれの理由を書面、ファクシミリまたは電子メールにより明示するように求めなければなりません。
 この場合、派遣先はその求めに応じて派遣元事業主に対して、それらの方法により理由を明示することが必要です。

(3)派遣労働者の特定にあたっての留意

 派遣先は、事前面接や履歴書の送付など、紹介予定派遣に係る派遣労働者を特定する行為を行うにあたっては、直接採用する場合と同様に、雇用対策法や男女雇用機会均等法に基づいて、年齢や性別を理由とする差別的な取扱いをすることはできません。
 また、派遣労働者を特定する行為が認められるのは、あくまでも円滑な直接雇用を図るためのものであることから、派遣先が派遣労働者を特定する場合は、業務遂行能力に係る試験の実施や資格の有無など、社会通念上、公正と認められる客観的な基準によって行われることが必要です。

労働者派遣と法律・実務 「使用者」としての派遣先の責任とは

派遣先に適用される労働基準法

 派遣労働者は、派遣元事業主と雇用関係を結んでいますので、派遣元が使用者となります。
 一方、派遣先事業主と派遣労働者との間には雇用関係はありませんが、実際に派遣労働者が指揮命令を受けて業務に従事しているのは派遣先の事業所です。
 そのため、労働者派遣法第44条には、派遣先事業主にも使用者として一定の範囲の責任を負わせる必要があることから、派遣先の事業所を派遣中の労働者を使用する事業とみなし、労働基準法の規定の一部を適用するという特例があります。
 たとえば、労働時間、休日、休憩などの派遣労働者の具体的な就業に関する事項については、時間外・休日労働に関する協定(いわゆる36協定)の締結・届出や1ヵ月単位の変形労働時間制の取り決めなど、その枠組みは派遣元が設定し、その枠組みの範囲内で派遣先事業主が派遣労働者を指揮命令し就労させることができます。
 したがって、派遣元が36協定を締結し、これを労働基準監督署長に届け出た場合に限り、派遣先事業主はその協定に定める限度内で派遣労働者に法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させることができます。

労働基準法上の労働時間等の責任

労働基準法上の労働時間等の責任

派遣先に適用される労働安全衛生法

 労働安全衛生法に関しても、派遣先の事業所を派遣中の労働者を使用する事業とみなし、規定の一部が適用されます。(労働者派遣法第45条)
 具体的には、総括安全衛生管理者や衛生管理者、産業医は派遣元だけではなく派遣先にも選任義務が課され、安全管理者や安全委員会は派遣先にのみ選任・設置義務がありますので、派遣先は派遣労働者を含めてその事業所で常時使用する労働者数をカウントし、選任や設置をしなければならない規模かどうか判断する必要があります。
 また、安全衛生教育については、雇い入れ時の安全衛生教育を行う義務は派遣元にありますが、作業内容変更時や危険・有害業務に就かせる時の特別教育などは派遣先事業主が行う必要があります。
 健康診断については、一般健康診断(雇い入れ時および定期)は派遣先事業主には実施義務がありませんが、健康診断の結果、派遣労働者に健康の異常がある場合は、就業場所の変更、深夜勤務の回数減少など、労働条件や作業環境について適切な措置を行う義務を負うことになります。

派遣元 項目 派遣先
安全衛生教育
雇い入れ時  
作業内容変更時
  危険・有害業務就労時
健康診断
一般健康診断  
健康診断実施後の作業転換等の措置
  有害業務に係る健康診断

労働者派遣と法律・実務 「派遣労働者を特定する行為の禁止」

派遣労働者を「特定する行為」とは

 派遣先は、派遣労働者を受け入れようとする場合に、その労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならないとされています。(派遣法第26条7項)
 この「労働者を特定することを目的とする行為」とは、派遣労働者の候補(リスト)の中から派遣先が特定の人を選択する行為をいい、それに先だって派遣労働者に履歴書を送付させたり、面接を行ったりするほか、受け入れる労働者を若年者に限ることなどが該当します。(「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の3)
 実際に派遣する労働者を決定するのはあくまでも雇用主である派遣元であって、これらの行為を派遣先が行うと、決定の過程に派遣先が関与することになり、派遣労働者の就業の機会や雇用の安定が損われるおそれがあります。このことから、派遣先に課せられた努力義務と言えます。
 ただし、「紹介予定派遣」につていは、法令に基づいて派遣先に対して派遣労働者の職業紹介を行うことを予定して行われる派遣であるため、その性質上、派遣労働者を特定する行為は認められます。

性別による差別の禁止

派遣先は、労働者派遣契約を締結するにあたって、派遣契約書に派遣労働者の性別を記載してはならないとされています。(同指針第2の4)
 また、「男女雇用機会均等法」の趣旨でも、労働者の性別による差別的な取り扱いは行ってはならないとされています。
 このことから、派遣先が受け入れる派遣労働者の「性別」を限定することも、派遣労働者を特定することを目的とする行為とみなされています。
 したがって、たとえば「情報機器操作の業務で35歳以下の女性」などというように派遣先が派遣会社に対して派遣労働者の年齢や性別を限定する要求を出すことは、原則的にできないことになっています。
 労働者派遣は、臨時的・一時的に特定の業務を担当してもらうため、それに必要とする能力や知識、経験などを備えた労働者を受け入れることを目的としたものですので、年齢や性別は本質的に派遣業務には関係がないものだと言えます。
 受け入れる派遣労働者と派遣先の注文とがミスマッチを起こさないようにするためには、担当してもらう業務の内容や必要とする能力や知識などを派遣契約においてできるだけ具体的に明示しておくことが大切となるでしょう。

【実務のワンポイント】

 派遣労働者または派遣労働者になろうとする人が、自らの判断の下に、派遣就労の場所や業務の内容を確認するため派遣就業開始前に事業所を訪問することや、履歴書を送付することは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当しません。
 したがって、派遣労働者などからのこうした行為は受け入れてもよいことになっています。
 ただし、派遣元事業主や派遣労働者もしくは派遣労働者になろうとする人に対して、派遣先からこれらの行為を求めないなど、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないように十分留意することが必要です。

労働者派遣と法律・実務 「派遣労働者の直接雇用が求められる場合とは?」

 労働者派遣法には、派遣労働者の希望を踏まえた直接雇用の促進を図るために、派遣労働者を受け入れる側の事業主(派遣先)に対して、「雇用契約の申込み義務」(派遣法第40条の4、第40条の5)と「雇い入れの努力義務」(第40条の3)が定められています。
 派遣労働者を受け入れる場合は、それぞれの用件の違いなどを踏まえた上で管理することが必要となるでしょう。

雇用契約の申込み義務

(1)派遣受入期間の制限(最長3年)がある業種の場合

 派遣先は、派遣元から派遣受入期間の制限に抵触する最初の日(抵触日)の通知を受けた場合において、抵触日以降も引き続き派遣労働者を使用とするときは、その前日までに、派遣先に雇用契約の申込みを行わなければなりません。
 この場合に申込みの対象となるのは、抵触日の直前にその業務に従事している派遣労働者です。

(2)派遣受入期間に制限がない業務(専門26業務ど)の場合

 派遣先は、同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、3年を経過した日以後、派遣先がその業務に外部から新たに労働者を雇い入れようとする場合は、その派遣労働者に対して、雇用契約の申込みを行わなければなりません。
 ただし、その派遣労働者が派遣先との雇用契約の申込みを拒否し、引き続き派遣労働者として就労を続けることは可能です。

 これらの申込み義務に違反した場合には都道府県労働局長の指導などがあり、それでも従わない場合は、勧告や企業名の公表といった措置をうけることもあるので注意が必要です。

雇い入れの努力義務

 派遣先は、同一の業務に1年以上継続して派遣労働者を受け入れており、その派遣労働者を受け入れていた期間(派遣実施期間)が経過した日以後に、その業務に就かせるため新たに労働者を雇い入れようとする場合には、その派遣労働者を遅滞なく雇用する努力義務が生じます。
 この場合、派遣先に雇用の努力義務が生じるのは、次の(1)および(2)のいずれにも当する派遣労働者です。

(1)派遣実施期間が経過した日までに、派遣先に雇用されて同一の業務に従事することを希望する旨を派遣先に申し出ている。

(2)派遣実施期間が経過した日から7日以内に、派遣元事業主との雇用関係が終了する。

 これも、派遣受入期間が終わるために新たに労働者を雇用しようとする事業主に対して、その業務について1年以上受け入れてきた派遣労働者を優先的に雇い入れることを促進するために定められたルールと言えます。しかし、あくまでも「努力義務」です。

【実務のワンポイント】

 派遣労働者を直接雇用しようとする場合に、どのような雇用形態(正社員・パートなど)で、どのような労働条件とするかについては派遣法では触れていません。
 したがって、雇い入れ後の労働条件などについては、派遣先と派遣労働者との合意によって決定されることになりますが、派遣就業中の労働条件や、その業務に従事している他の労働者の労働条件などを勘案して決定することが望ましいとされています。

受入期間が制限される「同一の業務」とは 〜労働者派遣と法律・実務〜

「同一の業務」とは

 派遣労働者を受け入れる場合、受入期間に制限がある業務については、派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣可能期間(最大3年)を超えて継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできません。(派遣法第40条の2)
 つまり、たとえ派遣労働者や派遣会社を入れ替えても、「同一の業務」を派遣労働者に担当させるのであれば、受入期間の制限を受けることになります。
 ここでいう「同一の業務」とは、労働者派遣契約を更新して引き続き同じ業務を行うほか、派遣先における組織の最小単位において行われる業務も同一の業務であるとみなされます。
 この場合の「最小単位の組織」としては、業務の内容について指示を行う権限を有する者(係長、班長、グループリーダーなど)とその者の指揮を受けて業務を遂行する者とのまとまりのうち最小単位のものをいい、係や班、課、グループなどが該当しますが、名称にとらわれることなく実態により判断されます。

判断の具体例

「同一の業務」に係る判断の具体例は次のとおりです。

(1)組織の最小単位内での異動

 庶務的な業務と営業事務補助の業務をしている一つの係に、派遣労働者が当初は営業事務補助の業務で派遣されてきたが、隣の人が行っていた庶務的な業務もあわせて行うことになった場合や、営業事務補助の業務から庶務的な業務に移行した場合は、引き続き「同一の業務」を行っていると解釈されます。

(2)組織の最小単位を超えた異動

 基本的には、係、班など所属する組織の最小単位を超える異動であれば「同一の業務」を行うとは解釈できないので、異なる派遣が受けられます。
 ただし、類似の業務が多くて管理上組織をいくつかの班に便宜的に分けているに過ぎない場合には、実態をみて「同一の業務」かどうか判断されます。

(3)組織の最小単位の名称(プロジェクトの場合)

 組織のフラット化などといった現象が進行していることから、係や班というのは例示として位置づけられ、基本的な概念としては、同種の労働を行って企業を支えている最少の組織が「同一の業務」の判断の対象とされます。
 したがって、単に名称が「プロジェクト・チーム」であっても、実際には恒常的な係や班だと認められれば、「同一の業務」の規定の適用を受けます。

(4)派遣就業中に組織を再編した場合

 1つの係が2つに別れて、その係が実質的に異なった業務を行っている再編成であれば、「同一の業務」と言えない場合もあります。
 ただし、単に形式的に分けた場合であれば、「同一の業務」を変わらずに行っていると判断されます。

【実務のワンポイント】

 派遣先が新たな労働者派遣を受ける場合に、同一の業務について、その直前の労働者派遣との間が「3ヵ月を超えない」ときは、継続して労働者派遣の役務の提供を受けているとみなされます。
 逆に解釈すれば、3ヵ月を超える中断期間(実務上は3ヵ月と1日以上)があれば、その前後は継続しない異なった労働者派遣とみなされますので、受入期間の制限を受ける「同一の業務」であっても、前後を合わせて3年を超えて派遣労働者を受け入れることができます。
 この3ヵ月を超える中断期間は、一般的に「クーリング期間」と言われています。

派遣の受入期間の制限 〜労働者派遣と法律・実務〜

受入期間の制限がない業務

 労働者派遣は、その業務によって受入期間に制限が「ない」場合と「ある」場合があります。
 制限がない業務は以下の4種類に区分されています。

1.康生労働省令で定める次の26の業務

(専門的な知識や技術、経験を必要とする業務など)
■情報処理システム開発 ■機械設計 ■放送機器操作 ■放送番組等制作 ■事務用機器操作 ■通訳、翻訳、速記 ■秘書 ■ファイリング ■調査 ■財務処理 ■貿易(取引文書作成) ■デモンストレーション ■添乗 ■建築物清掃 ■建築設備運転等 ■受付・案内、駐車場管理等 ■研究開発 ■事業の実施体制の企画、立案 ■書籍等の制作・編集 ■広告デザイン ■インテリアコーディネーター ■アナウンサー ■OAインストラクション ■テレマーケティングの営業 ■セールスエンジニアの営業、金融商品の営業 ■放送番組等の大道具・小道具

2.有期プロジェクト業務

(事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のための業務であって、一定の期間内に完成することが予定されているもの)

3.日数限定業務

(1ヶ月あたり、派遣先の通常の労働者の1ヶ月の所定労働日数の半分以下かつ10日以下の日数だけ派遣する業務。土曜・日曜だけに限定して行わせる業務などが該当)

4.産前産後・育児・介護休業を取得する労働者の業務

(休業取得者が職場復帰するまで)

受入期間の制限がある業務

 前記1.~4.以外の業務については、派遣先の事業所、その他派遣就業の場所ごとの同一の業務に派遣労働者を受け入れる期間に制限があり、最長で「3年」です。
 ただし、その期間が「1年を超えて3年以内」の場合は、派遣先と派遣元であらかじめ1年を超え3年以内の受入期間を定めておくことが必要です。
 また、派遣先はあらかじめ、派遣先の事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(その労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者)に対して期間を通知し、意見を聴くことが必要です。
 さらに、派遣先は、労働者派遣契約の締結に先立って、派遣元に対して受入期間の制限に抵触することとなる最初の日を通知しなければなりません。

【実務のワンポイント】

 派遣の受入期間の制限がない前記①の「26業務」の実施にともない、付随的に受入期間制限のある業務を行わせる場合、1日あたり、または1週間あたりの就業時間数で、その「付随する業務」の割合が1割を超える場合は、最長3年までしか派遣ができないことになります。
 たとえば、「財務処理」の業務であっても請求書発行の業務などはこれにあたります。
 したがって、付随的な業務をともなう「26業務」について派遣契約を締結する場合は、その業務内容とその割合(時間数など)を契約書に記載することが必要です。

派遣ができない業務とは 〜労働者派遣と法律・実務〜

「ネガティブリスト方式」への移行

 昭和61年に労働者派遣法がスタートしたときは、正規の労働者の雇用を確保する必要から、労働者派遣ができる業務は、機械設計など専門的な業務に限られていました。

 その後の改正により、この専門的な業務は26業務にまで拡大されましたが、さらに派遣可能な業務の大幅な見直しが行われ、平成11年12月からは、特定の業務だけを派遣禁止の対象とする、いわゆる「ネガティブリスト方式」へと移行されました。

 これにより、派遣ができる業務は原則自由化され、派遣労働者の数は増加傾向が続いています。

法令による派遣禁止業務

現在、法令の定めによって派遣ができないとされる業務は次のとおりです。

  1. 港湾運送業務
  2. 建設業務
  3. 警備業務
  4. 病院等における医療関係の業務

 このうち、例外なく完全に派遣が禁止されているのは3.の警備業務だけです。1.港湾運送業務と2.建設業務は、それぞれ「港湾労働法」、「建設雇用改善法」に基づいて特別な場合に限り派遣が認められています。

 また、4.医療関係の業務については、次の4つの場合に派遣が認められています。(医療関係の業務とは、医師や歯科医師、(准)看護師、栄養管理士、歯科衛生士などの業務をいい、医療事務は含みません。)

◇社会福祉施設などにおいて行われる医療関係業務
◇「紹介予定派遣(*)」をする場合
◇産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者を派遣労働者に代替させる場合
◇医師の業務であって就業の場所が「へき地(離島や山村など政令・省令で定められた地域)」である場合
(*)紹介予定派遣

 労働者派遣のうち、派遣元事業主が派遣の開始前または開始後に職業紹介(派遣労働者と派遣先との雇用契約成立のあっせん)を行い、または行うことを予定してするもの。

 紹介予定派遣の場合は、同一の派遣労働者について6ヶ月を超えて派遣を行うことはできない。

派遣が認められない業務

 前記以外にも、法令で禁止されてはいませんが、管理的な立場や法令により守秘義務が課される業務など、業務の性質からみて労働者派遣がふさわしくないものとして、次の業務は派遣が認められていません。

  • 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉や労働基準法に規定する協定の締結の際に使用者側の直接当事者として行う業務
  • 弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務
  • 建築士事務所の管理建築士の業務

適正な製造業務の請負とは 〜労働者派遣と法律・実務〜

製造請負の実情

 前回の労働者派遣法の改正(平成16年3月1日施行)で、物の製造業務への労働者派遣ができるようになったことから、おもに注文主の事業所構内で製造業務を請け負う企業の中には、それを機に派遣事業に転換した企業もあります。  一方で、注文主にとって派遣よりも比較的コストが低いことや、派遣法に基づく事務的な負担がないことなどから、引き続き請負事業を営む企業は多いと言われています。  これらの企業の中には、構内にあって注文主側から指揮命令を受けずに労働時間の管理を自ら行うなど、適正な請負業務の運営を行っているところもありますが、「偽装請負」の疑いがあるとして行政指導を受けるところも後を絶たないようです。

適正な製造請負の具体的判断基準

 請負と労働者派遣との違いを明確にするために、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」が定められていますが、概念的な基準だけでは十分ではないことから、製造業務など請負形態が多い事業については、それぞれの事業の実態に即した「具体的判断基準」が示されています。これにより、その請負事業が派遣事業にあたらず、適正であるかどうか判断されています。  製造業務の請負に関する具体的判断基準の主なものは下記のとおりです。
製造業務の請負に関する具体的判断基準 ※ 〇印は具体的判断基準です

1.受託者(請負業者)が業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うこと
 〇一定期間において処理すべき業務の内容や量の注文を注文主から受けるようにし、当該業務を処理するのに必要な労働者数等を自ら決定し、必要な労働者を選定し、請け負った内容に沿った業務を行っていること。
 〇作業遂行の速度を自らの判断で決定することができること。
 〇作業の割り付け、順序を自らの判断で決定することができること。

2.受託者が労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行うこと
 〇受託業務を行う具体的な日時(始業および終業の時刻、休憩時間、休日等)については、事前に受託者と注文主とで打ち合わせ、業務中は注文主から直接指示を受けることのないよう書面を作成し、それに基づいて受託者側の現場責任者を通じて具体的に指示を行っていること。
 〇実際に業務を行った時間について、受託者自らが把握できるような方策を採っていること。
 〇受託業務の業務量の増加に伴う受託業務従事者の時間外、休日労働は、受託者側の現場責任者が業務の進捗状況等をみて決定し、指示を行っていること。

3.受託者が労働者の配置等の決定および変更を自ら行うこと
 〇自らの労働者の注文主の工場内における配置も受託者が決定すること。
 〇業務量の緊急の増減がある場合には、前もって注文主から連絡を受ける体制にし、受託者が人員の増減を決定すること。

4.受託者が自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備もしくは器材(業務上必要な簡易工具を除く。)または材料もしくは資材により、業務を処理すること
 〇注文主からの原材料、部品等の受取りや受託者から注文主への製品の受渡しについて伝票等による処理体制が確立されていること。
 〇注文主の所有する機械、設備等の使用については、請負契約とは別個の双務契約(貸借契約書など)を締結しており、保守および修理を受託者が行うか、ないしは保守および修理に要する経費を受託者が負担していること。

 こうした基準に適合した請負事業を行うためには、受託者側と注文主側の協力体制ができていなければなりません。現場の実態に照らし合わせて定期的に点検することが必要となるでしょう。

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