11月★定額の賞与は『賞与』ではない?  -ここが知りたい労使問題

【質 問】

当社の賃金規程の賞与に関する定めでは、「毎年6月に基本給の1.5ヵ月分、12月に2.5ヵ月分の賞与を支給する」となっており、実際にもその定めに従って支給しております。
 このように賃金規程において賞与の支給額まで定めている場合、賞与とはみなされないという指摘を受けましたが、このような規定では問題があるのでしようか?

【回 答】

現状の規定では、賞与の支給額を確定して支払うことをあらかじめ定めていることになりますので、労働基準法の上では、賞与には該当せず、通常の賃金として毎月支払いの対象となります。

【解 説】
 労働基準法第24条第2項では、「賃金は、毎月1回以上、1定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。」と定められています。
 また、ここでの「賞与」については、通達で以下の通り示されています。
 「賞与とは定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。定期的に支給されかつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とみなさないこと。
 したがって、かかるもので施行規則第8条に該当しないものは、法第24条第2項の規定により毎月支払わなければならないこと。」(昭22・9・13発基17)

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【 参 考 】
 労働基準法施行規則
第8条 法第24条第2項
 ただし書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
1. 1箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
2. 1箇月を超える1定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
3. 1箇月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当

 このような根拠から、質問のケースのように「毎年6月に基本給の1.5ヵ月分、12月に2.5ヵ月分の賞与を支給する」と、賃金規程に確定した支給額まで定められている場合は「賞与」とみなされず、労働基準法施行規則第8条の「精勤手当」、「勤続手当」、「奨励加給又は能率手当」のいずれにも該当しないため、同法第24条第2項の定めにより、毎月払いの対象ということになります。
 したがって、あくまでも「賞与」として支給するのであれば、賃金規程の上で支給額が確定しないような定めにしておくことが必要です。
 たとえば、会社の業績などに応じて賞与の支給時期や額の変動が予想されるようであれば、「賞与は、各期の業績を勘案し、原則として年2回、6月と12月に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。」としておけば問題ないでしょう。

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