労務ニュース

11月★出産育児一時金の直接支払制度  -社会保険・ワンポイントゼミナール

【質 問】

今年10月から出産育児一時金の額が引き上げられましたが、支払方法も変わったのでしようか?

【解 説】
■【「直接支払制度」とは】

 今年9月までは、出産育児一時金(家族出産育児一時金を含む。以下同じ)は、原則として出産後に被保険者などからの申請に基づいて支給する仕組みとなっていました。しかし、一時的にまとまった費用を用意するという経済的負担の軽減を図る目的から、その支給方法が見直され、10月からは原則として、医療機関等(病院、診療所、肋産所)が被保険者などに代わって出産育児一時金の支給申請や受け取りを行うことになりました。
 この仕組みは、国などの保険者が医療機関等に出産費用を直接支払うことから、「直接支払制度」と呼ばれています(直接支払制度は、平成21年10月1日から23年3月31日までの間の出産を対象とした暫定的な措置)。
 しかし、当面の準備が整わないなど、直接支払制度に直ちに対応することが困難な医療機関等については、今年度に限り、準備が整うまでの間、直接支払制度の適用が猶予されることになっていますので、事前にこの制度が利用できるかどうか医療機関等に問い合わせた方がよいでしょう。

■【必要な手続きは】

 直接支払制度を利用する場合、利用者がしなければならない手続きは、次のとおりです。

①被保険者証等(日雇特例被保険者の受給資格者票または国民健康保険被保険者資格証明書を含む。)を医療機関等に提示します。

②医療機関等から提示された申請・受取にかかる代理契約に関する合意書面に署名(または記名捺印)します。

 また、帝王切開など高額な保険診療が必要と分かった場合は、あらかじめ加入する保険者から限度額適用認定証等を入手し、医療機関等に提示しておくと、保険診療にかかる窓口負担(原則は3割負担)が所定の自己負担限度額以内で抑えられます。
 なお、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額の範囲内であった場合には、その差額分は出産後に保険者に請求することで受け取れます。逆に、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額を超える場合には、その超えた額を医療機関等に支払うことになります。

■【「受取代理制度」との違いは】

 これまでも、医療機関等が被保険者などに代わって出産育児一時金を受け取る「受取代理制度」という仕組みがありました。しかし、この制度は、出産育児一時金を出産前に申請するもので、申請書に医療機関等から必要事項の記入を受けてから、保険者に対して申請書を提出する必要があり、利用者にとって手続きが煩雑でした(受取代理制度は今年9月30日をもって廃止)。
 直接支払制度は、原則として医療機関等の窓口だけで手続きが済みますので、利用者にとって負担が軽減されたものとなっています。

★ワンポイント・チェック★

 直接支払制度の利用を望まない場合は、出産後に出産育児一時金支給申請書を提出するという従来の方法により支給を受けることができます。
 また、健康保険組合で独自に実施している付加給付は、直接支払制度の対象外ですので、各健康保険組合の定めによって別途に申請することになります。

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