紛争の自主的解決とは?

    -ここが知りたい労使問題

◆【質問】◆

当社は、従業員約30名の食品卸会社で、創業以来35年間、労使関係も比較的良好でしたが、最近の厳しい経営環境から、今後は賃金をはじめ労働条件をめぐるトラブルなども懸念されています。
 もしもトラブルが発生した場合は、できるだけ社内において解決するよう考えていますが、そのためには企業側の対応としてどのようなことが求められているのでしようか?

◆【回答】◆

紛争当事者である労使においては、まず早期に誠意をもって話し合うことにより、お互いの主張を確認し、問題点を整理すること。労使で直接話し合うことが困難な場合は、第三者を介して話し合いを行うことなどが求められます。

◆【解説】◆
 企業内で労使トラブルが発生した場合の「紛争の自主的な解決」について、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」平13.7.11法律112号)第二条では次のように定められています。

「個別労働関係紛争が生じたときは、当該紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない。」 いわゆる「努力義務規定」ですが、具体的な内容については、関連通達で次のとおり示されています。

 努力義務の具体的内容

(1)本条(法二条)により、紛争当事者である労使においては、具体的には、まず、早期に、誠意をもって話し合うことにより、互いの主張を確認し、問題点を整理すること、又は、紛争当事者が直接に話し合うことが困難な場合には、第三者を介して話し合いを行うなどにより、企業内での解決に努めることが求められることとなること。

(2)このような話し合いを促進するためには、労働者から苦情が申し立てられた際に対応するのみならず、あらかじめ、企業内において、労働者からの苦情を受け付けてこれを処理するための仕組みを整備しておくことが望ましいこと。具体的には、苦情処理の仕組みを明確化して労働者に周知する、不満・苦情を受け付ける担当者・窓□を設ける、紛争処理機関を設置するといった様々な方法が考えられるが、如何なる方法をとるかは、各企業の労使に委ねられるものであること。(平13・9・19厚労省発地129 第3「2」)

 このように、自主的解決のためには、その場だけの一過性の対応ではなく、企業内において労働者からの苦情を受けて、これを処理するしくみを整備しておくことが望ましいとされています。
 例えば、社内に苦情処理機関としての「相談室」を設置することなどが考えられますが、どのような方法とするかは各企業の実態に即した対応策を講じることとされています。

 現在まで比較的良好な労使関係で推移してきたとしても、今後トラブルの発生が懸念されるようであれば、こうした時期こそ、紛争を未然に防止するため就業規則や諸規程を見直す絶好のチャンスでもあります。企業の実情に応じて、それらを見直すとともに、従業員との意見交換の場や職場のコミュニケーションなど、労務管理全体の整備に取り組むのもよいでしょう。

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