休業に伴う報酬月額の改定(厚生年金・健康保険)

      -社会保険・ワンポイントゼミナール

◆【質 問】◆

 当社は数カ月前から生産調整のために一部の社員に対して休業を実施しています。
 休業日については固定給の6割の休業手当を支給しているので、毎月の給与支給額は本来の標準報酬月額よりも低くなっています。
 このような場合でも、届出をすれば標準報酬月額を下げることができるのでしようか?

◆【解 説】
★休業に伴う随時改定★
 健康保険や厚生年金保険の保険料や給付のもとになる標準報酬月額は、基本的には毎年一回の「定時決定」により決められますが、その途中で実際の報酬の額に大幅な変動があった場合は、実態とかけ離れた状態になるため、定時決定を待たずに報酬月額の変更を行います。これが「随時改定」で、その届出を一般的に「月額変更届」といいます。

 月額変更届による改定は、原則として、次の3つの要件をすべて満たしている場合に行われます。
①昇給や降給などにより固定的賃金に変動があった
②変動月以降引き続く3ヵ月間とも賃金の支払い基礎日数が17日以上ある
③変動月から3ヵ月間の報酬の平均額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある
 この「固定的賃金」とは、あらかじめ支給額や支給率が決まっているものをいい、残業手当や稼働口数に応じて支給される精勤手当などは含まれません。しかし、一時帰休(休業)に伴って、本来の報酬よりも低額な休業手当などが支払われた場合は、固定的賃金の変動とみなされ、随時改定の対象として扱われます。
 ただし、基本給などの固定的賃金が減額され、かつ、その状態が継続して3ヵ月を超える場合に限られています。

1時帰休(休業)に伴う随時改定(イメージ図)

★改定後に休業が解消したときは・・・★

 休業手当などをもって標準報酬月額の改定が行われた後に、一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象となります。
 一時帰休の状況が解消した場合とは、固定的賃金が減額されない状態をいいます。したがって、今後一時帰休を行わないことが明確でなくても、現実に固定的賃金が減額されない状況が継続して3ヶ月を超え、標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合は、「月額変更届」を提出することが必要です。

◆ワンポイント・チェック◆
 
月額変更届の提出が遅れ、受付日が「改定年月」に記入された年月の初日(1日)より60日以上経過している場合は、賃金台帳(写)および出勤簿(写)を添付する必要があります。
 また、標準報酬月額が5等級以上引き下がる場合は、賃金台帳(写)等の添付が必要となっています。(健康保険組合や厚生年金基金に届け出る場合は、各組合等の取扱いによります)

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