解雇予告除外認定について
-ここが知りたい労使問題
◆【質 問】
当社就業規則の懲戒解雇事由は20項目以上詳細に定めていますが、解雇については、「従業員の責めに帰すべき事由によって解雇する場合で、労働基準監督署長の認定を受けた者を除き、30日前に本人に予告し、または労働基準法に規定する平均賃金の30日分に相当する予告手当を支給して行う」となっています。
この「労働基準監督署長の認定」を受ける場合の基準とはどのような内容でしょうか?
◆【回 答】
就業規則の解雇事由として定めている場合であっても、労働者の責めに帰すべき事由については、総合的に判断して認定するべきとされています。
◆【解 説】
労働基準法第20条では解雇予告の義務について規定されていますが、その但し書きでは、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。」とされ、解雇予告は不要であると定めています。また、これらの場合には、事前に所轄労働基準監督署長の認定を受けなければならないとされています。更に「労働者の責めに帰すべき事由」の具体的な事例として
これについて通達では、労働基準監督署長は以下の基準により認定すべきこととされています。(昭23・11・11基発1637 昭31・3・1基発111一部要約)「労働者の責めに帰すべき事由とは、労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由であるが、判定にあたっては、労働者の地位、職責、勤続年限、勤務状況等を考慮の上、総合的に判断すべきであり、労働者の責めに帰すべき事由が法第20条の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質なものであり、従ってまた使用者をしてかかる労働者に30日前に解雇の予告をなさしめることが当該事由と比較して均衡を失するようなものに限って認定すべきものである。」
①原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する場合をあげていますが、その認定にあたっては、「必ずしも個々の例示に拘泥することなく、総合的がつ実質的に判断すること。なお、就業規則に規定されている懲戒事由についてもこれに拘束されないこと。」とされています。
②賭博、風紀紊乱(ぶんらん)等により職場規律を乱し、悪影響を及ぼした場合
③経歴を詐称して採用された場合
④他の事業場へ転職した場合
⑤原則として2週間以上無断欠勤した場合
⑥出勤不良で数回にわたって注意を受けても改めない場合
このように、就業規則の懲戒解雇事由に該当するからといって直ちに認定されるというものではないので、会社側としても除外認定申請をする際には、こうした基準を参考にするなど、慎重な対応が必要となるでしょう。また、認定審査では事実確認が重要となりますので、客観的に解雇事由を証明できる書類などはできるだけ多く準備しておくべきでしょう。




