労務ニュース

有期雇用ガイドラインのポイント

法令解説   均衡の取れた待遇の配慮

★ 均衡考慮の原則 ★

 厚生労働省の調査によると、有期契約労働者である「契約社員」について、業務の専門性や責任などの点て通常の労働者(正社員)と同じ、または高い(重い)と回答する事業所および労働者が半数を超えています。しかし一方で、通常の労働者と比較した賃金については「納得できない」とする労働者の割合が、「適当である」とする労働者の割合よりも多くなっています。
 このような状況で、有期契約労働者の労働意欲を向上させるためには、事業主が専門性や責任の程度など就業の実態に照らして、通常の労働者との均衡(バランス)を考慮しつつその処遇の改善に努めることが有意義であるとされていますが、「すべての有期契約労働者について考慮している」とする事業所の割合は半数にも達していません。
 そこで、有期雇用ガイドラインでは、労働契約法第3条に定める次の労働契約の原則を示しています。

労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきこと。(契約法第3条第2項)

★ 通常の労働者との均衡の取れた待遇とは ★

 この原則を具体的に実践してもらうために、パートタイム労働法や同法に基づく指針において事業主に対して求めた均衡待遇を、同ガイドラインにおいても、事業主にその趣旨を理解し、待遇を決める際や変更する際には考慮に入れるよう求めています。

■賃金等の均衡待遇
 特に、賃金のうち基本給や職務に関連する手当、賞与などについては、有期契約労働者の専門性や責任の程度において通常の労働者とバランスが取れていないことに対する不満が多いことから、通常の労働者との均衡を考慮しながら、職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験などを勘案し、決定するよう努めるべきだとしています。そのためには、職務の内容や成果、能力などをできるだけ適正に反映させるために、通常の労働者と共通の評価制度を導入することなども必要となるでしょう。
 また、退職手当、通勤手当など職務に密接に関連して支払われるもの以外の手当についても、就業の実態、通常の労働者との均衡などを考慮して定めるようにすることが望まれています。

■福利厚生の均衡待遇
 福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室については、仕事に直接関連する施設であり、雇用形態が異なるからといって通常の労働者以外に利用させないのは、不利益を与えることにつながるため、通常の労働者と同様に有期契約労働者にも利用の機会を与えるよう配慮するべきであるとしています。
 そのほか、医療、教養、文化、体育、レクリエーションなどを目的とした福利厚生施設の利用やその他の福利厚生の措置についても、有期契約労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡などを考慮した取扱いをするよう努めることが求められています。

■苦情処理体制の整備
 事業主は、有期契約労働者から賃金、教育訓練、福利厚生などに関して、均等待遇が考慮されていないなどの苦情の申し出を受けたときは、実態をよく把握して自主的な解決を図ることが望まれています。

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