労務ニュース

キャリアパスへの配慮ほか -有期雇用ガイドラインのポイント

【キャリアパスへの配慮等(正社員登用)】
 厚生労働省の調査によると、正社員ではなく有期契約で就業している理由として、契約社員や1日の所定労働時間が正社員とほぼ同じパート労働者からの回答では、「正社員になりたいが正社員として働ける職場がない」とする割合が高くなっています。
 働き方が多様化し、有期契約労働者は必ずしも正社員登用を希望しているのではありませんが、ニーズに応じて、希望する人には正社員として登用される機会が与えられることが、有期契約労働者のモチベーション向上につながるという考え方もあります。
 ガイドラインではパート労働法における定めを踏まえ、通常の労働者(正社員)への転換を推進するため、その雇用する有期契約労働者について、次のいずれかの措置を講ずることを事業主に求めています。

①通常の労働者の募集を行う場合にその業務内容、賃金、労働時間等の募集条件を事業所に掲示するなど、有期契約労働者にも周知すること。

②通常の労働者の配置を新たに行う場合に当該配置の希望を申し出る機会を、有期契約労働者にも与えること。

③有期契約労働者から通常の労働者への転換のための試験制度を設けるなどの措置を講ずること。

【教育訓練・能力開発の機会の付与】
 同省の調査によると、職業能力開発については契約社員の7割以上が意欲を示していて、正社員とほぼ同じ水準にあります。 しかし、計画的なOJT(仕事のなかで知識や技術を習得させる訓練)を実施した事業所割合は非正社員では正社員の約4割に過ぎず、非正社員の自己啓発を支援した割合も正社員の6割程度であるなど、能力開発の面で格差が生じているのが現状となっています。
 ガイドラインではこうした実態を踏まえて、事業主は通常の労働者に対して実施する教育訓練で、職務の遂行に必要なものについては、職務の内容が同じ有期契約労働者に対しても実施するべきだと
しています。また、そのほかにも、通常の労働者との均衡を考慮して、職務の内容、職務の成果意欲、能力及び経験などに応じ、有期契約労働者に対しても教育訓練を実施するように努めるべきだとしています。

【法令の遵守等】
 労働基準法をはじめ労働者を保護する法令は、通常の労働者だけではなく、有期契約労働者についても適用されます。事業主はこのことを認識して法令を遵守するとともに、就業規則や締結した各労使協定などを、一定の方法により有期契約労働者にも周知させなければならないとしています。
 特に、労働安全衛生法においては、雇入れ時または作業内容を変更した場合に、その従事する業務に関する安全衛生教育を行わなければなりません。さらに、危険または有害な業務に就かせるときは、特別な安全衛生教育を行う必要があります。
 また、有期契約労働者の就業の状況などを踏まえたうえで、基準に照らして加入の必要かある場合には、雇用保険などに加入させなければなりません。

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