事業場内産業保健スタッフ等によるケア -職場のメンタルヘルスケア

 職場のメンタルヘルスケアにおいては、ストレス要因の除去または軽減などの予防策が重要ですが、万一、メンタルヘルス不調に陥った労働者が出た場合に、その早期発見と適切な対応を図るため、管理監督者と協力してケアに当たる専門スタッフを設置することも重要です。

 ■ 事業場内産業保健スタッフの主な役割 ■
 産業医や保健師、衛生管理者(推進者)、安全衛生推進者や人事労務管理スタッフ、さらには事業場内の心の健康づくり専門スタッフなどをあわせて「事業場内産業保健スタッフ等」と言います。
 事業場内産業保健スタッフ等によるケアとしては、労働者に対する「セルフケア」や管理監督者に対する「ラインによるケア」に関しての教育研修や情報提供をけじめとして、相談への対応、職場環境の把握・改善や職場復帰の支援などがあります。このうち特に重要な役割を担っているのが、相談への対応と職場環境の把握・改善です。

 ■ 相談への対応 ■
 産業医や保健師等は、労働者自身や管理監督者からメンタルヘルス不調に関する相談があったときは、管理監督者と協力して、専門的な立場から適切な保健指導などを行うとともに、相談などから把握した情報を基に、必要に応じて事業場外の医療機関への相談や受診を促します。
 小規模で、産業医や保健師等のスタッフが設置できない事業場であっても、相談を受けた場合には、状況により専門の医療機関への相談や受診を促すことが必要となるでしょう。また、地域産業保健センターなどの事業場外資源の支援を活用することも有効です。

 ■ 職場環境の把握と改善 ■
 事業場内産業保健スタッフ等は、定期的または必要のつど、職場内にストレス要因があるかどうかを調べます。具体的には、職場内を巡視する、管理監督者・労働者から聴き取りを行う、専門の調査票を活用して問題点を把握する、などです。
 そのうえで、管理監督者に職場環境などの改善を助言したり、管理監督者と協力して改善するように努めます。また、必要に応じ、事業者に対して改善を助言します。
 例えば、ある部署で仕事のコントロールがうまく機能していなくて、負担が大きくなり、常に労働者が疲労感や不安感などを持っていることが認められる場合、勤務スケジュールや役割分担の見直しなどによって、ストレス要因を軽減するように改善または助言を行います。

 ■ 人事労務管理スタッフによる対処 ■
 労働者の心の健康は、人事労務管理に関連した要因によって大きな影響を受けることもありますので、メンタルヘルスケアには、人事労務管理スタッフの役割は重要だと言えます。
 特に配置転換や組織の再編成などがあったときは、メンタルヘルス不調に陥りやすくなるので、こうした人事労務管理上のシステムが心の健康にマイナスの影響を及ぼさないように、労働時間などの労働条件の改善や適正配置に配慮することが大切です。
 また、メンクルヘルスケアを進めるに当たっては、健康情報を含む労働者の個人情報の保護が重要です。人事労務管理スタッフは、労働者が安心してメンタルヘルスケアに参加できるよう、心の健康に関する情報の収集や利用に当たって、労働者の個人情報の保護への配慮を十分に行っていくことが求められます。

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