事業場外資源によるケア -職場のメンタルヘルスケア
■事業場外資源によるケア
職場におけるメンタルヘルスケアを行う上で、事業場内の産業保健スタッフによる相談体制を確立することが重要ですが、一方で、事業場の抱える問題や求めるサービスに応じて、メンタルヘルスケアに関し専門的な知識が必要な場合や、労働者が相談内容などを事業場に知られることを望まないような場合には、事業場外資源を活用して、メンタルヘルスについての知識や、専門家からの助言などを得られるようにしておくことが大切です。
■ 事業場外資源とは ■
事業場外資源とは、精神科医療機関や地域の保健サービスを行う機関など、心の健康づくりを支援する機関や人的資源をいいます。(下表参照)
職場のメンタルヘルスで活用できる主な事業場外資源
○地域産業保健センター
○都道府県産業保健推進センター
○精神科、心療内科等の医療機関
○労働衛生コンサルタント、産業カウンセラー、臨床心理士等
○労災病院
○精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター等
○中央労働災害防止協会
各事業場外資源の役割や提供するサービスの内容は様々ですが、とくに、地域産業保健センターは、心の健康に関する相談の実施、専門スタッフの紹介、必要な情報提供など、小規模事業場の労働者や事業者に対する産業保健サービスの提供を中心に行っています。
したがって、産業医や衛生委員会の選任義務のない労働者数50人未満の小規模事業場においては、地域産業保健センターの支援を受けることは有効といえるでしょう。
■ ネットワークの形成 ■
こうした事業場外資源の活用にあたっては、これに依存し過ぎることにより、事業者がメンタルヘルスケアの推進について主体性を失わないように留意しなくてはなりません。
したがって、事業場内のメンタルヘルス推進担当者は事業場外資源が主催する研修会へ積極的に参加して知識を得るとともに、窓口となって必要な情報提供や肋言を受けるなど、円滑な連携のためのネットワークを目頃から形成しておくことも重要といえます。
また、専門の医療機関を決めておき、実際にメンタルヘルス不調者が出た場合には、速やかに相談、受診させることができるように連携しておくことも必要となるでしょう。
■ 家族との連携 ■
メンタルヘルス不調者のなかには、医療機関への相談や受診などを希望しない人も少なくありません。また、家庭生活の問題をきっかけにメンタルヘルス不調に陥る場合もあります。このようなときには、家族に対する助言や支援が心の健康の回復につながる場合もあります。
具体的には、明らかに治療が必要なケースで本人が受診を拒むときは、家族側とも連携して本人を説得することや、家族が不調の原因について心当たりがあるようなときには、家族を通じての相談や各機関からの支援が行われるように配慮することなどが考えられます。




