職場復帰の判断と復帰プランの作成  -職場のメンタルヘルスケア

 メンタルヘルス不調により休業した労働者の職場復帰を支援するためには、復帰ができるのかどうかを医師の診断書等必要な情報を収集した上で判断し、復帰ができると判断したときは具体的なプランを作成する、というステップを踏むことが重要だとされています。

■主治医による職場復帰可能の判断■
 職場復帰支援を進めるためには、本人の復職の意思とそれに対する主治医の同意が前提要件となります。したがって、休業中の労働者から職場に復帰したいという申し出があった場合には、事業者はまず職場復帰可能という判断が記された主治医による診断書(復職意見書)を提出するように求めます。
 診断書には、勤務時間や仕事の内容等、就業させる上で復職後当面どのような配慮が必要かについても、具体的な意見を含めてもらうようにすることが望ましいでしよう。
 なお、現状ではこの診断書の内容は本来の仕事がどのくらいできそうかではなく、医学的な見地から症状の回復具合に関するものが多く、労働者本人や家族の希望が反映されている場合もあります。

■職場復帰の可否の判断■
 職場復帰の可否を判断するにあたっては、労働者本人、管理監督者(上司)、事業場内産業保健スタッフ等の間で十分な話し合いをもちながら、労働者の意思や主治医の意見等の情報を収集、確認するとともに、労働者の状態(回復状況や業務遂行能力の回復度)および復帰先の職場環境を中心に評価を行います。
 産業医が選任されていない50人未満の小規模事業場においては、人事労務管理スタッフおよび管理監督者、衛生推進者等が、主治医や地域産業保健センター等の事業場外資源による助言をもとに、この判断を行うことになります。

 ①労働者の状態の評価

 労働者の状態については、具体的には、今後の通院治療の必要性、業務の遂行に影響を及ぼす可能性のある症状や薬の副作用の有無等について確認し、その時点での業務遂行能力(どのくらい仕事ができるか)について評価を行います。
 それには、生活リズム(起床・就寝時間等)、昼間の眠気の有無、注意力・集中力の程度、業務遂行と関係のある行動(読書やパソコン作業、軽度の運動等)の実施状況と、それらによる疲労の回復具合等を聴き取ると参考になります。
 また、必要に応じて、家族から本人の家庭での状態について情報を収集するのも良いとされています。

 ②職場環境の評価

 復帰先の職場に問題があると、復帰してもその後の適応に支障をきたすことにもつながります。したがって、復帰後に予定されている業務と労働者の能力、意欲・関心が適合しているか、職場の人間関係、業務の量(作業時間、作業密度等)や質(責任の度合、困難さ等)はどうか、復帰者を支える職場の雰囲気やメンタルヘルスに関する理解は良いか、業務上の配慮(仕事の内容や量の変更、就業制限等)や人事労務管理上の配慮(配置転換・異動、勤務制度の変更等)は実施可能か、等について評価、検証を行います。

■職場復帰支援プランの作成■
 職場復帰が可能と判断したら、具体的な職場復帰支援プランを作ります。職場復帰を円滑に進めるためには、元の就業状態に戻すまでにいくつかの段階を踏むのが良いとされ、それぞれの段階に応じた支援の内容と期間を決めます。
 また、復帰する労働者には、プランに基づき着実に職場復帰を進めることが長期的、安定的な職場復帰につながることを十分に理解してもらうことが必要となるでしょう。

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